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環境データを収集する③~屋外用の環境センサを作る(ラジエーションシールド)~
前回はセンサやマイコンモジュール、バッテリーなどの電子部品を接続しました。
今回は、これら電子部品を収納して雨風や日射を防ぐためにラジエーションシールドを作成します。
完成イメージ
完成イメージは以下の通りです。
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設計方針
ラジエーションシールドの設計方針は以下の通りです。
電子部品が雨で濡れることを防ぐ。
侵入してしまった雨水は、排水してシールド内に水が溜まらないようにする。
電子部品の発熱が温湿度センサの測定値に影響するのを防ぐため、外気と換気できるようにする。
(省電力化のため、ファンなどの強制排気は行わない。)風の吹き込みを防止することで、温湿度センサの測定値がぶれないようにする。
直射日光による温湿度センサ測定値への影響を無くすため、日陰で測定できるようにする。
設置面の熱や水たまりの影響を無くすため、浮かせて配置する。
設置は置くだけ。
手持ちの3Dプリンタで出力できるよう、部品寸法は15cm角以内とする。
部品の結合にはM3×10のタッピングネジを用いる。
太陽電池モジュールは両面テープで接着。
作成したラジエーションシールド
ラジエーションシールドの断面形状は以下のようになりました。
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ラジエーションシールドのお皿は、単純形状ですが3Dプリンタで作れるギリギリのサイズで8枚も作ったので結構時間がかかりました。
太陽電池モジュールの接着には、対候性が要求されるため、以下のテープを使用しました。
虫の侵入も防止する
電子部品への虫の侵入を防止するために、100均の排水口ネットで包みました。
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使ってみて
水色の折れ線が、今回のラジエーションシールドを用いて屋外で測定してみた結果です。
気象庁のアメダスのデータと比較してみると、温湿度、気圧についてはそこそこの結果が得られているようです。
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梅雨時の日射量が少なめの時期の測定結果ですが、太陽電池モジュールでの蓄電量に対して、消費電力が大きすぎることもなく、順調に連続測定できているようです。
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その後、数度の台風にも直面していますが連続稼働できる程度には水の侵入も抑えられているようです。
3Dモデル
今回作成した3Dプリントパーツは以下で販売してみました。よろしければどうぞ。