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2023年の履歴(この建物)

2023年に訪問した展覧会・イベントを通じて、印象に残った5つを紹介。今回はこの建物を見れただけで十分と思えたものをセレクト。


1.角川武蔵野ミュージアム(稲葉浩志作品展シアンなど)-2023/5/1-

隈研吾設計の角川武蔵野ミュージアムは東所沢にある施設。見た目のインパクトも十分な建物であり、中の本棚劇場も「YOASOBI」が演奏した場所で有名となり一度行ってみたかったところ。美術館でもあり、博物館でもあり、図書館でもあるという面白い施設。地中から歯のようにはえてきたような感じは、周囲にそれほど大きな建物がないこの場所のランドマークのような存在に思える。今回はB’z稲葉浩志さんの展示、そして現代アートの展示で十分満足な1日を堪能。

角川武蔵野ミュージアム

角川武蔵野ミュージアム (kadcul.com)

2.埼玉県立近代美術館(戸谷成雄 彫刻)-2023/4/16-

北浦和駅から徒歩で数分。北浦和公園内にある建物。網目状のコンクリの壁がそびえ立ち、斜めに刺さった棒?の作品がアクセントになっている黒川紀章設計の埼玉県立近代美術館。埼玉在住の戸谷成雄の個展を見るとともに、館内にある椅子のコレクションを見逃さずに見学。環境に適合というよりは存在感をもつ建物というところが黒川紀章らしさのように感じる。北浦和公園内も彫刻などが点在。最近黒川紀章つながりということで、公園内に中銀カプセルタワービルのカプセルが常設。カプセル型の居住空間デザインのため、タワービル解体後、カプセルが日本の各所に使われていることがまた面白い。

埼玉県立近代美術館

埼玉県立近代美術館 The Museum of Modern Art, Saitama (spec.ed.jp)

3.ラコリーナ近江八幡-2023/6/1-

今回滋賀に行った一番の目的はここに行くこと。2015年にオープンしたたねやクラブハリエのフラグシップ店。近江八幡駅からバスで15分程度で、藤森照信設計の草屋根の外観が特長的。バームクーヘン、カステラなどなどショップが並ぶ中、この場所自体がとても居心地の良い雰囲気を醸し出している。こういった雰囲気のお店なんだとフラグシップとしての役割を十分果たしている印象。また、東京で買う際にふと、ここを思い出すこともあるだろう。

ラコリーナ近江八幡

ラ コリーナ近江八幡 | たねや (taneya.jp)

4.KAIT広場(神奈川工科大学)-2023/11/4-

本厚木駅からバスで約30分かけて神奈川工科大学に訪問。入口から大学の中庭を越えて、見えてくるのが石上純也設計のKAIT工房とKAIT広場。工房は見た目以上にコミュニケーションや使いやすさへの配慮が感じられる造りに見え、広場の方は自然の傾斜もそのままに天井の開口部からの光が降り注ぐ場所。自然のままに思える環境がリラックスを生み、笑顔を生むように思える。写真などではわからないこの雰囲気は大学という環境として大事なことなんだろうと感じる。わざわざ行ってみる価値は十分あると私は思う。

KAIT広場

KAIT広場|大学紹介|神奈川工科大学

5.三鷹天命反転住宅 イン メモリー オブ ヘレン・ケラー-2023/4/29-

最後に、三鷹にある天命反転住宅イン メモリー オブ ヘレン・ケラー。調布からバスで向かった先に、「あれは何?」と思わせる建物。芸術家/建築家の荒川修作+マドリン・ギンズによる「死なないための住宅」。単なる見学施設かと思っていたが、普通に住んでいる方々もいて、でも床は凸凹、トイレに扉はなし、室内の配色は原色という場所。住みやすいかどうかはわからないが、人間はそんな環境でも適合していく存在なんだと改めて感じられた。そして、この二人が制作した他のものも見に行きたいと思った。

三鷹天命反転住宅イン メモリー オブ ヘレン・ケラー

三鷹天命反転住宅 / Reversible Destiny Lofts Mitaka (In Memory of Helen Keller) (rdloftsmitaka.com)

素晴らしい建物に出合えたことに感謝です。


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