NiziUとか、K-POPとかオーディション番組から推し活について考える
こんにちわ、
昨今色々なアーティストオーディション番組が増えましたが、当たるも八卦当たらぬも八卦の如くオーディション番組は盛り上がっても、その後のアーティストはあまり盛り上がらないということになるなぁ、という印象を受けています。
もちろん番組やアーティスト情報が多くて追いかけきれないという点もありますが、そもそもアーティストが人気を得ていく秘訣はなんなのか?そこについて考えたことをまとめてみたいと思います。
まずアイドルを応援する活動は近年「推し活」というワードに変わりました。
とりわけ、下のNHKのインタビューの「なぜ私たちは推しにハマるのか?」という点が有益でした。
そして、どうして自分だけの推しができるのかという点については、下記のようなことを書かれています。
その上で、電通報では、推しに対してファンは3つの承認を求めていると書いています。
これらを要約すると、
『あるアイドルAが〇〇という目標をもって努力している。そんな姿は自分の心境であったり、夢とリンクすることがあり投影できる。そして、そのアイドルが成長して目標に近づいていくことを応援することによって、自分もそのアイドルと同じ達成感を味わうことができる。そのアイドルについて周囲から興味を持たれれば優越感だし、ましてやその「推し」から感謝を述べられるともっと幸せになる。』
こうした考え方なのではないかと思います。
つまり、応援するには、前提としてアイドルが自分たちの夢や目標を公示していくことが大事なのだと思います。その目標はなんだっていいです。K-POPだと音楽番組やCD売上で1位になることだし、日本のアイドルとかだと、武道館でライブすること、ドームツアーをすることかもしれません。坂道グループだと1位になってセンターを取ることかもしれません。またはYouTube100万再生したいとか、Xのフォロワー10,000人でもいいです。そして、それをSNSとかライブとか取材とかさまざまななところで発信する。
キングコングの西野亮廣さんが、著書「夢と金」でこんなことを書いていました。お笑い芸人でお客さんが一番集まるのは、テレビにたくさん出るようになる直前である。テレビにたくさん出るようになると露出と反比例的に客が減っていく。自分たちもテレビにたくさん出だしたら、一気にライブの客が減った。つまり、ファンからすると応援する理由がなくなったのである。そこで、「武道館でライブする」という目標を立てて発信していったら(もう一度応援してやるかという感じで)観客が戻ってきた。
同じような例で、「オードリーのオールナイトニッポン 10周年全国ツアー in 日本武道館」というのもそうした推し活を促す活動なのかもしれまっせん。ただラジオをやるのではなく、新たに挑戦することにより、リスナーは応援してやろうと思い観にいくのです。
つまりオーディション番組で人気を得るために重要なのは、その過程や面白さではなく、出演者の人間性をいかに深掘りできるかということにかかっているのではないかと思います。
近年のオーディション番組(とりわけKPOP)をみると、ただただ争うだけというのが多い気がします。そうすると、視聴者の判断としては、”この子の笑顔がいい””歌がいい””ダンスがいい”という要素が大きくなり、なかなか応援したいと思う人が見つかりません。審査員も褒めるか、酷評するというものであり、それぞれの相手(出演者メンバー)へのリスペクトがなかなか垣間見れません。
一方で、秀逸だなと思ったのは、NiziUのオーディションでした。
「Nizi Project」では、プロジェクトの責任者であるJ.Y. Parkが親身になって出演者と向かい合ったし、メンバー同志もお互いを尊重しあい、切磋琢磨しました。そして、そうした出演者の人たちの色々な側面を深掘りするためのスピンオフ番組や、スッキリ!の番組では、出演者がコメントをする。SKY-HIも同様でした。だからこそ、主催者が本気になって一人一人夢を持つ若い人たちと一緒になって夢を作っていくというテーマなので、それをみる視聴者は一緒になって応援しやすいし、ましてや.Y. Parkが褒めると、自分が興味を持った子はこれだけすごい才能があって努力っしてるんだ=応援しようと、なりやすかったのかもしれません。
さらには、これらが良かったのは通常の番組(Hulu)とは別の特別番組(スッキリ!)という体制や、様々な裏エピソードが切り出されて出ていたのもあったのかもしれません。
SKI-HIの方で述べると、自分のコミュニティで自分はどのように思ってこのオーディションを進めていたのかと言う話や、落ちたメンバーでさえも今後夢が続くように支援したということが書かれており、こうしたこともBE:FIRSTや関連メンバーを応援する契機になったのだと思われます。
※この本面白かったです。
最近、NiziUが韓国デビューしましたが、YouTubeのPVの視聴数は5800万回再生超え(23/11/17時点)だったりと想定以上の盛り上がりをみせました。これはひとえにNiziUが韓国デビューするという「夢/目標」を発表したことにより、それを応援したいと思うファン(マンネリ層含め)が一丸となって応援したからだと思います。もちろんJYPの本気度も桁違いだっということを触れておかなければなりません。
なお、オーディション番組での推しメンバーを決めていく過程で、もう一つ指摘したい点があります。
それは、日本人は自分自身の思いを発言することが苦手という本質です。多くの人が、心の中で”この人いいな”と思っても、本当にこの人を推していいのかな?と疑問に思うのではないかと考えます。
これはオーディション番組だけが事例になるのではなく、「テラスハウス」などの恋愛リアリティーショーや「月曜から夜ふかし」のようなVTR系のバラエティ番組、また、「ミライモンスター」のようなドキュメンタリー番組も同様と思います。
ナレーションやスタジオのゲストが登場人物について語ったり、応援したり、野次をすることによって、(自分も同じように感じた!!といった感じで)視聴者も一緒に応援しやすくなるのではと思います。
そして、すでにそのフォーマットに慣れ過ぎてしまった視聴者は、そうしたサポートがないと推しを決めれないのかもしれません。
補足でいうと、視聴者と出演者のバックグラウンドが近いと、容易に共感できるのではないかと思います。例えば、高校生の恋愛リアリティーを観る高校生は、多くの情報がなくても、見た目などの雰囲気や喋る方を見ただけその人の人となりが理解できるので、この人合いそうとか無理とかすぐに判断できるのだと思います。そうした点から考えると、韓国など海外のオーディション番組というのは、バックグラウンドも遠いですし、すぐに共感して応援/推すという行為はハードルが高いのではないかと思います。
ましてや、視聴者投票で合格者を決めますという風になっても番組コンテンツ自体は楽しめるかもしれないですが、視聴者は人間性よりも純粋のパフォーマンスのみを評価せざるおえなくなると思います。なんとなく良さそうの状態で投票しても、その時点だけで満足で、その先にはつながっていかないのではないかと思います。視聴者投票をやる時点で、どれだけその人に愛着をもてているかというのが重要だと思います。
次の述べておきたいのは、オーディション後のことです。
オーディションで生まれたアーティストは結成直後の発表曲は話題になりますが、その後の曲は右肩下がりしていくことが多い印象です。そこには夢の維持というのがいかに難しいかということが考えられます。
なぜならば、オーディションに臨むメンバーたちは、この新しいアーティストグループに入ることを目標としており、入った時点でそれが達成されるからです。そうすると、そのメンバーを応援する理由が薄れてしまいます。実際にNiziUも韓国デビューをする直前は、すこし人気が落ちていたようです。
一方で、アーティストとして売りやすいのは、事務所プロデュースのアーティストたちです。なぜならば彼らは、アジアNO1になることとか、明確に応援しやすい目標を掲げているからです。また事務所側も選ぶメンバーの個性がぶつからないよう(ファン被りにならないよう)に選びますし、選んだメンバーのバックグランドをしっかり説明します(インタビューや動画など)。ちなみに、韓国のカムバックという文化もただ間を置くというよりも、夢/目標の再設定という意味合いもあるのかもしれません。
そして、オーディションで選ばれたメンバーと異なり、メンバー同士の仲が良い、ということが言えます。
そう考えた時に、ジャニーズの秀逸さたるやと思っていました。ジャニーズでは、ジュニアの時代から様々なグループのバックダンサーとして活動し表に立ちます。さらにはジュニアのファンクラブもあります(一説には100万人とか・・・)。そこで、グループ結成前から、ファンの間ではなんとなく知られた子、頑張っている子として認知されます。
その後、頑張っているジュニアからグループが結成され、先輩のライブで登場したりし、人気を高め、デビューを目指します。そして、デビューの後は、武道館やドームであったりと先輩グループが辿った道を志して活動していくのです。そして、どんどん世代交代を行なっていきます。
応援する夢も明確でわかりやすいですし、完全にシステム化していると思います。
最後にオーディションに出演する年齢層についても触れておきたいと思います。推し活は夢を応援することと述べましたが、そうした意味では、若い人の方が圧倒的に優位です。例えば15歳から20歳へ成長していく姿と25歳から30歳へ成長していく姿は、視覚的に成長する具合が全く違います。視覚というのは、身体的に顔立ちであったり体つきです。そのため、応援しがいがあるのかなと思います。
ちなみにオーディションの種類としては、復活オーディションというのもあります。一度デビューしたがなんらかの理由で解散し、そうした人から選ばれて再デビューするというものです。こちらは、1度目のデビューでどれだけ認知を獲得したか?というのがポイントになりそうな気がします。いわゆる一世風靡したかどうか。そうでないと、視聴者としては新人と変わりないですし、年齢的な面でも不利になってしまいます。一度でも人気を獲得したことがあるのであれば、あの時頑張ってたけどダメだったのは知っている、けどこんなに頑張っているんならもう一度応援しようかなという人も多いのだと思います。
アーティストではないですが、「もう中学生」とか「なかやまきんに君」とかは、再ブレイクした姿をみると応援しようかなと思ってしまいます。
その上で、オーディション番組において必要ではないかと思う点をいくつか挙げて締めたいと思います。
その1 「オーディション番組最終話での次の目標設定」
オーディション番組最終話ではメンバー決定ではなく、その後の戦略や目標を提示してしまったほうがいい。そしてメンバーの目標の目線をオーディション合格から1段階上へ上げてあげることが大事だと思われる。
その2 「番組の裏側や人物の深掘り動画の充実」
オーディション番組だけでなく、いかに裏側コンテンツを充実させてあげるか。もちろんすでに「推しカメラ」や定点カメラなどのリアリティ?素顔を見せる素材はありますが、それだけではなく、動画やSNSを通じて、その人の人となりや目標、またバックグラウンドを丁寧に紹介してあげる。どうしてこのオーディション/アーティストを目指そうとしたのか?を理解し、またその人の挫折や苦労、さらにそこからの努力をしていることを知って応援しようと思うのではないかと思う。
その3 「第3者の応援団。テラスハウス方式」
バックグッランドが大きく異なり共感しずらい(海外の)番組であれば、例えば、日本の著名人による応援団結成とか、彼ら一人一人のドキュメンタリー動画とかそういう仕組み(VTRづくり)が必要なのではと思った。もしくは、途中でオーディション振り返り解説番組など。ただ単に、放映された番組の動画を切り貼りしてSNSにあげても感情は移入していかないと思われます。
きっかけづくりとしては、露骨に(出演していれば)日本人を応援するとかでも極論はいいと思いました。まずは、そのオーディションに出演しているメンバー1人でも多くに応援感情を抱ける仕組みがあればいいなと思いました。
以上です。
最近なんだかオーディション番組が多いな、でも成功ってどうなんだろうとつらつら考えてみたことを書いてみました。
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