6/2 求人数から見る日米の金利解説 *日本株やっている人には必ず見て欲しい
みなさんこんばんはアトレです、今日はあまり投資系インフルエンサーが触れてこなかった指標について触れていきながら、投資の勉強をしていきたいと思います。あまりマニアックにならぬよう、初心者でもわかりやい説明にしてありますので、ご覧ください。
先週、日本株について書いた内容をまとめました。
●日本の実質金利はマイナスで推移中、マイナス期間はお金の価値が下落、株、不動産、仮想通貨などあらゆるリスク資産の価格が相対的に上昇しやすい。
*実質金利は「10年国債利回り」ー「10年期待インフレ」で計算します。インフレ進行中にマイナスになりやすく、現金の価値が「消費物」と比べて相対的に安くなりやすくなります。
●日本の主要企業の9割が現在の為替レート157円に対し、24年度の想定為替レートを150円未満で設定してあり、今のレートで推移した場合、業績が上振れしやすい。
つまり、「金利」と「業績」の両方の観点から日本株は強い可能性があるとお伝えしました。*実際は、米国株にかなり左右されるので、その影響もあります。
今日は、日米で大変気になる経済指標があったので、易しく解説していきます。
まずは以下をご覧ください。
これは、オレンジが日経平均のチャート、青が日本の長期金利(10年債利回り)です。相場サイクルが綺麗に体現されているので、見てみてください。
白枠で囲った最初のフェーズが4つの投資サイクルの中の逆業績相場です。この時の特徴は大きな経済ショックなどを伴い、株価が下がりながら金利も下がります。通常、金利と株価は逆相関するのですが、このフェーズは順相関します。
次のフェーズ(金融相場)では金利が低下していく一方で、低金利のお陰でお金の巡りが良くなり、株価が上がっていくフェーズです。
そして最後に現在のフェーズ(業績相場)ですが、経済が良くなったお陰でインフレが強まり、日銀の利上げが意識されるので、金利が上がっています。このタイミングでは株価との関係が再度、順相関になり、金利と株価が上がっています。相場サイクルが大変綺麗にチャートに現れていると思います。
セオリーで行けばこの後(いつになるか分かりませんが)、日銀の利上げや米経済の危機などで経済が一旦冷え込むフェーズに入るのですが、、、というのが今現在です。
次に以下をご覧ください。
これは日本のインフレを表すコアCPIの推移です。実は5月発表のコアCPIは1.8%でピークの半分くらいに落ちております。点線は回帰分析によって未来予測を加えたものです。飽くまで予想値になりますが、このままでは8月に1%を切る可能性がありますね。
⇒仮にCPIが1%切れば日銀は利上げどころではないのかなと思います。
日本は6月頃から大企業の賃上げの効果が出てくるとニュースなどで言われておりますが、今のところ、傾向としてはインフレは低下、経済も悪化傾向にあるかと思います。
以下のチャートは、1980年以降の日本の求人数の推移を示したものです。*敢えてトレンドラインを引いてあります。
ポイントは、、、
●求人数はかなりトレンドが出やすく、山と谷がはっきり傾向が出やすい。
●現在は求人数のピークをつけて下がり始めており、このまま一定の下落幅を記録する可能性が高め。
●求人数は下落しても過去の最低値を割る事は無く、仮に今回下落しても半減するようなレベルにならない(かもしれない)。
更に、求人数と日経平均株価の併記チャートをつけます。
青線=求人数、オレンジ=日経平均株価です。
求人数が下落を開始する前後でオレンジの日経平均も下落している場面が多い事が分かります(考えてみたら経済が悪いので求人が減っているで当たり前のことではありますが)。
現在日経平均は年初来、大変強い推移をしていますが、求人数の観点では23年1月にピークを打って1年半ほどやや低下しており、今後も減少傾向になるのであれば、株価の上昇も上値が限定的になるかもしれない、と歴史が示しており、警戒が必要かと思います。
<まとめ>
●海外投資家を中心に日銀の利上げを予測する見方が強まっているが、インフレは現在でも低下中。
●日本の経済は求人数が1年半程度低下しており、景気好調とは言えない。
●賃金上昇、求人増加が伴わないことには、株価の上値は限定的になるかもしれない。
次に、同じような指標で米国株を見ていきます。
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