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男は黙って共感しないといけないのか?

「そんなに不満があるなら、なんで今まで言ってくれなかったんだ?」

妻との関係に悩む男性のお話を聞いていると、そんな疑問を自分の妻に感じる人が多いです。

これまで不平不満を言ってこなかったのに、急に態度が変わってしまった。

長年抱えていた妻の時限爆弾が爆発したのかもしれませんが、こういう話になると「男は女性に共感を示さないといけない。今まで妻に共感を示してこなかったからこうなるんだ」という話になりやすいですよね。

でも、本当にそうなんでしょうか?

正しい部分もあると思いますが、どうもそれだけじゃないなと、先日ある方にインタビューをしていて感じました。

共感性が低い男たち

女性より男性の方が共感性が低いというのは確かだと思います。

男性は右脳と左脳のそれぞれを別に動かすことが多いですが、女性は右脳と左脳を連携させて動かすことが男性より得意なため、共感性が男性より高いと言われています。

それから、子どもの生育環境をより良いものするために、他者とのコミュニケーションを円滑に進める必要があり、そのために共感性が高くなったんじゃないかとも思っています。

これは、女性がママ友を作る理由とも同じだと思うんですね。

ぼくの妻ががんばってママ友コミュニティに入っているのも、子どもが毎日を楽しく暮らせるようにするためという側面があるんですよね。

ママ友コミュニティでうまく立ち回れば、小学校生活のための有益な情報が手に入りやすくなりますから。

こんなことはぼくにも到底できないんですよね。共感性やコミュニケーション能力が、女性は男性よりも高いんだろうなって思うんです。

そのため、女性コミュニティにおいてはあたりまえの”相手の感情を察する行為”を夫ができないと、「なんでなの?」と責められやすくなるんです。

遠回しな言い方でなにかをお願いしていることに気がつかなかったり、言って欲しい言葉を言ってくれなかったり、もしくは余計なことを言ってしまったり。

こういうことがあると、「だから男性は……。」という話になりがちですよね。

ぼくも経験があるし、他の男性のお話を聞いていてもよく出てくる話なんです。

確かにここでサッと女性が望むことを言えたり、できたりした方がいいだろうなとはぼくも思うし、そうなりたいなとも思います。

でも、相手に届かないコミュニケーションはコミュニケーションとして成立してないんじゃないのかなとも思うんです。

夫に届きやすいコミュニケーション

先日、とても夫婦仲の良いご夫婦にポッドキャスでトインタビューをさせていただいたのですが、その方は夫に言いたいことがあったときは、noteの下書きに気持ちを書き出していたそうなんです。

バーっと自分の感情を書き出してみると、自分がなにをのぞんでいたのかが分かるんだそうです。

そうやって自分の感情を第三者的に見ることによって、自分の気持ちに冷静に気がつくことができ、夫にたいして怒りの感情をともなわせずに、伝えたいことだけを伝えられたそうです。

こうすると、夫も妻の気持ちを冷静に受け止めることができるようになりますよね。

夫婦って距離感がとても近いから遠慮がなくなってしまったり、気持ちをわかって欲しいという欲求がとても強くなると思うんです。

夫や妻が自分にとってとても大切な存在であるからこそ、わかって欲しいという気持ちが強くなってしまうと思うんですね。

だから、つい声をあらげてしまったり、自分の立場を理解して欲しいと強く願い、それを強要させようとしてしまう。

共感することはとても大切なことだとは思うのですが、ただ察して欲しいと望むだけのコミュニケーションは、一方通行なのかもしれないなって思うんです。

相手に届けるためのコミュニケーションを考えることも、大切なんじゃないのかなって思うんです。

これは男性から女性にたいしても同じで、ぼくは疲れたり不機嫌になるとため息をつくクセがあるんですね。

妻に届かなかったメッセージ

「ハァー……。」

と、つい大きくため息をついてしますのですが、これが妻には「責められている」と受け取られてしまうんですね。

決して責めているわけじゃないんですが、(ちょっと疲れたから話を聞いて欲しい)とか(ちょっと手伝って欲しい)という合図なんですね。

とはいえ、そんな自分勝手なこと言っても、妻には伝わらないですよね。

そもそも、ぼく自身もどんなつもりでため息をついていたなんて、よくわかってなかったんです。自分の気持ちって、ちゃんと考えないと自分でもわからないですよね。

なんでぼくは、妻に聞こえるようにため息をつくんだろうと考えたんです。

そうしたら、子どもの相手がしんどいときとか、仕事でイやなことがあったときなど、ストレスがいっぱいでぼくの心のコップから水があふれそうになったときに、ぼくはため息をつくんだということがわかったんです。

ぼくは、妻に助けて欲しかったんです。妻に話を聞いて欲しかったんです。

ちょっと、いまこの子の面倒見れないかもとか、今日ちょっとこんなことあってさ、イやな気持ちになっちゃったんだよねとか。

それを言葉にせずに、ぼくはため息をついていた。

ため息をつけば、妻がぼくを気にかけてくれると思ったから。

だけど、ぼくのため息を聞いて妻が感じることは(私が責められている…?)という疑心暗鬼だったんです。

これもまた、一方通行のコミュニケーションなんだと思うんです。

気づかいをする必要がないと思ってしまうくらい、夫婦間の距離が近いからこそ、こういうことが起こるのかもしれません。

夫婦なのになんでわかってくれないの?

夫婦なのになんでわざわざ言葉にしないといけないの?

という思いは男も女もいだくとは思うのですが、恋愛関係が終わった夫婦だからこそ、きちんと相手に届くコミュニケーションを考えないといけないのかもしれませんね。

それが、夫婦の愛を育てる愛着関係を養っていくんじゃないのかなって思うんです。

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