1日の終わりに妻の話を聞いてから寝る話
1日の終わりに妻の話を聞かないと翌日の妻の様子がおかしくなることに気がついたのは、ここ2〜3年のことでした。
様子がおかしいといっても怒ったりするわけじゃなくて、なんというかちょっと寂しそうな雰囲気を出しているんですね。
ぼくが仕事ややりたいことで忙しいとそんな日が数日続くことがあるんですが、そんな風に1日の終わりに妻の話を聞かないで寝る日が続くと、なんだか目に見えない空間がぼくらの間に生まれてしまったような感覚を感じるんです。
人が2人分くらい立てるくらいのスペースが、目に見えないそんなスペースがそこにあるような気がするんです。
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ある日、ぼくが20時くらいに家に帰ったんです。うちは20時15分に子どもたちは子ども部屋に移動して寝ることになっているので、子どもたちを寝かせてぼくはお風呂に入ったんです。
(あぁ、今日は仕事で疲れたなぁ)と思って、妻が座っているソファーに横になったんですね。すると、妻が待ってましたとばかりに今日あったことや思ったことを話し出したんです。
(そんなにたくさん話したいことがあったのか…。)と驚くほど話は出てきて、仕事のことや子どもの学校のことや家での様子とか、どんどん出てくるんですね。
ここで下手なアドバイスをすると痛い目に遭うのは経験から分かっているので、ぼくは大体「うんうん」「そうだったんだね」「それはひどいね」「それはすごいね」などといった当たり障りのない返事だけするんです。
疲れているので頭が回らないというのもありますけど、どうも妻が言いたいことを言っている時には、そんな当たり障りのない返事だけで満足してくれているようなんです。
ここで妻の悩みを解決するための本気の返事をしてしまうと、「それは求めてないの」なんて言われてしまうので、(こんな適当な返事でいいのか?)と思うくらい適当な返事で済ませています。
でも、妻としてはその(適当な返事)を求めているようなんですよね。不思議ですよね。
さらに会話は続いて、寝室に入ってからもたぶん10分くらいだとは思うのですが、妻はぼくにくっついてずっと喋っています。
寝室での話はそれまでにどれだけ話を聞いていたかによって変わりますが、それでも話はゼロという日はほとんどなくて、大体何かしらについて妻は話すんですね。
(ちょっと眠いんだけど…。)と思う日も正直なところあるんですね。(寝かせてくれないかなぁ)とか思う日もあるわけです。
そんな時、頭に浮かぶのは男女が1日に話す単語の数の違いの話です。
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女性が1日に話す単語の数は男性の3倍なんだそうです。
(3倍も違うんならしょうがないな…。)という諦めにも似た気持ちでぼくは妻の話を聞いているんです。
妻の話をきちんと(と言っても適当な相槌を打っているだけですが)聞いた日は妻は機嫌がよく、翌日も上機嫌です。毎日話を聞いていると毎日上機嫌です。
ぼくが余計はことを言わず、ただ話を聞くだけでこんなに機嫌がよくなるなら聞いてもいいかなと思って、毎日話を聞いているんですね。
ただ、妻はのび太のように一瞬で寝れるのですが、ぼくは寝つきが悪いので寝る時間が遅くなると次の日が辛いんですよね…。
なので、妻にもそれとなく伝えて寝る時間をちょっと早くして、さらに寝つきが良くなるというヤクルト1000を毎日飲んでいるのですが、そのおかげで寝つき問題はだいぶ解決されたんです。
ぼくは妻から「私の話を聞いてくれていない!」と言われたことが何度かあるんですが、あれって「真剣に話を聞いて欲しい!」というわけじゃなくて、「1日の終わりに話を聞いてくれる人がいないから、あんた話を聞いてよ」ということだったのかなって思うんです。
仕事に家事に育児にヘトヘトになった1日の終わり、ぼくが帰るまで子どもたちしかいないので、まだ3歳や7歳の子どもでは妻が話したいことを聞いてくれないので、妻の「話したいストレス」がかなり溜まっているんだろうなって思うんです。
(正直眠いな、寝かせて欲しいな…。)と思わないわけじゃないけど(いやよく思うけど)、ただ話を聞くだけで妻がスッキリして機嫌がよくなるならまぁいいかって思えるんですよね。
それに(話を聞いてもらえる)という安心感が、妻のぼくへの信頼感を醸成させているような気もするんです。
話を聞くようになった前と後では、妻のぼくへの態度も違うんです。なんというか、ちょっと優しいんですよね。ちゃんと話を聞くようになってからの妻の態度って。
それって普通に嬉しいじゃないですか?妻が優しいのって。
今日も1日の終わりに妻の話を聞くために、朝からヤクルト1000をグイッと飲もうと思います。
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