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夫婦関係を改善しようとすると妻がキレる理由とは?

夫婦関係を改善しようとしているのに、妻が拒絶する。

「私はこのままでいいと言っているでしょ」
「余計なことしないで」
「今まで通り、こっちに近づかないで」

しまいには、「近づかないでと言っているでしょ!」と声を荒げられる。

そんな経験はないでしょうか?

夫婦仲を良い方向へと変えようとしているだけなのに妻にキレられる。どうしたらいいのか戸惑ってしまいますよね。

今日はそんな時にどうすればいいのかについて書こうと思います。

妻はなぜ「夫婦関係の改善」を拒絶するのか?

夫が夫婦関係を改善しようとした時に、妻が激しく拒絶することは本当によくあります。

ぼくは男性からの相談を受けることが多いのですが、こういったケースは本当に多く、多くの方が戸惑ってます。だから、そんなに特別なことじゃないんです。

「夫婦関係を改善しよう」としているだけなのに、なぜそんなにも激しく抵抗するのか。本当に何が起こっているのか意味がわからないと感じてしまいますよね。妻にイライラすることもあるかと思います。

よかれと思って妻に優しくする、話を聞こうとする。だけど、妻はすべてを拒絶し、怒りをぶつけてくる。その怒りに触発されてこちらも怒ってしまう。

そして、妻の思い出し怒りに火がつき、夫婦喧嘩は螺旋解散を駆け上がるようにヒートアップ。

「だから嫌だって言ってるでしょう!」

と妻が叫び、話し合いはいつも終わってしまう。

そんなこともあるかもしれません。

まず知っておいてほしいのは、こういったことは本当によく起こるということです。だから、深く気にする必要はありません。

大切なのは、何が起こっているのかを正しく理解することです。

妻から夫への「恨み」というのは、ぼくらが気がつかないうちにどんどん積み重なっていきます。

夏が終わり、秋になると枯葉が舞い散りますよね。1枚1枚の枯葉は大した量ではありませんが、その枯葉が秋から冬にかけて降り積もり、雨が降ったりするとまるで堆肥のようにぐちゃぐちゃになります。

そんな感じで、何年も、時には数十年かけて、妻は夫への「恨み」を蓄積させていきます。そして、それが臨界点に達した時、妻の感情が「嫌悪」という方向へ大きく舵を切るんです。

それが妻の脳の「扁桃体」の変化です。

扁桃体とは、人が本能的に恐怖や怒りなどを感じる部位で、その扁桃体が「夫=不快」と判断しているんです。

例えば、お化け嫌いな人を無理やりお化け屋敷に閉じ込めるようなものですね。めちゃくちゃ怖いですよね。ぼくはお化け屋敷が大嫌いなので、想像するだけで震えてきます。。。

あるいは、大嫌いな会社の上司と二人きりで飲みに行くとかですね。嫌ですよね。苦痛で仕方ない時間を過ごすことになります。

嫌いな人から「あれをしろ」「これをしろ」と言われるのは本当に苦痛ですよね。

あなたの妻があなたに対して抱いている感情も、それと同じなんです。

夫婦なのにおかしいだろうと思いますよね。ぼくもそう思っていた時期がありました。でも、人という生物である以上、避けられないことなんです。

あなたの妻は、今まであなたが行ってきた「望まない行動」の結果、嫌悪感を抱いている。その嫌悪感が「夫=不快」という認識を作り上げている。

「夫を嫌いでいること」が日々の生活を平和にやり過ごすため手段だった。夫が何を言ってきても心を閉ざし、他人のように接してきた。それが自分を守る唯一の方法だったから。

だけど、その夫が今になって心を開こうとしている。夫婦関係を改善しようとしている。

「私はあなたを嫌いでいることで生きてこられたのに、なぜそんなことをするの?」

「このままあなたを嫌いにさせてくれ。それが一番落ち着くから。」

あなたの妻は今、そう感じています。

夫を嫌いでいること。それが、あなたと共に暮らすために必要だったのです。

では、いったいどうすればいいのでしょうか?

どうやって妻の気持ちを変えていくのか?

人の扁桃体のスイッチを変えることは簡単ではありませんが、不可能でもありません。ただ、非常に時間がかかるということだけは覚えておいてください。

3ヶ月、半年、1年、人によっては3年――あなたが思っているよりも時間がかかります。ですが、何度も言うように不可能なことではありません。

実際に、妻の扁桃体のスイッチを変えることに成功した男性をぼくは何人も見てきました。

では、具体的にどうすればいいのか?

最初にやるべきことは、妻の扁桃体の変化には時間がかかるということを認識することです。

夫婦関係が悪化した時、多くの人は即効性のある解決手段を求めがちです。

「これをすれば夫婦関係が改善する」

「これを買えばすべてが解決する」

といった魔法のような商品を望む気持ち、よく分かります。ぼくもそうでした。

「この苦しみを早く終わらせたい」「何とかしたい」「生きてる心地がしない」――そんな気持ちで心が不安定になりますよね。

ですが、夫婦関係の課題というのは、簡単に解決するものではないんです。人の脳の反応を変える作業ですから。

解決までには時間がかかると認識した後、次にやるべきことは、妻に「安心感」を与えることです。

妻に安心感を与えるには?

安心感を与える作業もまた時間がかかります。そして、忍耐も必要です。だって、妻は夫婦関係の改善なんて望んでませんからね。

安心感を与えるには、あなたが脅威ではないということを認識してもらう必要があります。人は脅威を感じると、「戦う」「逃げる」「固まる」といった反応を示しますが、脅威を感じなくなれば、あなたに対してファイティングポーズを取ったり、話し合いから逃げたりすることがなくなるんです。

では、どうすれば妻があなたを脅威と感じなくなるのか?

仮にあなたが妻に対して、意見や感情をいつも否定してきたとしましょう。その結果、妻があなたに対して脅威を感じるようになったとしますね。

妻が不満に感じているポイントが「自分の意見を否定されること」だと分かったら、それが最初の改善ポイントとなります。

妻を否定せず、話をきちんと聞き、受け止めること。

この時、話を否定せずにきちんと聞くだけでなく、自分の意見をつい伝えたくなってしまうこともあるかもしれません。「夫婦関係を改善したい」「君を愛している」などと伝えたくなることもあるかも。

だけど、妻は夫婦関係を改善したいとは思っていません。もしかしたら、改善したい気持ちはあるかもしれませんが、扁桃体が「夫=不快」とジャッジしている段階では、「関係を改善したい」「愛している」といった言葉は、お化け嫌いな人をお化け屋敷に無理やり連れて行くようなもので、全く逆効果です。絶対にやめた方がいいです。

こちらからのメッセージは最低限にとどめ、まずは妻が抱えている不満を解消することに集中しましょう。例えば、妻が「自分の意見を否定されること」に不満を持っているなら、否定せずに受け止めるということを日々の生活の中で繰り返します。

忍耐と理解が必要

先ほども述べたように、こういった妻へのケアの最中は、なかなか思ったような変化がすぐに訪れません。

「今さらそんなことをしても無駄よ」「あなたに私の気持ちなんて絶対わからないんだから」と、妻の心がバリアを張っている状態なので、簡単には変わらないからです。

そんな時には、「この人の扁桃体は今、こちらを『不快』と判断しているんだな」と理解してください。

妻があなたのことを嫌いになりたくて嫌っているわけではありません。仕方なくそうなってしまっているのです。それは本人にもどうしようもない本能なんです。

これをメタ認知しておけば、妻に対して逆恨みや逆ギレといった行動を取らずに済みます。

どれくらい時間がかかるのか?

どれくらいで妻があなたに脅威を感じなくなるかは、本当に人それぞれです。

ケースバイケースなので一概には言えませんが、妻の傷つき体験が浅ければ3ヶ月程度 、少し深い場合は半年程度 、かなり深い傷つき体験を負っている場合は1年から3年以上はかかるかもです。

かなり時間がかかりますよね。だからこそ、多くの人が諦めてしまうんです。

正直、辛いですよね。自分に敵意を持っている人と同じ家の中で暮らし続けるというのは。そして、その人が変わってくれる保証もないわけですから。

だからこそ、ぼくは同じ境遇の人たちと話し合えるコミュニティに所属したり、相談できる相手を増やすことを提案しています。一人で切り抜けるのは、なかなか難しいですから。

うまくいった方々の話を聞いていると、定期的に相談できるカウンセラーや友人がいたり、自分でそういった環境を作っているケースが多いですね。

時間をかけて妻があなたに対して脅威を感じなくなってきたら、次にやるべきことは「ASAモデル」を回すことです。

ASAモデルとは?

ASAモデルとは、ぼくが考えたコミュニケーション改善モデルです。

A:アクセス(Access) 自分の柔らかな気持ちへのアクセスを指します。ここでいう柔らかな気持ちとは、怒りの下に隠れている感情、例えば「悲しい」「寂しい」「虚しい」といった感情ですね。

妻が発している怒りの感情の下には、柔らかな気持ちが存在しているはずです。これをゆっくりと掘り起こし、認識させていきます。

S:シェア(Share) 掘り起こした妻の柔らかな気持ちを、妻に伝えていきます。多くの女性が、自分の感情を整理できないまま、夫に対して怒りをぶつけてしまうことがあります。なぜこんなにも夫を恨んでしまうのか、その理由がわからないという方は多いんです。

だからこそ、夫であるあなたが、妻の気持ちを掘り起こす手伝いをするのです。妻の怒りの下には柔らかな感情があるはず。それを掘り起こし、そっと妻に手渡していきましょう。

A:アクセプト(Accept) 妻がそれを受け取った時、「あ、私はそう感じていたんだ。だから辛かったんだ」と気づくことができます。そして、「この人は私のことを理解してくれている。受け止めてくれている」と感じられる安心感を得ることができます。

このASAモデルを回すには、人によってはかなり時間がかかりますが、できないことではありません。

そして、ASAモデルをうまく回すことができたら、それを日常生活の中で繰り返し回し続けてください。

すると、普段の生活の中で自然な思いやりができるようになっていきます。

まずは、妻の扁桃体が「夫=不快」と判断していることを知ること。

そして、忍耐を持って妻に安心感を与えていくこと。

安心感を与えることができたら、ASAモデルを回すこと。

ぜひ、やられてみてください。

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