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週末散歩_Vol.34(静かな空間と奄美)

上野・表参道編(2024/9/21:土曜)


1.上野から一目散

2週前の銀座メゾンエルメス フォーラムの人気を踏まえ、もう数日で終わってしまう展示の混雑を想像。
できるだけ早めの時間に行くことを計画。
9時半のスタートには間に合わなかったが、10時台には到着するように上野に到着。
公園前の改札から寄り道せず東京国立博物館にまっすぐ向かう。

東京国立博物館

2.生まれておいで 生きておいで

展示は中央の本館からではなく、平成館からスタート。
時間指定でそれほど混雑はしていなかったが、それでも入室人数が決められていて少し待って順番に入室。
そういえば、内藤礼さんの作品を見る時のルーチンがある。
 ・最初にどこに作品があるのか
  自分の周りを確認しながら作品を探す
 ・次に、近くで見たり遠目で見たり
  その周辺の雰囲気との関係を考える
 ・その次に、そこで何を感じるのか考える
今回の展示はこれの繰り返しだった。
最初の部屋は入った瞬間ガラスケースの光の中に数個の展示物が並び、ケースの外側の自分の方には赤や黄色、青などのカラフルな球体が天井からぶら下がる。
ガラスケースの方が「生の外」、自分たちの側が「生の内」ということで展示されているとのこと。
室内を暗くして、ガラスケースの明かりで展示を見る形だからこそ天井から吊らされているカラフルな球体が更に鮮やかに感じられるのかもしれない。部屋全体を使った面白い展示だった。
次は本館に向かう。1階の中央にある本館特別5室。
先ほどの部屋とは異なり、自然光をふんだんにつかった広々とした展示室。
小ぶりのガラスケースがいくつか配置されその中に足形付土製品や鹿や猪の骨など。
天井からは細い糸に結び付けられた小さなガラスビーズや石辺が下がっている。
人の動きに少し影響された微妙な展示物の揺らぎものんびり眺めていると見えてくる。
これは豊島美術館に似た感じ。
もっと長い時間ここにとどまっていたらより色々なことを感じることができたのかも知れない。
最後に、本館ラウンジの中央に「母型」が展示されている。
作品に外の風景が水面に移る感じが何か作品の普遍的な印象を持った。
内藤礼さんの作品は時間をぜいたくに使いながら見る展示。
手島美術館以外では展示会場でしか体験できない「あの時見た」という記憶に残る作品(写真撮影不可もその理由の1つだが)ばかり。
作品を振り返る時、「あの時の展示で感じたことは・・・」と思い返すことになり、ある意味「時間」というものを感じる作品とも思える。

<気になった作品>
・母型
・color beginning

<テーマ>内藤礼 生まれておいで 生きておいで
<会期>2024年6⽉25⽇(火)-9⽉23⽇(月・休)
<時間>09:30-17:00(入館は16:30まで)
<会場>平成館 企画展示室、本館 特別5室、本館 1階ラウンジ
<展示会場内写真>不可
<備考>日時指定事前予約

生まれておいで 生きておいで

3.田中一村展 奄美の光 魂の絵画

国立博物館のすぐそばにある東京都美術館へ。
今週からスタートしている田村一村の絵画を鑑賞。
奄美時代の絵のイメージのみだったが、若いころの南画の時代から特出した作家だったことがわかる展示。
最近になって注目された作家ということで、まだ成長過程での解釈にいくつかあるよう。
こういう回顧展で作家の歴史を知る機会はありがたい。
とはいえ、やっぱり奄美時代の作品は静かな風景の中に力強さがあり、これだけ並ぶと圧巻。
「見に来てよかった。」と思う展示だった。

<気になった作品>
・アダンの海辺
・奄美の海に蘇鉄とアダン
・枇榔樹の森

<テーマ>田中一村展 奄美の光 魂の絵画
<会期>2024年9⽉19⽇(木)-12⽉1⽇(日)
<時間>09:30-17:30
<会場>東京都美術館企画展示室
<展示会場内写真>不可
<備考>土日・祝日日時指定予約制

奄美の光 魂の絵画

4.昼食と移動

上野に来たので久々にアメ横へ。昼食の選択肢はいくつかあるが、運よく「昇龍」の前に並ぶ人が1人だけだったのでここに。(向かいの珍々軒やカレーのクラウンは既に長蛇の列)。
10分程度で空席ができ、2階へ。
餃子は確実で、これに何を加えるかが悩むところ。
ラーメン、チャーハン、ご飯、焼きそばなど選択肢は多々あるが今回はラーメンに。
満足したうえで、不忍池そばの「ドンレミー アウトレット上野駅前店」を少し覗き次の場所へ。
(プリンやケーキなど魅力的な商品があったが、この後も歩くことを考えると保冷など時間が見えず今回買うことは断念)

餃子とラーメン

5.建築家・堀口捨己の探求 モダニズム・利休・庭園・和歌

さて、ここまで来たらということで湯島にある「国立近現代建築資料館」へ。
建築家をピックアップした展示を数多く企画されるので、建築に関する知識を得るとてもいいところ。
今回は茶室や日本庭園の研究で知られる堀口捨己の企画。
建築家としての経歴は知らなかったため初めて知ることばかりだった。
江戸東京たてもの園に移築されている「小出邸」など現存する近代モダニズム建築でも知られる建物があることを知り見に行ってみたいと思った。

<テーマ>建築家・堀口捨己の探求 モダニズム・利休・庭園・和歌
<会期>2024年8⽉9⽇(金)-10⽉27⽇(日)
<時間>10:00-16:30
<会場>国立近現代建築資料館
<展示会場内写真> 可

建築家・堀口捨己の探求 モダニズム・利休・庭園・和歌

6.recursive

帰る途中、表参道を通ることから期間限定のライゾマティクスの展示を見学。
寺田倉庫での展示からの発展ということで、日々映る画像を学習していくAIとのこと。
寺田倉庫のときと同様に写真に撮っても何が表現されているのかわからない。
AIを考えるときにまず必要なことは「目的」。
それが理解できていない状況では私にはわからないのだろう。
ただ、こういう取り組みをする姿勢自体素晴らしいことだと思う。

<テーマ>recursive
<会期>2024年9⽉14⽇(土)-10⽉3⽇(木)
<時間>10:00-20:00
<会場>OMOTESANDO CROSSING PARK
<展示会場内写真> 可

recursive

6.Circular piece /CUBE

ライゾマティクスの展示の横で展開されていたイベントをふと見学。
平川紀道さんのメディア・アートなどが展開されていた。今回は私としてはそこまで関心がなかったが、こういうところに知らない面白い事が転がっている事が多い。めげずにまた探してみたい。

<テーマ>Circular piece /CUBE
<会期>2024年9⽉7⽇(土)-10⽉2⽇(水)
<時間>10:00-20:00
<会場>OMOTESANDO CROSSING PARK
<展示会場内写真> 可

7.最後に

所要時間:約4時間半
上野(10:30)→(徒歩)→東京国立博物館→(徒歩)→東京都美術館→(徒歩)→国立近現代建築資料館→(徒歩)→湯島→(千代田線)→表参道→(徒歩)→OMOTESANDO CROSSING PARK→(徒歩)→表参道(15:00)
お疲れ様でした。


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