オストメイトが公共のお風呂に入るのに役立つアイテム!ほっこり座談会 vol.3 コロプラストゆりかさん♨
ゆりか)「公共の場での入浴の時に小さくて目立ちにくい装具として、弊社の主力製品であるセンシュラミオシリーズの消化管用(コロストミー/イレオストミー)の装具をご紹介します。
ゆりか)「こちらが現物なんですけど、弊社はグレーのテキスタイルで、 中身が見えないような不透明装具をご用意しております。」
こちらのグレーのテキスタイル、「目立ちにくい」にこだわって開発された、”ニュートラルグレー”という独自のカラーが採用されています。
ゆりか)「この色は他社さんにはない色だと思うんです。普段ワイシャツとか、夏は白いTシャツとか着られると思うんですけれども、実は白い衣服に1番響かないのがグレーなんですね。光の反射の効果で、この色は、白や肌色の素材よりも透けにくくなっているんです。」
医療者の方が排泄物やストーマなどのチェックをしやすいこと、また、オストメイトの方ご本人や介護される方の交換時の取り扱いやすさなどの理由から日本では中身が見える透明のパウチが主流になっていますが、コロプラスト社本社のあるデンマークでは、今回紹介してくださったような、中身の透けない、不透明なパウチが主流なのだそう。
ゆりか)「今回のテーマである”入浴”の際、弊社のこちらの製品は不透明でパウチの中身がまったく見えないため、カバーなどをつけなくても、排泄物などがほかの方に見えることを気にせず公共のお風呂を利用いただけるという声も頂いています。」
れな)「なるほど、中身が見えないというのは大きなポイントですね。
アルケア社の”バスラックシール”も視覚的な効果をとりいれたものでしたが、コロプラスト社の”ニュートラルグレー”というカラーも、科学的に視覚的な効果を研究されて作られているものだということに強く関心をひかれました。メーカーさんたちが『人の目につきたくない』というユーザーのみなさんのニーズに正面から向き合っておられることが伝わってきますね。ゆりかさん、こちらの製品、不透明ということに加えて、さらに工夫がされているそうですね。」
ゆりか)「はい、入浴の時に装具が大きいと他の人から目立ってしまうという声もありますので、目立ちにくいようコンパクトにできる工夫をしています。これが1番大きいサイズで。
次、1段階小さくできるんですけれども、 2段階目、このサイズになります。
3段階目で、このサイズまで小さくすることができます。
外から見ていただいても、あまり目立たない大きさになるのかなと思います。
ゆりか)「こちらは、1回ごとに排せつ物を出して、また綺麗にしていただいて使っていただくものなのですけれども、1回使い切りのクローズバックとさらに小さいサイズのクローズミニのご用意もあります。」
このグレーのテキスタイルの装具、ほかにもこだわりがあるそう。
ゆりか)「実際に現物を手に取ってちょっと 触っていただくとわかるんですけれども、撥水加工になっています。今、水をスプレーでかけてみますね・・・タオルで拭くと、もう、すぐに水滴が取れます。なので、入浴し終わってからもお手入れするのが簡単なんです。」
続いて紹介してくれたのが、『ブラバ伸縮性皮膚保護テープ』という皮膚保護剤を使ったテープです。
ゆりか)「やはりお風呂に入られる時、際(きわ)の部分から めくれ上がってきたらどうしようっていうような不安が多いかと思います。こちらのブラバ伸縮性皮膚保護テープはその不安に応えるアイテムで、4種類あります。
ゆりか)「私が持っているこちらはXLタイプで、ノーマルサイズ(通常タイプ)もあります。
そのほか、横の部分がベルトのようになっているベルト型や、
弊社では今、 四角い面板の製品はご用意はないんですけれども、他社製の、四角い面板にも対応できるストレートのテープもご用意しております。
こちらを面板のところに沿ってはめて、こういう感じで2枚で1周、面板を覆うことで、面板からのめくれ上がりを防ぐことができます。
ゆりか)「弊社のセンシュラミオ用の皮膚保護剤と同じ成分が使われているので、お肌に安心な素材になっています。」
れな)「ご自身の会社のものではない装具に対応できる製品もご用意されているものなのですね。結社の当事者メンバーのみなさん、気になったこと、もっと詳しく知りたいこと、いかがですか?」
kiyomi)「私、普段コロプラストさんの装具を使ってるんですけど、今ちょっと気になったのが、 ガス抜きのところに、テープは貼る必要はないんですか。」
ゆりか)「そうですね、ガス抜き用のフィルターになっているので、シールを貼っていただいた方が確実に水の出入りは防げるのかなと思います。」
kiyomi)「お風呂から上がったらやっぱり外した方がいいものですか。」
ゆりか)「ガス抜きのフィルターを全部覆ってしまうと、水は入りませんが今度はガスが抜けなくなってしまって、装具に空気が溜まってしまうので。シールは入浴後、剥がしていただいた方がガスの抜けは良くなります。ガス抜きもしすぎてしまうとぺっちゃんこになってしまうので人によっては半分だけはがしてシールを貼る方もいらっしゃいます。
ゆりか)「でも、ガス抜きをしたいなという場合は、はがしていただいた方が良いですね。」
kiyomi)「わかりました。ありがとうございます。」
mai)「小学生の娘がブラバの伸縮テープ使わせていただいていますが、すごくいいです。ありがとうございます。プールの授業も始まって使わせていただいています。」
ゆりか「ありがとうございます。すごい嬉しいお言葉です。」
yちゃん)「プール楽しかった!」
ヒロシさん)「ウロストミー(尿路ストーマ)なんで、ガス抜きの話はあんまり関係ないですけどね。ブラバのテープは普段の入浴時には貼らないんですけど、大浴場とかに行ったりするときは貼った方が安心なので使っています。XLのサイズすごく助かります、ちょっと大きいので。ありがとうございます。」
れな)「確かにこのユリカさんの顔と比べるととても大きいってことがわかりますね。ヒロシさん。テープをつけるとそんなに全然違います?」
ヒロシさん)「安心感が違う。物理的に。」
れな)「つけないで普段お家でお風呂に入られる時と比べて、”持ち”とか耐久性っていうのはどうですか。」
ヒロシさん)「多分貼った方が”持ち”はいいんじゃないかなっていうのは感じますよね。『あと1日もたせたい・・・』みたいな時に、端っこがぺろってはがれてきたりするんですけど、そういう時に上からこのテープを貼っておくと、 全然問題なく1日クリアできたりするんで。防水性に優れていて、これを貼って使った方がより安心かなっていうのはあります。」
WOCナースマンこと、永治雄太さんも、ストーマ装具がめくれやすいと感じている方には、心強い選択肢になりうるアイテムだといいます。(WOCナースとは”皮膚・排泄ケア認定看護師”のことで、創傷・オストミー・失禁の分野で水準の高い看護実践ができる看護師さんたちです。くわしくはコチラ。)
永治さん)「何より安心感っていうところに繋がるんじゃないかなと思うので、今ご自身が使われているストーマ装具でめくれがよく起こるような時に選択するっていうのは非常に有用なんじゃないかなと思います。撥水性が高い点も、お風呂入る手間を軽減してもらうのでいいんじゃないかな。」
れな)「ゆりかさん、排出口のつくりにも工夫があるそうですね?」
ゆりか)「はい。コロストミー、消化管のタイプの排出口の話にはなってしまうんですけれども、ちょっと力を入れたら、口のところが固いので、 片手でもふにゃっとならずに、拭いていただける点、工夫させていただいているところになります。入浴後とか、処理しやすいものになっていればいいなと思います。」
kiyomi)「何気なく使ってたのでそこまで意識はしてなかったんですけど、1点だけ。排せつ口のところに接着させるための面ファスナーの部分がありますよね。そこにどうしてもお湯が染み込んでしまって、着替えて時間経ってからもお湯が染み込んでくるので、なにかいい方法があれば、というか、私のやり方が悪いのかどうなのかな?と思って。」
ゆりか)「貴重なお声をありがとうございます。ぜひ改良できないか、本国に伝えさせていただこうと思います。ありがとうございます。」
れな)「お風呂に長くつかるというのは日本独特の文化なのかもしれませんね。海外に本社のあるメーカーの方に直接、私たちの声を届けられるって!恵まれた環境と機会を頂き、ありがとうございます。
今回の座談会を通じて、メーカーの方々も本当に色々なこと考えて開発してきてくださっていることが感じられたと思いますが、WOCナースマンこと永治さん、公共のお風呂はちょっとどうしようかなと思っているオストメイトのみなさんにお伝え頂けることはありますか?」
永治)「僕は看護師という立場で動画を撮って配信しているので、 そういう観点から言いますと、今日紹介していただいた商品も、紹介されていない今まである商品も、 皆さんの選択肢の1つとして、引き出しの中に入ってもらえたらいいなっていうのが正直なところで。
すっと取り入れられるものもあれば、そうでないものもあるでしょうし、 一方で、紹介されてないもので安価でいっぱい使えるものもあったりすると思うので、どれが絶対というのは僕が決めるものでもないとは思うので。
こういう商品を各メーカーさんが企業努力でどんどん作って出してくださっていますので、 少しでも オストメイトの方に情報として伝わって、結果としてお風呂に入るっていう行動、それも公衆浴場みたいなちょっと入りづらい、人の目が気になるってデータで出ちゃってるようなところにも気兼ねなく入っていただけるようになっていただけたらなと 思います。」
れな)「たしかに、人によってその商品が合う合わないもあるし、コストであったりとか、なにを優先したいのかにも個人差があると思うので、 とにかく試してみてもらう、引き出しに入れてみてもらうっていうところが今日の座談会の落としどころですかね。」
永治)「やっぱりオストメイトになられたから、 それまでに好きだったことを制限してしまうということを 極力なくすようにするのが私たちのミッションであったりするわけですよ。そういう中で、日本人ってやっぱりお風呂好きな方多いんですよね。多いんですけど、オストメイトになられたらシャワーになっちゃったとか、 お風呂も入らなくなった、とかってよく聞いたりして、なんか残念だなって思ったり。
『お風呂に入っていいんだよ』っていうのを私なんかは現場でやり取りしてるんですけど、ちょっとこういう情報を取り入れていただいたりとか、メーカーさんの製品をちょっと試してみたら意外と『 ダメかも』ってネガティブに思ってた部分もちょっとポジティブに気持ち切り替えて、それが入浴っていう行動につながるんじゃないかなと。それほどに今の企業さんの製品って本当に良くなっているかと思いますので、そんな日本になってくれたらいいなと個人的には思っています。」
一度失敗したり、いやな思いをしたりするとますます入浴へのハードルが上がってしまうかもしれません。ただ、それぞれのアイテムも年々進化していますし、オストメイトの方の入浴をとりまく社会の受け入れ環境も変わっていきます。
そして、そもそも公共のお風呂に入ることについて、入るのも、入らないのもそれぞれの方の希望が尊重されることが大切。でも、もし「本当は銭湯や温泉に入りたいのにな」という思いを持っている方がいらしたら、今回の座談会の情報を参考にしていただけたら嬉しいです。
生活スタイル、体形、コスト面、など、みなさんにあったアイテムがみつかりますように。
※リリースだしました!
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※『オストメイトといっしょ!秘密結社アッと♡ストーマ』誕生経緯についてはこちらをご覧ください。
※BEAMSが湯あみ着を開発してくれた件についての記事はこちら
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