6/17 日米の経済サイクルが真逆にいる件(後編)
こんばんは、アトレです。
昨日は日本のCPIの内訳と為替が物価高に与える影響はさほど大きくはないのでは?という話を、根拠を交えながらしました。昨今のニュースの論調は円安が物価高の原因だ、という話が多くでておりますが、部分的には正解と思いますが、主要因ではないと考えております。
因みに、日本のCPIは一時期4%を超えていたのをご存じでしょうか?
23年2月が直近のピーク(4.3%)ですが、為替は130円台前半でした。しかもこれは円高がガンガン進んでいる中でのCPI上昇でした。
現在はCPIが2.5%、為替は160円弱ですが、円安と共にCPIの低下が進んでおり、為替との因果関係には疑問です。
さあ、今週は米国経済をさらっと解説していきます。
先週発表のあったPPIの結果をご覧ください。
市場予想値より低く出たという事で市場は楽観した結果でしたが、長い目で見ると昨年12月に1%を切って以降、上昇トレンドが続いており、今回は前月を少し下回ったものの、移動平均線(点線)は依然として上を向いている事が分かります。
また、減少した事で喜びを買ったPPIでしたが、中身を見ると、減少の太宗はエネルギーの下落によるもので、CPIでもおなじみの(変動の大きい)エネルギー、食料を除いた数値は先月から横ばいでした。
つまり基調的なインフレという観点で見ると収まっておらず、インフレ低下が意識されるのはもう少し明確なデータが出てからとなりそうです。
では、直近の米経済はどうなっているのか?
主な経済指標は1か月単位ですが、週間ベースで経済動向を数値化し、その強弱を測る指標にWEI(Weekly Economic Index)があります。
それを見ると、以下の通り、回帰分析(点線)は上向きで将来の上昇を予想、また、6/8の週は今年最大の数値を記録しており、足元の経済の強さを物語っております。
では、経済はそこそこ強くてインフレが再燃する可能性もあるという事は伝わったかと思いますが、実際に株価の方はその強い経済の中でどう動くか?
それを調べるには、セントルイス連銀の発表している金融ストレス指数があり、経済が強い時に金利が上がり、金融市場にどれだけストレスを与えているかが分かる指数があります。
赤線グラフがナスダック総合指数、青線が金融ストレス指数です。
見事な逆相関しているのが分かります。黒丸を見ると直近6月に入ってからストレス指数が上向きなのが分かり、株が逆に上昇しているので、ちょっと気になる動きです。いずれ株価が落ちるか、ストレス指数が軽減されるかの反応が起きそうです。
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