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小学生×オストメイトってなに?

 きょうは、私(管理人のれな)の友人で、お嬢さんをきっかけに結社の仲間になってくれた、桃子さんの寄稿です。最初に連絡をくれたのが8月下旬。その前後に桃子家に起きていた「事件」をわたしもこれを読んで初めて知りました。まずはとにかくご一読ください!

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こんにちは! ちょっと前まではここに、こうして寄稿させていただくなんて本当に思ってもみませんでした。出会ってしまったのです。オストメイトの世界に。それはある日突然、思いがけないものでした・・・

きっかけをくれたのは・・・

 娘の質問に答えられない!?

蒸し暑い初夏のある日・・小2の娘が国語の授業で「みつけたよ、こんなもの」と題して身近にある不思議だと思ったものについて作文を書く、という課題がありました。

たまたま、下のこどもが小さいためユニバーサルトイレ(多機能トイレ)に入った時、「手を洗いたいんだけど届かない」と言われました。それは見たことがない洗面台で、確かに最近見るものでしたが、「そこは違うよ」と洗面台を案内。

「じゃ、ここはなにするところなの?」

と詰められました(笑) 

慌てて携帯で調べる母・・・そして初めてオストメイトの方のトイレと知りました。

実は私、知らなかったんです。

 

友人のれなさんがオストメイトの番組を作っていたことをここで思い出し・・そこで合致しました。

しかし・・正直知識らしい知識はなく、「オストメイトの人たちが使うトイレだよ」「ここでおなかのパウチを洗うんだって」(実際の用途はまた別記事で!←管理人注)

「パウチ?オストメイトってなに?」

!?

・・ お出かけで急いでいたこともあってその日はそれで終わってしまいました。娘よごめん・・・

オストメイトへの関心に火がついた!


後日、娘は作文に、トイレで謎のトイレをみつけたこと、形、「オストメイトの人が使う」と書きました。

しかし学校で発表すると・・・先生も、友達も「オストメイト」がわからなかったといいます。帰ってきた作文には友達の意見や感想が書いた付箋、が張られるしくみですが、「オストメイトってなんですか?」という付箋がびっしり(笑)。その反応が嬉しかった娘は「オストメイト」という言葉は覚えたものの本当にわかってはいない。ママ友にも数人聞いてみたけど、「え、何それ!確かにトイレにあるかも」 「オスとメ?」・・

・・・これはちゃんと知る必要がある!(母も!!)

娘と話し合い、夏休みの自由研究のテーマが決まりました。

 

オストメイトを夏休みの自由研究のテーマに!


でも・・・いったい何をどう調べていいのやら・・・・時は流れ・・・

気づくと8月半ばになってしまいました(汗) 

とりあえず娘と図書館に行きました。が・・本がないんです。

大腸がんなどの専門書や医学書に載っていることがわかりましたが、どれも難しく小学生には難解。

結局司書の方に聞いて「ちゃんと知りたいがんのこと」という本をようやく発見。しかし低学年には難しく、オストメイトに関するページは見開き2ページほど。

これは知らないのも無理はないな、と思いネット検索を一緒にしながらまとめることにしました。


なぜこんなトイレがあるのか、オストメイトの体の仕組みやパウチの必要性について調べてから、身近にないのか探すことにしました。

いつも行く公園をみると、オストメイトトイレのマークが!

気づかなかったけどあったんです。めちゃ喜ぶ娘。
何で知らなかったんだろう!

住む自治体のオストメイト対応トイレ調べると・・あるわあるわ!
興奮して地図を作ると、70以上も!!!自治体の意見もききました。

 さらに・・

学校にもあるのか、今度は学校に電話! 専用トイレはなく「オストメイトの子はいないかもしれない」とわかりました。(もしかしたら、オストメイトの子どもがいても対応が追いついていない場合もあるかもしれません。このあたりも調べてみることで議論や整備を進めていくきっかけになりそうです←管理人注)用途がわかればあることがどんなに大事か必要なものか、わかるんですね。

 ここで終わろうとしていたとき・・大きな転換がありました。

子供向けの本「ちゃんと知りたいがんのこと」の中でみつけた、ちびまるこちゃんや忍たま乱太郎の声優でオストメイトの真山亜子さんのコラムです。´オストメイトであるために差別や偏見があった‘ことが記されていました。

「さべつ」や「へんけん」はよくわからないけど、モデルで活躍するオストメイトの方もいることも知り

オストメイトの人たちに直接会いたいと言い出しました(汗)

 

そこで。れなさんに連絡をとると・・・

快諾!

実はここで、れなさんがアッとストーマ秘密結社を運営されていると知りました(え!?え~~~~~~~っ!?←管理人注!)

正直、

小2の自由研究に付き合ってくださる奇特な方はいるのか・・・

メールをした後悩みました(笑)

が、これもものすごいスピードでOK! (むしろ結社内では、だれが対応するか争奪戦の様相でした←管理人注)

なんと全国各地の4名の方がZOOMでお話くださることに・・

静岡、千葉在住のメンバー
群馬、北海道在住のメンバー(治療中に協力してくれました!)


正直とても驚きました。この場を借りて改めて感謝いたします。娘はとても喜んで、インタビューの日まで毎日学童の先生や友達に自慢していました。

 オストメイトにお話を聞いて

4人のメンバーのみなさんには

①困ったこと、②嬉しかったこと ③差別偏見 ④楽しくする工夫

を聞こうと決めました。

「病気になってだんなさまとラブラブになった」「友達が増えた おかげでとじこもらないでいられる」といった素敵なことから、 「朝早くでも夜中でもパウチを交換しないといけない」「着替えの荷物が重い」「自分のストーマにあったパウチを見つけるのが大変」などの苦労。

そして「ユニバーサルトイレに入ったら「ここはあなたがつかうとことじゃないと言われた」「匂いはないはずなのに、臭いと言われた」「大浴場でほかのお客さんに文句を言われた」といった差別偏見のことまで。明るくわかりやすくお話いただけました。 

娘は「病気だけれどみんな元気で、しらなかったら(オストメイトだと)わからないんだね」と驚いていました。(またみなさんお話が上手なんですよね・・・!)

小学生女子が出会った”デコパウチ”!

なかでも「楽しくくらすために頑張ってること」を質問した時、パウチは透明なものは中身がみえてしまうので絵を描くなどして装飾した「デコパウチ」があることを知りました。

お嬢さんの心をわしづかみにした去年のデコパウチコレクション

毎日見るパウチを素敵に彩りたい、という想いがとても刺さったようで、よりストーマや仕組みのことをしりたいと、図書館で借りていた医学書院の「ストーマ生活」を読みました。

写真が多くて、お話と、実際の様子を見てより理解が進んだように感じました。(しかし・・小学生やもっと小さい子向けになんらかの絵本や本が早く登場するとよいなと改めて思いました。)

さらに後日、実際に、自分でデコパウチにも挑戦!

デコパウチ用のパウチが届くとこれまた大喜び。(デコパウチコレクションでは応募のためにメーカーから無償でパウチを提供してもらえる仕組みになっています。←管理人注) ウオーターボトルを腰につけて重さを体感してみたりしていたものの、本物の手触りは関心深く、ずっと触ってました。これは親しめる、素晴らしい企画だと思います。

で、デコったものがこちら。

 オストメイトの方なら、あれ?デコったのが逆側かな?この丸い部分はストーマに装着する部分なのに、と思われると思います。

でも娘は「体と一緒になる部分を大事にしたい」とここにデコりました。

「ハートの海」 

みなさんの病気のこと、毎日の苦労など彼女なりに向き合ってつけたタイトルです。みなさんをあったかい💛で包みたくなったのかもしれません。

研究ノートは、その皆さんのプロフィール(名前・居住地・オストメイト歴・好きな言葉・夢)や、質疑応答、デコパウチの紹介、デコパウチをしてみた感想をつづりました。そして、オストメイトモデルの方、海外にはたくさんいること、

最後は「オストメイトと一緒に暮らしていくにはもっとオストメイトをしってほしい」

と書かれていました。

 まだまだちゃんと知る、ということはできていないと思いますが、学校では多くの級友が自由研究のノートを見てくれているようです。

一人でも多くの人が知って、関心をもつように。

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ということでお嬢さんと一緒になってオストメイトについて調べまくったお母さんの桃子さん。実はご本人もこんなデコパウチを作ってくれました。一度「知る」だけで、そこからこんなに優しい気持ちや想像力につながっていくんだなぁとなんだかしみじみじんとくる経験でした。ありがとう!

※記事の内容は、執筆者や管理人個人のものであり、所属する組織とは関係ありません。

※デコパウチコレクションのために製作したデコパウチは必ずしも実用を前提としていません。当事者の方が自分が使うパウチにデコる場合は衛生面に留意し、機能面を阻害しないデコり方を探究してみてください。

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