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Kindle化されていない本をKindleする:吉川英治の「鳴門秘帖」の岩田専太郎全挿絵入愛蔵愛読版

📖読み終わるのに4分🕑

Kindleで読み始めた本のシリーズや、お気に入りの作者の本がKindle化されていないと、イラっと残念な気持ちになって、せっかくここまで読み進めてきて、これかよ、と、、、たとえば、宮部みゆきさんなんかは、だいぶ時代ものなどKindle化されてきましたが、それでも最新作や杉村三郎シリーズ、桜ほうさらとかはまだまだです。かといって、今さら、紙の本を買っても、

  • 紙の本は、重い、かさばる、持ち歩くのに邪魔なだけじゃなく、手に持ってごろ寝して読むにも分厚い単行本はいただけない

  • 文字が小さすぎて、メガネをかけて読むと疲れて、長時間読書を楽しめない

  • 灯りの下で無いと読めない

もちろん紙の本の装丁も好きだ

小林信彦の本は全て単行本の初版を持っていて、本棚を占拠していますが、もう黄ばんできているし、カビ臭いし、重いし、読めば読むほど傷んでくるしで、繰り返し読んだ本は保存用、読書用に分けているくらいです。が、残念なことに、小林信彦のKindle本は数が限られているし、小林信彦さんの弟さんである小林泰彦さんのイラストが全く掲載されていないのでつまらない。あのイラストがないとダメだ。

じゃ自炊する?
分厚い本も一刀両断できる裁断機も買ったし、ScanSnapを買ったし、お気に入りの本以外は全て、PDF化して、iPadPro12.7で読めるようにしたけど、、、、これも630gくらいあって、重いのよ、、片手で持って読むにはでかいし、いちいちページ送りは画面を手でスワイプもしくは画面端をタッチしないといけないので、面倒くさい。やっぱりKindle Oasis 第8世代のように、ページボタンで片手でページをめくれて、片手で持って、寝っ転がって好きな場所で好きな姿勢で、のんべんだらりと本を読むには、重くて、大きくて、ダメダメ。やっぱり、Kindle Oasis第8世代で読めないと、それはもう電子書籍じゃない。

Kindle Scribeも買ってみたけど
自炊したPDF読むために、大きな画面に期待をかけたKindle Scribeを発売日に速攻でゲットしたけど、スキャンしたPDFを読むには適していなくて、まだまだあの画面サイズじゃ、文字が小さいし、昔々の黄ばんだ本をスキャンしたPDFだと、ほぼ読めない。そもそもページ送りボタンがないと、これほど読書体験が劣化するかと体験できたので、もーダメじゃんということで、すぐさま売っぱらってしまいました。

自炊してKindleで読めるリフロー型のファイルを作るしかない
じゃ、自分でPDFからテキスト化して、挿絵もjpegで入れ込んで、epub本にして、Kindleで読むしかないじゃん、ということで

  • bunkoOCRをMac Studio M1 Ultraで高速でOCR化する(マシンが非力だと時間がかかります、M2 MacBookPro maxと比較してもUltraチップは速い)

  • なんで、bunkoOCRなのかっていうと、完璧に読み取ってくれるだけじゃなく、ルビまで青空文庫フォーマットで書き出してくれるから

  • そのためには、PDFファイルのままでは読めなないから、Scanしたファイルの保存形式をPDFじゃなくて、JPEGのままにしておく

  • ScanSnapの読み取り解像度は、エクセレントにしなくても、スーパーファインで十分

  • bunkoOCRで読み取りを速くしたければ、JPEGのファイルサイズは可能な限り小さく、読み間違いのない最低レベルの解像度(これはご自分の環境で試してみてね、元の本が文庫本か、単行本かでスキャン画像のサイズそのものが変わってくるし)の軽いファイルにしておくと、bunkoOCRの内部処理の負荷が減って、もうね、どんどん速くなりますよ、数倍、という単位で違います。

で、まずは試してみたのが、1926年8月11日から翌年10月14日まで、「大阪毎日新聞」に連載された吉川英治の鳴門秘帖、新聞連載時に岩田専太郎の描いた挿絵が360枚ほどあるはずですが、現時点で出回っている紙の本も、青空文庫も、Kindleも挿絵なしのテキスト版ばかり。まぁ、挿絵なしで、想像力を逞しくして読めば読めるんですが、読書を楽しむなら、岩田専太郎の挿絵は必須。

  • 元は国立国会図書館デジタルライブラリーで、昭和時代の鳴門秘帖のPDFをダウンロードして、それをJPEG変換してから、bunkoOCRで読み込ませる。なんで青空文庫のルビ付きテキストをダウンロードして使わなかったかというと、漢字仮名混じりの使い方が、今とは違って趣があったから。でも、流石に戦前の書籍のPDF画像の品質が悪くて、テキスト化に四苦八苦。で、なんとか完了、2週間ほど費やしました、けど、結局読み飛ばしや、読み間違いが多くて、趣はあるけど、使えそうにないので、青空文庫を流用する方がストレスがない。

  • 全挿絵の入った資料【中央公論社 鳴門秘帖 全挿絵入愛読愛蔵版 上下2冊】は、近くの図書館では見つけられないし、もちろん絶版で、新品はどこにも売っていませんでした(たぶん)。

  • この本は国立国会図書館でも置いてあるのは確認まではできたけど、まさか、あそこまで行って全挿絵を複写して帰ってくるのでは、時間も手間も、お金もかかるし、無理。

  • 実は、古書店で売っていて(https://www.kosho.or.jp)、私は美品を1500円、送料600円で手に入れ、すぐに裁断して、全ページスキャンして、jpegとPDFに変換

  • これを、iPadPro12.7でPDFのまま読もうとしたけど、文字が小さいのよ

  • そこで、全ページJPEGから、挿絵を手作業で抽出(アクロバットに画像だけの自動抽出をさせてみたけど、線画なので、1つの挿絵を勝手に複数の画像に切り分けてしまって、ダメダメだった、きっと何かうまい方法があるんでしょうけど、私にはできなかった)、上巻で187枚の挿絵、下巻で175枚の挿絵がありました。

  • ただ、これを挿絵入りのepubにするには、青空文庫の記述ルールで、指定箇所へ、すべての画像のファイル名入りで、[#挿絵(img/挿絵.jpeg)]というコマンドを手作業で挿入しないといけない。この作業で1ヶ月ほどかかりました。

  • 残念なのは、リフロー型のEpubでは、挿絵は文字と混在できなくて、1ページに1つの挿絵しか表示されないのよ。

1ページに1つの挿絵しか表示されないKindle Oasis第8世代(もちろん、どんなKindleでも同じだけど)
  • 本当は↓こういうふうに表示させたかったんだけどね、リフローでは無理。固定画面にするなら、PDFと、そう変わらない(固定フォーマットでも、表示する文字を大きくして読みやすくすることはできそうだけど)

リフローのepubもKindleもテキストと挿絵は同じページに表示できない(らしい)

ということで、散々苦労したけど、出来上がりました。面白いことに、出来上がるとホッとしてしまって、まだ読めていない(笑)

  • 上巻の挿絵 187枚

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下巻の挿絵 175枚



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Atsu1166
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