10/22 株価は下がり続けるの?? 相場サイクルから考える
こんばんわ、アトレです。
先週は珍しく株価が弱すぎて下落が止まらない相場でした。
このnoteでは初心者から中級者にわかりやすく解説し、相場のサイクルから今後の展開を予想していきます。ただし、株価は上下どちらにも動く可能性が常にあり、できる限り複数ストーリーで考察していきます。
さて、先週は株価の下落が止まらない一週間でした。銀行決算の週でしたが、過去数年間で銀行決算週でここまで下落した記憶がなく、むしろ上昇したパターンが多かったので、少し意外な展開でした。
週間で見ると、エネルギー、生活必需品、通信、レストラン、医療などがプラスで引けていますね。エネルギーは戦争に絡んだところもあって除外すると、その他は景気後退に強い銘柄であり、今週は「金利上昇によるグロース系銘柄への逆風」と「今後の景気後退への突入」が意識された週であったかと思います。
これに対し、大きく2つの見方があります。
一つは、欧州、中国で先行しているように経済が深く減速するパターンです。もう一つは、ただの調整局面と捉えるストーリーです。
私は現在8:2で後者の可能性を見ています。
株価については、EPSとPERの掛け算で構成されており、現在の株価の下げが主に長期債券利回りの上昇、具体的に言うと10年債利回りが5%を超えたという異常事態に対する反応であるかと思いますが、以下のCMEのサイトの示す通り、FRBは11/1のFOMCでの利上げを行わず、利率をキープするのがほぼ確実です。つまり、FRB主導での金利上昇は今後起きにくいかと思われます。
ちなみに、別の理由からも今後金利が落ちやすいかもしれないと思っております。以下は、2005~2009年のFF金利と国債利回りを並べたチャートです。
赤線=FF金利、青線:2年債利回り、緑線:10年債利回りですが、赤線のFF金利が横ばいになったタイミングで金利が短期(2年債)も長期(10年債)も共に下落し始めているのが分かります。
同じく、1999-2002年頃のチャートも見ても同様に、FF金利が横ばいになるとそれまで急騰していた金利が下がり始めているのが分かります。
つまり、現在もこのままFF金利横ばいとなる場合は、金利が反転下落しやすい条件が整うと考えてよいと思います。国債や債券ETFの魅力が増すかもしれません。ただし、過去と事なるのは、一気に金利を上げすぎた事で、米国の格付けが悪化する懸念や、米国の財政不安によって金利が上昇しやすい場面となっており、10月もGAFAM系の優良企業たちがあまりに強い決算を出したり、雇用に関する指標が強いと金利が上がりやすくなるので、「ここから金利が落ちる」と決めつけるのは早計かもしれません。
以下は、10年債利回りの日足ですが、金曜日は大きく下落して終えました。丁度上昇チャネルの上限付近でもあったので、ここから下落に転じてもおかしくない箇所でした。金利が本格的に反転下落するかは月曜からの流れに注目です。
そして、さらに興味深いのが以下の図です。これはリーマンショック前の時のFF金利(オレンジ)と、ナスダック(QQQ、ローソク線)を比較したものです。
白の縦線が利上げ停止時を指していますが、このタイミングまで株価は高い金利に押しつぶされ下落。以降急回復しています。これは金利の上昇が収まった事による逆金融相場の終わりという事で、中間反騰の形です。
その後、利下げ後に数か月して株価が暴落してるのも逆業績相場の典型であり、かなり美しい経済サイクルを体現したチャートだと思います。
つまり、何が言いたいか?今後仮にセオリー通りに金利が低下する場合、株化のバリューションが勝手に上がりますので株価が上がりやすくなるという訳です。
この時に肝心なのはナスダック100のFoward EPS(つまり一年後に期待できる収益)が下がってるか、横ばいかです。収益が横ばいで金利が下がるのであれば株価は上がりやすいです。一方、収益が下がる場合、金利が低下しても株価が下がる(通常それは結構ヤバい時)という事になり易いです。
1年後の期待収益が下がり、金利が下がる(つまり国債が買われる)というのは株から国債に資金が流れている時なので、通常はリスクオフとして市場参加者が資産を守る行動をとっている時なので、かなりまずいです。
上記の図を見ると、ナスダック100の収益は右肩上がりを継続しており、直近で下落が見られるものの、回帰分析の範疇に収まっており、この前提が崩れない限りは株価が一方的に下がる展開はやや考えにくいです。逆に今後の決算で収益の下方修正が続くなら懸念が高まりますね。
まとめ
〇長期金利の急騰が株価を押し下げたが、金利の上昇は止まる可能性が高まりつつある。
〇金利が反転下落する場合、基本株価にはプラスに働く。この際、EPSが下がる場合は金利と株が共に下がる可能性もあるので注意。
〇もし金利が下がり始めたら国債が買われるターンが来るかもしれない。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?