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手芸版Peloton ??、 2021年注目IPO企業、クリカット Cricut $CRCT について調べてみた

こんにちは

 今日は個人的に注目の企業Cricutについて調べてみたいと思います。Cricutは、一言で言えば「手芸版Peloton??です。マシン販売とサブスクとオプション販売の3つで利益を上げている会社です(ただ実は少し違いました・・)。

 カバレッジが開始された際の評価をみると、どの証券会社も高いです。

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 筋はとても良い会社のように見えます。

 そして、上場時のS-1をみると、IPOの主幹事が、ゴールドマン・サックスとモルガン・スタンレーでした。ここからも期待値の高い会社ではないかと考えます。

 上場最初の決算は無事クリアしました。

 先にまとめますと、

✔️ 機器+サブスクのPelotonと同様のモデルだが、大きな収益源はアクセサリーなどの消耗品 →実は、PlayStationモデル?
✔️ ユーザー層は圧倒的に女性。SNS等が広がっている世の中でのオリジナルアイテムが気軽に作れるユーザービリティは魅力
✔️ クリスマスなど季節によるニーズが毎年”必ず”あるため、ニーズが途絶えない(突発的なニーズも多数・・)
✔️ 競合企業はあるが、ユーザー数、クオリティーともに圧倒的なブランド優位にある
✔️ 売上の海外比率は10%だが今後さらに拡大していく予定
✔️ 経営陣が優秀。特にCFOは安定。財務状況も良さそう。
ただし!! 売上が20%以上で成長する中、2021年のEPS予想 0.83、2022年の予想0.93なので、急激に儲かる企業ではなく、安定的に成長していく企業

では、みていきましょう

1 会社のサービス内容

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■ 会社の事業

 Cricut Inc.は、人々が自宅で作ることを体験するための新しい方法を奨励することに専念するクリエイティブテクノロジープラットフォーム企業です。ライフスタイルを活性化させるブランドとしてのCricutの使命は、「プロ並みのパーソナライズされた手作りプロジェクトの形でアイデアを実現するイノベーションで、ユーザーの創造的な可能性を解き放つこと」です。
 Cricutの業界をリードする製品には、スマートカッティングマシンの主力製品である「CricutMaker®」、「CricutExplore®ファミリー」、「CricutJoy®」が含まれ、「CricutEasyPress®」、「InfusibleInk™システム」、さまざまな素材のコレクションなどの他のユニークなツールが付属しています。Cricutのコア製品に加えて、世界中で400万人を超える熱心なユーザーからなる活発なコミュニティも育成しています。
 汎用性の高いコネクテッドマシン、デザインアプリ、アクセサリ、素材を使用して、ユーザーはパーソナライズされたバースデーカード、マグカップ、Tシャツから、大規模な室内装飾まで、あらゆるものを作成します。

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 つまり、Cricutの事業は、ベースとしてソフトウェアを開発していき、そこにコネクテッドマシーンの販売、それを利用する上でのサブスクリプション、及びアクセサリーやマテリアルを販売をしています。

ユーザー数

 ユーザーからは大人気です。

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 現在のユーザー数は、490万人以上です。これは昨年比で76%増です。次にサブスクリプションメンバーは160万人です。昨年比118%増でした。なお、ユーザーの42%が口コミでそれを知ったとのことです。

 ということで、ソーシャルメディアでの広がりが盛んです。SNSのトータルのフォロワーは500万人TikTokでは、#cricutで投稿された動画は、20億弱の視聴があるようです(現在は21億)。

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 細かくみると、Instagramのフォロワーは130万人。(Pelotonが155万人なので規模感が想像できるかと思います。)、Pinterestは、35万人でした。Pinterestで検索してみると面白いほど出てきます。

 自分用だけでなく、こうして作った手芸品をEtsyで販売するという仕組みも出てきています。

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  実際に利用者の29%が自分の作品を販売しているようです。

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  日本語でもいくつか記事があるので貼っておきます。

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 さて、そうしたサービスということもあり、ユーザーは圧倒的に女性(96%)です!

■ 商品ラインナップ

 まず、販売しているコネクテッドマシンは主に3種類です。詳細機能のひかくはこちらから。

① 外出用に持ち運びできるできる「CricutJoy」、希望小売価格 179.99ドル
② カット、ライティン、スコアリング対応のCricut Explore、希望小売価格 249.99ドル
③ カット、ライティング、スコアリング対応に加え、幅広い素材に装飾効果を追加できるCricut Maker、希望小売価格 399.99ドル

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 そして、最近「Cricut Mug Press」というマグカップ用の商品が発売されました。希望小売価格 199.99ドルです。

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 次にサブスクリプションです。有料のサブスクリプションは2種類です。月契約&年契約を選べる「Standard」(9.99ドル/月 or 95.88ドル/年)と年契約のみの「Premium」(119.88ドル/年)プランです。

 安いですよね。価格イメージで考えるとNetflixなどよりも安くで契約しやすいかもしれません。

 有料プランはともに140,000を超える画像、6,000の既製プロジェクト、500を超えるフォントが使用できます。またライセンスが必要なイメージの割引や限定コレクションも利用できます。「Premium」ではそれに加え、マテリアルの20%オフが受けられたり、50ドル以上の送料は無料となります。差額は20ドル/年程度なので普通に使うなら「Premium」がお得です。

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 そして、ビジネス的にみると年契約の場合、解約リスクが少なく安定的に収益が見込めます。また、利用者の33%がサブスクリプションを契約しているようです。

 次にアクセサリーについてみていきます。販売されている種類はとても多いのですが主に5種類です。0.99 ドルから 239.99 ドルの範囲で、アクセサリーや素材までほぼ 3,000 の SKU を販売しています。

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売上の内訳はこちらになります。

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 一番大きなシェアは、Project Materialsが53%(画上右上)、次にEasy Press(真ん中上)、Machine Suppliesが続きます。

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■ 販売チャネル

 販売は、主にサードパーティの実店舗およびオンライン小売パートナー、またcricut.comのwebサイトを通じて製品を販売しています。また現在すでに20カ国以上で販売されています。

 2019 年には、収益の 48% がオンライン チャネルを通じて生み出されました。また、海外では、オーストラリア、ヨーロッパ大陸(フランス・ドイツ)、英国にリモートで活動する国際的な販売およびマーケティング部隊があります(※後述でも触れますが、海外売上比率は現在10%です)。

 主要な販売チャネルとして、まずは専門の工芸品小売業者があります。さらに、Hobby Lobby」、「HSN」、「JOANN」、「michaelsなど、地域や全国に大きな存在感を示す専門の美術工芸品の小売業者に販売しています。

(実際にアクセスしてみると、Cricut を扱われていることがわかります。)

 次に全国の小売業者として、「Amazon」、「Target」、「Walmart」など、アメリカ国内および国際的に存在感のある大規模な量販店に販売しています。

 最後に対象地域または専門市場に限られた小規模な独立した小売業者ネットワークに販売しています。

 ちなみに、「Amazon」、「JOANN」、「michaels」はそれぞれ、2018年と2019年に終了した年度の連結売上高の10%以上を占めているそうです。

 なお、ユーザーは、Web サイトまたは Android および iOS デバイス上の Cricut のデザイン アプリを通じて、Cricut Access および Cricut Access Premium のサブスクリプションを購入することもできます。
 さらに、ユーザーは、当社のプラットフォームやデザイン アプリを通じて、画像、フォント、プロジェクトのアプリ内購入をアラカルトで行うことができます。

■ 歴史

 歴史と売上の推移も見ておきます。

上記サイトによるとクリカットは2006年に第1号が発売されたようです。最初は「Cricut Personal Electronic Cutter」という名前で細々と展開されていましたが、2014年に発表された「Cricut Explore One」から大きく変わっていったそうです。

 さて、以下が公開されている各年の売上とトピックになります。

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 2014年の売上は、7,400万ドルそこから右肩上がりに伸ばし、2020年の売上は、5.88億ドルという数字まで上昇しました。直近でみると45%のCAGRで成長していたそうです。

2 現在の売上と内訳

 次に現在のCricutの売上とその事業概要について調べてみます。5月にQ1の決算が出ているのでその数字で説明します。

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2021 Q1の売上は3.24億ドルです。そして、EBITDAは、6900万ドル。

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収益の内訳は、

■ コネクテッドマシーン販売 1.41億ドル(全体の43.5%)
■ サブスクリプション 0.46億ドル(全体の14.2%)
■ アクセサリー&マテリアル販売 1.36億ドル(全体の41.9%)

 マシーン販売とマテリアル販売といった浮動性のある売上の収益が大きく占めており、サブスクリプションベースでみるとまだまだのようです。ただし、前項で触れたようにサブスクリプション価格は安いです。そのため、サブスクリプションで、ユーザーとのエンゲージメントを維持して、アクセサリーやマテリアルの販売で収益を上げていく事業としてみた方が良いのかもしれません。

次に直近の成長率を見ていきます。

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 成長率は、昨年の同期比でみると125%増となりました。内訳をみるとコネクテッドマシーン販売が148%増サブスクリプションが141%増アクセサリーは、102%増です。また、海外での売上が252%増だったようです(なお売上全体ではまだ10.3%)。

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 そして粗利率も確認しておきます。全体でみると37.1%と昨年同期が31.1%なので6ポイント増えました。その要因一つは、コネクテッドマシンの生産の大部分を中国からマレーシアに移すことに伴う関税の引き下げの恩恵を受けたからだそうです(中国での生産は需要バランスによって継続して使っていくようです。その場合は関税が引き続きかかるようです)。

 各サービスの内訳をみると、コネクテッドマシーンが15%程度、サブスクリプションは90%、アクセサリーは41%でした(特にコネクテッドマシーンは9%から6ポイント上昇です)。

 またエンゲージメント率は62%です。エンゲージメント率とは90日間に一回以上コネクテッドマシーンを利用した割合です。これが指標として大切にしています。

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 そして各四半期での数字をみるとユーザー数、サブスクリプション数ともに純増していることがわかります。エンゲージメント率も若干の微増です(なおエンゲージメント率は、感謝祭・クリスマスがあるQ4が季節的に一番高くなるとのこと)。

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 また各項目での顧客単価(ARPU)をみると、サブスクリプションについては純増しますが、アクセサリー&マテリアルには季節性があることがわかります。そのため昨年比で比較するのが良さそうです。繰り返しですが、Q4は、感謝祭やクリスマスなどのイベントがあり、多く利用されるようです。

 なお、海外の展開においては、英国、オーストラリア、フランス、ドイツで販売で販売しており、デザインアプリをフランス語、ドイツ語、ポルトガル語、スペイン語などのいくつかの言語にローカライズしています。

 さらに、中東、アフリカ、アジア(シンガポール、マレーシアでの販売をリードするチームメンバーを追加しました。また、スペイン、北欧、メキシコに新しい市場を開拓しました。

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 実際にリクルートメントページをみると、オーストラリアや、ドイツ、フランス、トルコ(中東・アフリカエリアの拠点)などの国々がみられます。

■ 費用

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 Cricutの支出は主に3種類です。強力な口コミの採用とネットワーク効果による効率的な販売およびマーケティング支出(S &M)成長のための研究開発費(R&D)、および一般管理費(G&A)です。

 第1四半期の総営業費用は5,560万ドルで、2020年第1四半期から2,820万ドル増加しました。この増加のうち820万ドルは、IPOに関連する企業再編に関連する1回限りの費用です(そのため実質はQ4と同程度)。

 2021年に移行するにあたり、国際ビジネス、新製品、プラットフォーム、グローバルコミュニティ、コンテンツをサポートするマーケティングイニシアチブにおいては引き続き慎重に投資し、新しいユーザーを促進してエンゲージメントを高めるためのマーケティングを行ない、将来の収益成長をサポートしていくそうです。

 ただし、過度に支出を増やすわけではなく、下記の表に従い、その範囲内を目標値として進めるそうです。推定が明快で安心できますね。

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■ バランスシート

 決算資料からバランスシートを表に落としました。こちらも問題ないと思います。

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■ 2021年Q2以降のガイダンス

 決算発表時にガイダンスがありませんでしたが、カンファレンスコールで触れられていました。2021年のコネクテッドマシーンの販売数は、2020年と同程度である。なお、Q2については季節的に数字が伸びにくい。しかしQ1と同程度の売り上げになると見込まれる。売上はQ3,Q4で伸びるであろう。

 なお、注意点を記載しておきますと、現在コネクテッドマシーンは需要過多で生産が追いつかず、生産ラインが需要に追いつくには今年いっぱいかかる見込みとのことです。

 また、製造において板金、樹脂、接着剤、ポリマーなどの部品の上昇が続いております。現状このコスト吸収と効率化を行っているためにコネクテッドマシーンの粗利率はこれ以上増えないということも確認しておく必要があります。

 続いてコロナが明けた以降の需要の落ち込みについての指摘がありましたが、これはあまりないであろうということが言われています。外出の機会が増えて家で作業時間がなくても、例えば、パーティーや入学式、はたまた結婚式などCricutを使ってオリジナル作品(Tシャツなど)を作る機会は変わらずあるので気にしていないようです。

 個人的な考えを追記しておきますと、コネクテッドマシーンの粗利率はあまり重要ではなく、大事なのは、サブスクリプションユーザーの増加とアクセサリー等の購入増加かと思っています。拡大すればするほど、何か良いものを作ろうとした時にCricutを外せなくなるようになってきます。最初は、Pelotonのようなビジネスイメージを持っていましたが、もしかしたら、PlayStation やNintendo Switchの方がイメージが近いかもしれません。一つの機器を買って、絶えずその商品に対応するアクセサリー(ゲームソフト)を買っていく感じです。

3 市場規模

続いて、市場規模を観てみます。

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 米国とカナダのSAM(Serviceable Addressable Market)は約8,500万人と推定されています。オーストラリア、フランス、ドイツ、英国の4つの主要な国際市場(=International)を合わせると、SAMの合計は約1億3000万人です。現状は、約500万人のユーザーベースで、SAMの4%未満しか浸透していません。

 なお、これらには現在新しく展開を始めているエリアは考慮されていないので、もっと規模は拡大していくと考えます。また市場の成長予測は考慮されていません。

SAM及びTAM(Total Addressable Market)の計測方法について
2020 年 9 月に YouGov America を通して11 か国で調査を実施しました。各国で調査された。各国ともに18歳以上の1,000人以上をサンプル数を確保しました。これらで取得したデータ(率)をベースに各国の 18 歳以上の一般人口に掛け合わせて、SAM、TAM を計算しました。当社の SAM は、「過去 12 か月間に当社の現在の製品が扱うカテゴリで少なくとも 1 つの創造的なプロジェクトを作成したと回答した人の割合」の人口です。これを「active creatives」と呼んでいます。そして、 TAM は、「SAMの人口に加え、パーソナライズされた手作りの、またはカスタムされたアイテムを製作することが、好き、購入、以前に作った、または興味があると答えた割合」です。これは、私たちが「潜在的クリエイティブ」と呼んでいます。

 まだまだかなり広い範囲でビジネスを広げていく可能性があると言えそうです。

4 競合・リスク

 次に競合とリスクについて確認していきます。

■ 競合会社

 S-1には、競合として3社があげられていました。ブラザー」、「グラフテック」、「Silhouette Americaです。3社の情報をまとめました。

ブラザー ※ご存知、日本の企業

カッティングマシン「ScanNCut (スキャンカット)」

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グラフテック株式会社 & Silhouette America

 どうやらグラフテックは、Silhouette Americaの製品の代理店のようなのでまとめさせていただきます。

小型カッティングマシン「Silhouette Portrait3 (シルエット ポートレート3)」

「情報機器」
主力のコンシューマ向けカッティングマシン事業においては、オン
ライン販売を中心に好調に推移しました。しかしながら、業務用カッ
ティングマシン事業につきましては、国内の緊急事態宣言、海外の
ロックダウン措置等の影響で納品や商談に遅れが生じ、設備投資の
抑制がみられました。その結果、売上高は152億1千4百万円(前期
比3.1%減)、セグメント利益は13億5千4百万円(前期比9.6%減)
となりました。

 ということで、Silhouette Americaの方のサイトでは、売上はのっておりませんでしたが、SNSの数値を参照したところ、Instagramは30万、Pinterestは18万人となっておりました。

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 Cricutが、Instagramが130万フォロワーなので、4分の1程度です。つまり、コネクテッドカッティングマシーンにおいてはCricutが独壇場なようです。

■ レビューでの競合確認

 さらにニューヨークタイムズのレビューサイトで見ていましたが、Cricutが一番上に挙げられていました。そこでも競合は、Silhouette Americaと、 Brotherが挙げられていました。

 そこでのレビューを抜粋しますと、このような感じでした。

The Silhouette Cameo 4 is the best Silhouette machine we’ve ever tested, but it is still bigger, louder, and less precise than the Cricut machines we recommend.(Silhouette Cameo 4 は、これまでテストした中で最高の Silhouette マシンですが、それでもなお、私たちが推奨する Cricut マシンよりも大きく、音量が大きく、精度が劣ります。
The Brother ScanNCut DX SDX125E, which we also tested in 2020, is a disappointment for beginners. It’s more expensive than the Cricut Maker, (2020年にもテストしたBrother ScanNCut DX SDX125Eは、初心者にはがっかりです。クリカット メーカーよりも高価で・・)

Amazonのレビューを比較すると・・・

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 ということで、Cricut一択でした・・。ので、競合はいるのだが、利用者もレビューも現状Cricutが優位ということになります。

■ リスク

いくつも挙げられていますが気になる部分だけ抜粋します。

✔️ 当社の3つのセグメントのそれぞれにおける競争リスク:接続されたマシン、サブスクリプション、アクセサリおよび材料。

→ これはそれぞれの領域でライバルが出てくるかもしれないと言うことです。

✔️ サプライチェーン、製造、流通、および履行のリスク。これには、現在主に単一の中国を拠点とするメーカー(生産は中国及びマレーシア)に依存していることが挙げられます。ただし、この会社は上場しており、さまざまな国際企業と協力しているので、企業としてはリスクは低そうです。

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✔️ 製品の品質、安全性、保証の請求および返品に関連するリスク。
 =Pelotonで言うリコールのようなものですね。

以上がリスクになります。

5 社長やメンバーについて

 主要の4名を紹介します。

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Ashish Arora President & CEO

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 2012年にCricutに入社しました。以前は、Logitechのゼネラルマネージャーを務め、コンピューター周辺機器からデジタルホーム製品まで、いくつかのビジネス分野を拡大していました。2011年、彼はデジタルメディアおよびエンターテインメント業界の新興リーダーの評判の良いリストであるDigital Media Wireによって「デジタルエンターテインメントで注目すべき25人のエグゼクティブ」の1人に選ばれました。彼のキャリアの初期は、金融セクターのソフトウェアおよび分析の会社で8年間働いていました。

 アシシュは、カンザス大学でMBAを取得し、Thapar Institute of Engineering andTechnologyで理学士号を取得しています。

Marty Petersen CFO

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 2012 年に Cricut に入社し、30 年以上の財務専門知識を同社にもたらしました。 

 クリカットに入社する前は、モレル家の 3 社で CFO を務めていました。
・「Oasis International Waters」米軍にサービスを提供する国際的なウォーター ボトリング事業。
・「Morrell Agro Industries」アフリカで人道的農業活動に従事する企業
・「The Event Source」中東の政府請負業者
Morrell 在職中、同社は地域の「2011 Ernst & Young Entrepreneur of the Year」賞を受賞しました。

 キャリアの初期には、ハンツマン コーポレーションの副社長兼財務担当副社長、ニューヨークと東京のメリルリンチ & Co の投資銀行部門でコーポレート ファイナンス担当副社長を務めました。 2009年、彼はユタビジネスマガジンから「CFOオブザイヤー」を受賞しました。

 マーティは、シカゴ大学ブース スクール オブ ビジネスで MBA の学位を取得し、ブリガム ヤング大学で BS の学位を取得しています。

 キャリアの初期には、「Huntsman Corporation」の副社長兼財務担当副社長、およびニューヨークと東京の「Merrill Lynch & Co」の投資銀行部門でコーポレート ファイナンス担当副社長を務めました。 2009年、彼はUtah Business Magazineから「CFOオブザイヤー」を受賞しました。

 マーティは、University of Chicago Booth School of Businessで MBA の学位を取得し、Brigham Young大学で BS の学位を取得しています。

Don Olsen EVP General Counsel

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 Cricut の顧問弁護士兼コーポレート セクレタリーのエグゼクティブ バイス プレジデントです。

 彼は 10 年以上前に Cricut に入社し、それ以来、法務を担当しています。 2013 年に、人事部門の管理を開始し、企業文化の発展を率先して指揮しました。 その間、Cricut は予算と法的な制限の範囲内で、当社の開発能力と製品能力を大幅に拡大してきました。

 クリカットに入社する前は、西アフリカおよび中央アフリカでの活動を促進するために 「Tifie Humanitarian」の法律顧問を務めるなど、個人実務に携わっていました。 2012 年には、ユタ州ビジネス誌によってユタ州の「40 歳未満の 40 人」の 1 人に選ばれ、多くの地方自治体の委員会で奉仕しています。

 ドンは、Brigham Young University’s J. Reuben Clark Law Schoolで法学博士号を取得し、Brigham Young大学で英語の理学士号を取得しました。

Greg Rowberry EVP Sales & Channel

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 Cricutのセールスおよびチャネル担当エグゼクティブバイスプレジデントです。

 2008 年にクリカットに入社して以来、グレッグは多くの帽子をかぶっています。 財務担当副社長としての強力な財務報告インフラストラクチャの構築から、多くの製品発売を通じてカスタマーケアチームを率い、品質保証の監督、販売とチャネルマーケティングの管理などを行います。 彼は、すべての段階で Cricut の顧客に最高の体験を提供する上で極めて重要な役割を果たしてきました。

 クリカットに入社する前は、グレッグは「C.R. England 」で 10 年間、財務部長、事業開発部長、および業務部長を務めました。 会社にいる間、彼は専用輸送事業の倍増に貢献しました。

 グレッグは、Brigham Young大学で MBA の学位と BS の学位を取得しています。

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 以上主要メンバーとなります。CFOの方が超優秀そうなので、決算もかなり安心できそうです。そして、CEO以外全員、Brigham Young大学出身ですね。余談ですが、ブリガムヤング大学というのは、日本マイクロソフト代表取締役社長を経て、米マイクロソフトのバイスプレジデントを務める平野拓也さんが出た大学です。

まとめ

 以上、Cricutについてまとめてみました。色々最近みる企業の中でかなり安定的にバランスの取れて優れている企業なのかなと思いました。

 最後にCricutの成長戦略について5つの方針が挙げられていたのでご紹介します。

✔️ ユーザーへのリーチ拡大

  米国とカナダ、および現在製品を販売しているその他の地域で、ブランドと製品の認知度を高めることにより、より多くのユーザーをプラットフォームに呼び込む大きなチャンスがあります。私たちは、デジタルおよびソーシャル メディア マーケティング、小売パートナー、口コミの紹介を通じて、この機会を部分的に追求する予定です。

✔️ 現在のユーザーからの収益増加

 新しいソフトウェアや製品を発売することで、ユーザーの関心を維持しています。私たちは、既存のコネクテッド マシンでユーザーにインスピレーションを与える新しい方法を見つけることで、より多くのコンテンツ、アクセサリー、素材を販売できると信じています。また、サブスクリプション サービスを強化することで、サブスクリプション ベースを徐々に拡大できると考えています。

✔️ 使いやすさとユーザー エクスペリエンスの継続的な改善

 製品をさらに使いやすくし、製品とその機能についてユーザーを教育することにより、人口統計学的な魅力を拡大し続ける予定です。私たちは、アクティブなクリエイティブと潜在的なクリエイティブの参入障壁を下げることで、SAM への浸透と、TAM の一部への拡大と浸透の両方を促進できると考えています。

✔️ 新しいカテゴリでの新製品発売

 新製品は、新規および既存のユーザーへの影響を拡大するのに役立ちます。私たちの深く関与しているユーザーベースは、どの新製品が最も成功するかについてのユニークな洞察を私たちに与えてくれます。現在のユーザーのエンゲージメントを維持するための私たちの戦略は、アクセサリーや素材、接続されたマシンなど、既存のプラットフォームにシームレスに接続する新しい製品とサービスを立ち上げることに重点を置いています。私たちは、SAM のより大きな部分にサービスを提供するために、追加の顧客セグメントを獲得するための新しい使用法を備えた新しいコネクテッド マシンの提供を含め、提供を拡大することを計画しています。新しいサービスと新製品を立ち上げる能力により、チャネルを多様化し、新しい実店舗およびオンライン小売パートナーを獲得することができます。

✔️ 国際展開の推進

 オーストラリア、カナダ、フランス、ドイツ、英国でローンチすることにより、国際的な拡大を開始しました。また、デザイン アプリをフランス語、ドイツ語、ポルトガル語、スペイン語などの複数の言語にローカライズしています。国固有のコンテンツを提供し、ローンチのさまざまな段階にある市場向けにローカル コンテンツを追加し続けています。私たちは、クリカットのバリュープロポジションが共鳴すると信じているアクティブなクリエイティブの人口が多い国をターゲットにすることにより、規律ある国際的な拡大を追求し続けます。私たちは、実店舗とオンライン小売パートナーの組み合わせを活用して、国際市場に参入することを期待しています。

以上、いつものごとく長文をお読みいただき、ありがとうございました。

改めて下記に自分の所感をまとめさせていただきます。

✔️ 機器+サブスクのPelotonと同様のモデルだが、大きな収益源はアクセサリーなどの消耗品 →実は、PlayStationモデル?
✔️ ユーザー層は圧倒的に女性。SNS等が広がっている世の中でのオリジナルアイテムが気軽に作れるユーザービリティは魅力
✔️ クリスマスなど季節によるニーズが毎年”必ず”あるため、ニーズが途絶えない(突発的なニーズも多数・・)
✔️ 競合企業はあるが、ユーザー数、クオリティーともに圧倒的なブランド優位にある
✔️ 売上の海外比率は10%だが今後さらに拡大していく予定
✔️ 経営陣が優秀。特にCFOは安定。財務状況も良さそう。
ただし!! 売上が20%以上で成長する中、2021年のEPS予想 0.83、2022年の予想0.93なので、急激に儲かる企業ではなく、安定的に成長していく企業

もし参考になれば、”いいね”をおして閉じていただけるととても嬉しいです!

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