Next 「RedBull」「Monster」となるのか!?「CELSIUS」について調べてみた
こんにちわ
最近「エコシステム(ecosytem)」というワードをよく目にします。
特に、BtoCを展開している企業、「Nike」 や「Lululemon」、 「Peloton」などの記事を読むと頻出します。
一言で言うと、「そのブランドを愛する強いコミュニティ形成」のことを指していると思うですが、別の機会に詳しく分析してみようと思います。特にそのブランドの特徴としては、「商品」ではなく「ライフスタイル」を訴求しています。つまり、「その商品を使っている俺ってかっこいいだろ!」とか「その商品を使ってこんなに素敵な生活を送れる!」などを想起させることにより、そのブランドがその自身にとって大切なものになっていくのです。
なお、日本でいうたまに言われるエコシステムとはニュアンスが違うので要注意です。
■今回の経緯
そうした視点で、いろんな記事を読んでいたら、「CELSIUS(ティッカーシンボル $CELH )」なる会社を見つけました。Motley Foolという米株を紹介している記事で、「Next Monster」と書いてあり、反応したのだと思います。
けど、日本語で探しても情報がなく・・面白い企業であればまとめてみようかな、と思ったのが経緯です。
会社のオフィシャルHPはこちらです。
エナジードリンクを生業としている会社(正確には「Fitness Drink」と言っている)で、フィットネスをするときに一緒に飲もう!そうすると痩せやすくなる!というようなコンセプトで売っています。
僕は、最初このインスタグラムをみて、Peloton と同じ香りがするぞと思って興味を持ちました。とにかくかっこいい!お洒落!
また、Amazon.usのエナジードリンクカテゴリーをみると、Monster に続いて第2位を獲得しています(以前見たときは1位でした)。RedBullとか7位です。
「えっ、なんだろう??」と思ってきませんか?
・・・・
そして、紹介されていたイベントの様子をまとめた動画を見て思いました・・・
えっ!これ、筋トレやトレーニングをやっている人は「My protein (マイプロテイン)」や「Gymshark(ジムシャーク)」を知っていないと恥ずかしいくらい、「CELSIUS(セルシウス)」を知っていないと恥ずかしいのではないか、と(ちょっと誇張表現ですw)。
調べた所、日本では販売されておらず、主に北米と欧米(スウェーデン)、香港・マレーシアを中心に販売されています。前回の Peloton の記事でも書きましたが、Fitness人口が多い北米・欧米地域から攻めていくという戦略なのだと思いした(※後述ではニュアンスが違いました)。
ということで、昨日の夜、決算も発表され、好評のようなので、まとめてみようと思います。数字は、ユーエスさんのもので割愛させていただきます!
この数字、改めて振り返りますが、北欧は、スウェーデン・フィンランドが主要戦略地域であり欧州の本部が置かれていること(子会社がフィットネスドリンク以外も販売)、eコマースは、Amazonに特化した戦略を置いていること、フィットネスは、ジムが閉鎖していることが数字の要因です。
最初に僕は、アナリストでもなんでもなくただ趣味でまとめているだけですので、軽い企業研究くらいで読んでやっていただけると幸いです(さがしても日本の記事を見つけれなかったのでw)。
1 どんな会社なの?
■ 会社の紹介
Celsius Holdings (2004年の4月に創業)は、臨床的に(clinically-proven)証明されたフラッグシップブランドである「CELSIUS®」を全世界的に提供する会社です。コーポレートミッションとして、「そのカテゴリー分野の中で特許をとり、臨床的に証明された商品の分野における世界的なリーダーになることにより、多くの人に健康的利益を提供します。」
「CELSIUS®」が提供しているものは2つで、炭酸/非炭酸の味のドリンクと、水と混ぜて使うパウダースティックです。CELSIUS®には、防腐剤、アスパルテーム、高果糖コーンシロップがなく、非遺伝子組み換えで、人工の風味や着色がなく、ナトリウムが添加されていません。CELSIUS®の製品製造ラインは、コーシャおよびビーガンの認定を受けており、大豆、グルテン、砂糖は含まれていません。
※コーシャ・・・イスラム教徒のハラールフードのように、ユダヤ教徒が食べてもよいとされる「清浄な食品」のこと
※ビーガン(ヴィーガン)・・「完全菜食主義者」と訳されることが多く、肉・魚・卵・乳製品などの動物性食品を食べない人のこと
つまり、「世界中のどんな人でも運動するときに飲めるナチュラルな機能的脂肪燃焼ドリンク」を提供している会社なのです。そういった意味でも、Monster や、RedBull などとは一線を画している企業なのです。
そして、その会社の革新性と卓越性は、20を超える国際的な賞を受賞しました。最も注目すべきは、CELSIUSHEAT™が飲料業界の「2017年のイノベーションオブザイヤー」賞をエナジードリンク部門で獲得したことです。独自の特性と飲料市場のニーズを満たす能力により、イノベーションを推進している飲料として認められました。さらには、投資家の"次に来る企業"の検索を支援する投資調査会社「Institutional Analysts、Inc」によって、「2018年のトップ飲料会社」の1つに選ばれたそうです。
先程の文章で、「臨床的に(clinically-proven)証明された」というキーワードが気になったので、特許でもとっているのかなと、検索したのですがありませんでした。どうやらこのドリンクを使って実際にケーススタディをやったそうです。下記の画像に「Proven to do so in 6 publised university studies.」と書いてあります。
つまり、こうした使用実験を繰り返していくことにより、「使うと実際に効果がある」というエビデンスを作っているようです。
さて、次にそんなCELSIUSをどのようにを訴求しているかというと、YouTubeにこのようなことが書かれています。
CELSIUS®は、臨床的に機能することが証明されているフィットネスドリンクです。どうやって?サーモジェニックとして、CELSIUS独自のMetaPlusブレンドは新陳代謝を促進し、脂肪とカロリーを燃焼する体の能力を高めます。体が脂肪を燃焼する方法は2つしかありません。心拍数の増加および/または体温の上昇(熱発生)です。CELSIUSを飲んでから動くのは2重効果です。脂肪の燃焼を加速し、結果はさらに速くなります。
CELSIUSはあなたの究極のフィットネスパートナー®
(※CELSIUS=日本語訳では摂氏=体を燃やすということなのでしょうか)
利用用途としては、ワークアウトの前に飲む「プレワークアウトドリンク」だそうです。また、そうしたブランドイメージを表現した動画はこちら
■どんな商品があるの?商品の特徴は?
商品ラインナップ等は、AmazonのWebサイトにあります。
商品のカテゴリーは5種類です。今回はその中でも、よくあげられている、通常のラインナップ「CELSIUS」と、「CELSIUS HEAT」と呼ばれるさらにレベルアップしたものを紹介します。
まず、通常のものは、現在11種類のフレーバーが楽しめるそうです(表は10ですが、最近「Fuji Apple Pear」という商品を出したので)。
価格は、大体1本2-3ドル程度で、200ml入っています。中身はは、「7種類の不可欠なビタミン」と「200mgのカフェイン」が入っていること、「砂糖ゼロ、防腐剤ゼロ、人工香料や着色料なし」とのことです。
Heatについては、さらにパワーブーストと書いていました。中身は、「300mgのカフェイン」とともに、「Lシトルリンが2,000mg」入っているようです。
シトルリンについては、下記のようなことが補足されていました。「8日間で1日あたりわずか2.4グラムで、出力、酸素消費量、運動パフォーマンスが改善された」と。
この商品は、真剣なフィットネストレーニー、トレーナー、アスリート、軍人の間でヒットしたそうです。特にボディビルダー界隈は人気のようです。
※ただし、これらのドリンクは、カフェインが多すぎるということもあり、18歳以下の子供や、妊娠中の女性には勧められていません。
つまり、自然由来のもので作られた環境や人には優しいドリンクなんだけれども、「とにかくカフェインが多い!!」ドリンクですww
カフェインの量を比較すると、Monster(355mlで128mg)の約2倍、RebBull(250mlで、80mg)と約3倍ですww
厚生労働省のサイトをみると、カフェインの摂取量は成人の大人で300mg-400mg以下にしなさいと言われており、飲み過ぎはよくないドリンクです。
というような商品です。
最後に、CM動画も紹介します(アジア美人がでていたので掲載したかっただけかも)w
この動画の中で、紹介されているハッシュタグをあげると「#LiveHealthy」「#LiveHit」「#LiveIntensely」「#LiveTrue」「#LiveEnergized」「#LiveBalanced」があげれていました。これが、ブランドのキーワードのようです。
とても健康的なイメージで売っています。簡単なポジショニングマップを作ってみましたが、こんな感じです(個人的な主観ですが・・)。
CELSIUSは、広告やSNSの運用などをみても有名な人(プロアスリート含む)を使わず、あくまでもスポーツや体を動かすことが好きな人が、誰でも気軽に飲んで良い飲み物であるというブランドを徹底しています。
そのため、CELSIUSを飲んでいる人は、「身体をしっかり燃焼させたいんだ!」と思われ、筋肉をつけるのではなく、良い身体を目指しているんだと思われるのです。「#LiveHealthy」「#LiveHit」がまさにそれです。
例えば、ジムに行ったときに(日本の感覚ですが)「REDBULL」や「MONSTAR」をのみながらトレーニングする人はいません。大抵は、「水」か「プロテイン」です。でもそのメンバーの中に「CELSIUS」だけは入れるのです。実際にアメリカのゴールドジム(Gold's Gym)や絵にタイムフィットネス(ANYTIME FITNESS)では、「CELSIUS」が置かれていますw
まさに、これが、CELSIUSの強みだと思っています。ブランドポジショニング勝ちです。そして、最初のエコシステムの話に戻りますが、徹底的にお洒落な雰囲気で、コミュニティを大事にしているようです。そのため、一度CELSIUSを飲みだすと「MONSTAR」とかダサいよね、というように感じるのです。すごい Peloton と似てませんか??
<まとめ>
・健康飲料として「機能性と安全性を科学的に立証すること」で「運動する前に飲むと痩せやすくなるドリンク」としてブランド化
・エナジードリンクではなく、フィットネスドリンクとしてのポジショニングの差別化(デザインがお洒落/女性にも好まれる)
・(Instagram等を中心とした)SNSコミュニケーションで、コミュニティ機能を高め、CELSIUSを愛することがカッコいい!クールだと思われるような訴求を行う
2 売上と市場シェア
■売上
YahooFinanceから売上を貼ってみました。2016年だった売上が20Mだったのが、2019年では75M$を超えました。そして4半期ペースでも伸びており、2020年は、累計125M$を目指しています(アナリスト予想/Q3決算前)。
ではQ3までの売上のエリア構成をみてみます。
昨日発表された売上を含めると、北米71%、ヨーロッパ28%だそうです。なお、北欧の収益アップは昨年買収したFunkFoodの売上が追加されていることが大きいです。アジアの売上に関しては、中国国内のCELSIUSライセンス会社であるQifengという会社からロイヤリティが7割を占めます(こことは50年契約らしい)。
■ 市場規模・競合について
主力製品がエナジードリンクなので、同様の商品の市場規模をみていきたいと思います。以下の記事によると、
Global Energy Drink Market は、57.12 Billion$(2019)の規模があった、そして2026年までに92.9 Billion$まで成長する見込み(CAGR/年平均成長は 7.2%)
日本円(105円計算)で考えると、2019年は6兆円の規模だそうです。そのうちCELSIUSは79億円なので、シェア率は、0.13%程度になります。
では、アメリカだけではどの程度の市場規模があるのでしょうか・・
引用:https://www.marketresearchreports.com/blog/2019/07/29/top-energy-drink-companies-us
おおよそ2019年では、8.72billion$(=9,156億円)の市場だそうです。とすると、、おおよそ世界の6分の1がアメリカで消費されていることがわかります。
次にこのようなグラフもありました。これはアメリカのエナジードリンクの種類ごとの売上内訳です。またこの記事では、男性が60%、女性が40%の割合で飲んでいるとも書いています(結構女性が飲んでいるようです)。
U.S. energy drinks market revenue by product type, 2014 - 2025 (USD Billion)
引用:https://www.grandviewresearch.com/industry-analysis/energy-drinks-market
これを見ると、CELSIUSは、Organic,Naturalな市場にあたるので、非常に伸びるジャンルなのだということがわかります。
では、競合はどのような状況なのでしょうか?
どうやらアメリカ国内での2強は、Monster と RedBull です。残念ながら、Redbullは、非上場企業のため売上規模がわかりませんでした(bloombergのニュースでは、2019年に全世界で7.5 billion缶売ったそうです。)。
そのため、Monsterについて調べてみようと思います。早速Monster のIR資料をみてみました。(不親切なのか、四半期は口頭説明だけで、年1回しかスライドレポートをだしてくれてないです><、ので、)2020年1月に発表した資料から抜粋します。
まずは、全米での売上比較です。
わかりづらいのでグラフにしました・・(疲れた。)
こうみると、MONSTER と RED BULLが白熱の争いをしており、全体で市場の66%を占めます。一方、CELSIUSはというと、業界では10番手で0.5%のシェアです(全世界比率0.13%よりは多い!)。まだ伸びる余地は大きくありそうです。
ちなみに少し触れておきますと、MONSTERは現在ほぼ全世界で提供されています。
そして、世界各国でRED BULLと争っているようです。
なんか、ちょっと前にあった大統領選みたいに面白いです。日本は、右端の上から2番目にありますが、RED BULLを逆転したようです。
日本の市場は、発売されていないので割愛しますが、もし知りたければ、こちらの記事を参考にしてください。
3 社長やメンバーはどんな人?
次に肝心の社長や経営メンバーはどんな人なのかについて触れていきます。
CEOは「JOHN FIELDLY」 という方です。
南フロリダ大学出身のフロリダ州の公認会計士です。Eckerd、Lerhar-Friedman、Organics,incを経て2012年にChief Financial Officerとして入社します。その後、2018年にCEOとして就任します。
つまり、会計のスペシャリストです。彼は、株主のことを理解しながら進めれる経営者といったところでしょうか・・。
他のメンバーで注目したい方を紹介します。まずは、セールス担当です。
一番左、北米のセールスをやっている「JON MCKILLOP」さん。
Keuring(dr pepperの前身)、Java Beberage Co、Daioh’s First Choice Servies、Core-Mark international、Pepsi Americas<Western Regional Mnager>、GLanbia Performance Nutrition(GPN)など約20年以上セールス畠を歩んだ人です。
特に、Pepsiなどの飲料も担当しながら、直前では健康食品の会社におり、ノウハウもわかっていると思います。
次に、真ん中、アジアのマネージングディレクターの「RONNIE CHAR」さん。
ABTHUR ANDERSEN、PPG Industries International Inc、PepsiCo International Inc<アジアエリアでのマーケティング>、RedBull<General Manager/香港・マカオ・台湾・モンゴル>、Keystone Foods、おやつカンパニーインターナショナル<アジアのGeneral Manager>。ウォーリック大学でMBA取得しています。
もし日本進出となると、この方が手掛けるんでしょうね・・・
そして、一番右のヨーロッパ(北欧)の代表は「ROBIN LYBECK」さんという方。
L'Oreal 、Coca-Cola Finland Oy、Sinebrychoff(Carlsberg Breweries)、Coca-Cola<フィンランドのカントリーマネージャー>、Func Food Group Oyj<CEO>、Timoteos Oyを経て現職。
コカ・コーラ出身の北欧のマーケティングのスペシャリストです。
そして、マーケティングを手掛ける2人を紹介します。
左の「Kyle Watason」さんです。
Macy’s、LOLA Restaurant、Florida Panthers、Morton’S The Steakhouse、Onli Bevarages、Hiballとレンスランなどの飲食や飲料系のマーケティングにずっと携わってきた方です。
次に「THORSTEN BRANDT」さんです。
Unilever、Bestfoods,Inc、The Coca-Cola Company<マーケティングディレクター(お茶・コーヒー、エナジードリンク)>、Func Food Finland Oy<CCO>、BRAND FABRIKKEN ASを経てきました。
コカ・コーラには14年在籍をしていたようです。
これらの経歴は、すべてLinked Inで調べているので嘘はないと思いますw、他にもいろいろな方がいるのですが、、調べるとキリがないので、
まとめますと、
・金融や財務のスペシャリストと、コカコーラなど大手飲料メーカーのマーケティングを経験した人たちが運営する飲料会社です。株主的視点からみたら、超堅実経営をするので、よほどのことがない限りしくらない会社と言えるかもしれません。
・また、革新的な経営者がいるわけではなく、愚直に(地に足のついた)営業・マーケティングを推し進めて着実に数字を伸ばしていく。
そんな企業だといえます、そして、気になるのが、かなり北欧系(フィンランド・ノルウェ)が重点的に置かれているなということです。これは後述します。
4 取締役と主要投資家はどんな人?
そして、僕が調べていてとても興味深かったのは取締役と主要投資家です。
■ 取締役
WILLIAM H. MILMOE /CO-CHAIRMAN
William H. Milmoe(2008年8月から当取締役就任)は、1997年から2006年まで、CDS International Holdings、IncのCFOを務めました。Milmoe氏は公認会計士であり、公認会計士と民間企業勤務の両方で40年の取締役会業務の経験をもち、経歴には、PwC、General Cinema Corporation、Pepsi Cola、映画の出展者での役職があります。Milmoe氏は、フロリダ州と米国公認会計士協会の両方の会員である。
PwCといえば会計を中心としたコンサルティング会社です。映画業界だとアカデミー賞の集計を行っている会社としても有名です。
TONY LAU /CO-CHAIRMAN
Tony Lauは、2018年4月に取締役会に参加。Lau氏は、香港を拠点とする民間投資ファンドであるHorizons Ventures、Limitedの投資家および個人投資および個人投資のディレクターです。Lau氏はまた、Horizonsで中国事業と自分たちが出資するポートフォリオ企業の事業拡大を管理しています。その前は、ゴールドマンサックスの投資銀行家であり、テクノロジー、メディア、テレコミュニケーションへの投資を専門としています。Lau氏は北京大学で経済学と金融学の博士号を取得し、現在、長江商学院(CKGSB)でビジネス学者プログラム(DBA)の学位を取得しています。
続いては主要投資家をみていきます。
■ 主要投資家
左上は、Horizons Ventures の「Li La-shing(李 嘉誠/り かせい)」さんです。投資の世界では超有名人だそうです。自ら長江商学院というビジネススクールを設立し、アリババ集団の馬雲ら次世代の中国人実業家を育成したことで知られています。
この記事によると、CELSIUSが2011年危機に陥ったときに、(Hiphop界の大物)ラッセル・シモンズとともに参加してくれたそうです。
李嘉誠さんは、(wikipedia情報によると)2013年度世界長者番付によれば、その資産は310億米ドルとされ、世界8位の富豪だったそうです。そして、彼の運営するHorizons Venturesは、世界中の有望な企業(103社)に投資しています。有名な企業では、Facebookや、Spotify、Skype、Zoom、Curioなど名だたる会社もあります。そして、日本でも2社だけ選ばれています。それは、世界初の「人工流れ星」を創る宇宙スタートアップ企業「ASTRO LIVE EXPERIENCES」と、皮膚研究から注射針の要らない医療を目指す「ナノエッグ」です。そうした会社がファウンダーとして参加しているのです。その他には、豆なしコーヒーを提供するAtomoCoffeeなんかも出資しています。
次に紹介するのが、右上は、「Carl DeSantis」さんです。彼は、Rexall Sundown Incという企業を設立し、NASDAQに上場させた起業家です。
Rexall Sundownという会社は、栄養サプリメントを提供する会社でした。その後、会社を売却し、現在はいくつかの企業に投資をしています。CELSIUS以外の企業としては、Tabaneroという、ホットースで賞をとった会社や、 Kwandwe という南アフリカのエコツーリストリゾート会社です。
CELSIUSという商品は、ビタミンなどの栄養も大事なのでこうした方が支援しているのは心強いです。
最後は、「Kimora Lee Simmons(キモラ・リー・シモンズ)」です。
彼女は、13歳でシャネルとモデル契約、その後、ラッセル・シモンズと結婚し、Baby Phatを立ち上げます。2006年にサンリオのハローキティと提携し、ジュエリーライン「キモラリーシモンズforハローキティ」を立ち上げたりしました。彼女は、2011年にラッセル・シモンズが支援したタイミングかその辺りで一緒に支援してそのまま残っているのだと思います。
こうしてみると会社としてとても安定しているなと思いました。
5 今後の成長戦略とまとめ
■ 海外展開
簡単に海外展開の流れをまとめます。
2009年 2人のスウェーデンの起業家がフロリダでCELSIUSに出会い、輸入を開始して、販売する
2018年2月 香港に子会社を設立(アジア統括)
2018年5月 香港のCELUSIUS ASIAが、北京に子会社を設立
2019年10月 北欧の販売パートナーであった、FunkFoodを買収
なぜ、北欧でトップシェアを誇るのかというと、実はすでに進出して10年以上が経過しております。アメリカで発売されていたCELSIUSに感動して自ら、販売を開始したそうです。その後北欧のエナジードリンク業界を席巻していったのだとか・・・
そうした経緯もあり、2019年にFunk foodを買収したそうです。
■ 今後の成長戦略のポイント
ここに昨日行われた、Earnings Callの議事録があったので参考にさせていただきます。
●アメリカ国内
・最近のSPINSで出されたデータによると、CELSIUSがエナジードリンクカテゴリーで最も大きな成長率であることを確認した。10月の販売数をみると、おそらく第4半期も昨年比50%を超えそうである。
・ただし、2021年は、アメリカ国内でアルミ缶の製造量が不足しており、全体で約300億缶ほど足りないと言われている。小さな会社は納品を拒否され出した。そこで、他の地域から調達することにした。そのため原価率は下がる。
・現在、アメリカ国内での販売箇所は現在79,000まで増加。これは昨年から19,000増となる。特に、DSD(ダイレクト・ストア・デリバリー)を強化しており、Anheuser-Busch、PepsiCo、Keurig Dr. Pepper、Molson MillerCoorsなどの販売パートナーを確保した(現在までの主要な大都市の75%をカバーしている)。またチャンネル拡大に向け、営業担当の確保を行っている。
・ウォルマートとの連携を強化している、例えば、On-The-Go Stick(スティックパウダー)の新フレーバーを限定発売したり、提携する大学の大学生に向けて10万本以上のサンプリングを行った。
・ECでは、アマゾンでのエナジードリンクカテゴリーの売上が、前年同期比157%増となった、 その中でCELSIUSは、190%増であり、シェアを13.9%まで伸ばした。これは、MONSTERの31.2%、RED BULLの15.8%に次ぐ第3位まで上昇した。
・一方で、ジムや専門店での販売は、またロックダウン等も起こるので減るであろう。2021年以降で回復の見込み
・購入者の属性をみると50%が女性である。
●国外
・中国での販売箇所は60,000まで拡大した。
・マレーシアでは、セブンイレブン2,000店舗で販売中。
●マーケティング
・マーケティング面では、消費者が家にいる間でもコミュニケーションができるような感情的な繋がりを意識している。例えば、Instgramを通じてブランドアンバサダーやインフルエンサーを通してブランドの関係を強化していく。
というようなことを話していました。58分行われた議事録なので、相当エッセンスを抜き出しにしております。詳しくは上記リンクから・・
■ まとめ
そして、そうした中僕が思ったのは下記のようなことでした。
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◇ 徹底的なDOS戦略の推進によるアメリカ国内の流通の強化(ここが一番大事)
◇ 北欧のFunKFoodの商品の北米への展開などを含めたラインナップ強化
◇ 北欧以外のヨーロッパエリアの展開(コロナロックダウン明け以降)
◇ アジアは、中国国内では伸びるがその他でまだ大きな展開はなさそう
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最後に、あくまでもこの企業はフィットネスドリンクであるCELSIUS が主力商品です。もし万が一カフェインリスク(事故)が起こると危ないなと思いました(これはエナジードリンク業界全体ですが)。とはいえ、ポジショニング戦略はとても面白いなと思いました。
そして、色々調べていたのですが、マーケティングの情報があまり出ておらず、ここに力をいれればもっと伸びるではないかなと思いました。ただしそれは、優先としてはまずは流通網なのでしょう。かなり着実な経営ですw
以上が、ざっとまとめてみたものになります、
とりあえず、僕は日本に早く来てもらい、どんな味なのか飲んでみたいと思いました(セブンイレブンとかが輸入してくれないかな?)。
では、長文お読みいただきありがとうございました。みなさんの企業研究の一貫になれば幸いです。
※お役立てになっていれば、よければ最後ポチッと「いいね」も押して閉じていただけると幸いですw
では、さようなら!
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