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妻が抱える”見えない時限爆弾”
「妻が見えない時限爆弾を抱えている」
妻との関係を改善したいと願う男性たちのお話を聞き続けて2年が経ちますが、多くの人にある共通点があることに最近気がつきました。
それは、どの方も妻が”見えない時限爆弾”を抱えているということです。
人によってはすでに爆発したあとであったり、爆発寸前であったり、もしくは爆発するのは数年先ではあるけど、爆弾の存在になにかのきっかけで気がついたり。
状況はさまざまだけど、多くの人の奥さんは時限爆弾を抱えているんです。
そして、本人はそれが爆弾であることに気がついていないんです。
この心のモヤモヤはなんだろう?
心の重みはなんだろう?
なぜ、夫を許したくないんだろう?
夫に対する不信感や不満が本人が気がつかないうちに溜まっていき、いつしかそれが爆弾となり、爆発するときを待っている。
そして、それは「離婚」や「性的な問題」となって表面にあらわれ、ふたりを巻き込み、ときには子どもも巻き込んで大きく爆発する。
この時限爆弾はなぜ生まれ、どうすれば爆発を防ぐことができるんだろうか?
◇
爆弾が生まれる背景のひとつは”呪縛”だとぼくは思います。
「子どもの世話は自分がしないといけない」
「夫の方が収入が高いんだから、稼いでない自分が家のことをやらないといけない」
そんな思い込みや、自分が育った家庭環境の影響を受けて、”(家事育児を)自分がやらないといけない”という呪いにかかっているんです。
昭和以前なら地域コミュニティの力を借りながら、ひとりで家事育児をすることが可能だったのかもしれないけど、核家族が9割近い現代ではとてもムリな話ですよね。
ムリなんだけど、多くの人は”自分がやらないといけない”と思い込んでいて、ひとりでがんばってしまうんです。
それが”いい奥さん”の条件であると、女性自身が(特に若い頃は)思っていることが多いんです。
そして、ひとりで家事育児をこなすうちに徐々にムリであることに気がついてきます。
(これを全部、ひとりでやるのきついな…)
そう思うこともありますが、”自分がやらないといけない”と思い込んでいるので、夫に頼ることなく頑張り続け、気がつけばワンオペスキルがどんどん上がっていきます。
スキルは上がっていくんだけど、きついものはきついので、夫に頼りたいと思うこともあるのですが、”自分がやらないといけない”という呪いにかかっているので、夫にうまく頼れないんです。
「助けて欲しい」と夫にうまく言えないんです。言えたとしても強くは言えないんです。
”自分がやるべきことを夫にやってもらおうと思っている”
そう思い込んでしまっているので、夫に頼むことが申し訳ないと思ってしまっているんです。
そして、ますます自分が苦しくなっていくんです。
夫が助けてくれることがあったとしても、妻が”家事育児は自分がやるべきこと”と思っているので、夫は”お手伝い感覚”から抜け出すことができません。
夫にうまく頼れない状況が”妻を支えない夫”を生み出すんです。
”辛いけど家事育児は自分がやらないといけない”と思っている妻。
”家事育児は妻の仕事であると思っていて、いまさら自分がやろうとしてもうまくできない”と思っている夫。
ふたりが望んでなったわけでもないのに、気がつけばこんな関係になってしまっているんです。
そして、ひとりで戦場のような毎日を生きる妻は次第に疲れていき、夫に対する不信感や不満を静かにつのらせていきます。
ですが、それを面と向かって夫に言うことはありません。
なぜなら、”自分がやらないといけない”という呪いにかかっているからです。
夫に不満をぶちまけることはないので、夫としては平和な毎日だと思っています。
自分は仕事に集中でき、家のことは妻にまかせておける。
ぼくらはうまい具合にバランスが取れた日々を暮らしていると、多くの男性は思っているんです。
ですが、無意識のうちに妻の心に生まれた夫への不信感は少しづつ大きくなり、いつか盛大に爆発する時を待つ”時限爆弾”へと成長していくんです。
◇
妻の心に生まれた時限爆弾は除去することがとても難しいです。
なぜなら、本人はそれが爆弾だと思っていないからです。
”呪縛”と”夫に頼れない状況”によって、問題の原因が見えていないからです。
夫が助けてくれないのは、妻が自分が全てひとりでこなさなければいけないと思い込み、その結果としてなにもしてくれない夫が生まれたからなのですが、その事実は当事者にはなかなか見えないんです。
なぜかわからないけど夫が嫌い。
なぜか夫を許したくない。
妻がそんな時限爆弾を抱えてしまう背景には、”家事育児を自分がやらないといけない”という思い込み、その思い込みによって生まれてしまった”なにもしなくていいと思い込んでいる夫”のふたつの存在があるんじゃないのかなって思うんです。
時限爆弾を除去するには、ふたりがそこにある爆弾に気がつき、なぜその爆弾が生まれてしまったのかを知ることが大切だと、いろんな方のお話を聞いていて最近気がついたんです。
あなたも、あなたの奥さんも”見えない時限爆弾”を抱えていませんか?
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