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9/30 リセッションについて考察    今後半年以内に発生するかもしれない根拠

10/1に追記。
アトレです。今日も米国経済状況について書いていきます。私はかねがね、米国のリセッションは2024年春から夏にかけてだと予想しておりました。今回はその根拠について語っていきたいと思います。

*追記として、米経済は欧州、中国の悪化に反してまだまだ強さを維持しているようです。これは倒産件数などは伸びているものの、比較的大企業が高金利に耐えて、むしろ業績が改善している傾向があり、その為にリセッション(景気後退局面)に入るタイミングがまだまだ先となりそうです。

まずは、先日のレポートにて米国の景気先行指数について触れました。カンファレンスボードの発表する景気先行指数は様々な先行指数(企業の新規受注、失業保険申請件数)などから未来の景気感を予測するもので、通常はこれが景気の天井に対し、9か月先行すると言われております。現在は17か月連続でマイナスに至っているにも関わらず、いまだに景気が強いという記事を書きました。これについて深堀り検証を致しました。

幸い、この指標は前月と比較する指標なので、2019年12月というコロナ直前を100として、そこからの景気先行指数の実数推移を計算が可能だったのでやってみました。
2019年12月=100として
最小値  =2020年5月(87)
最大値  =2022年4月(108)*利上げ直後
平均値  =101
現在値  =97
この事から言える事は、コロナ禍で一旦景気先行指数は87まで13%ダウンするも、量的緩和で21年は大幅回復のバブル景気を迎え、FRBの利上げと共に経済の先行指数がピークをつけ、23年4月についにコロナ前の100を割り込み、9月現在で97まで悪化。つまり、17か月連続で悪化したとは言え、ようやくコロナ前の水準まで戻ってきた位なので、リセッションとなるにはまだ悪化が足りないという事のようです。

前月比推移から計算

私の推察ですが、この指標は今後更に悪化します。それは現在景気刺激策を打つタイミングでないし(インフレ再燃するため)、逆にFRBの施策によって高金利の維持が方針となっており、経済をもう少し冷ましてインフレ退治したいとの思惑があります。従い、悪化が続くと思われますが、おそらく95を切る辺りでは「マズイ」という雰囲気が市場に出てくるのではないでしょうか?と考えます。
景気先行指数がこのまま「前月よりもマイナス」という基調で推移した場合、おそらく24年Q1にはその辺りに到達します。

次に失業率です。
以下は米国の失業率の推移ですが、サームルールと言って、失業率からリセッションの時期を判定する基準があります。サームルールは1950年代以降、リセッションのタイミングを100%当てており、失業率の高まりからリセッション時期を推し量るというものです。

以下はサームルールの発動条件である過去12か月の失業率の最低値を、直近3か月の平均値が0.5%上回るとリセッションに突入するというものです。以下の図でいくと赤線部分を超えるとそれに該当します。見事に赤線を超えるとリセッションが到来していますね。現在はまだ少し赤線まで距離があるようです。*大体超える時は一瞬で超えてくる感じのようです。

引用元:株式マーケットデータ

そして以下は失業率の推移。棒グラフが失業率推移で、折れ線は3か月平均移動線です。過去12か月の最低値は3.4%。従い、直近3か月の平均が3.9%になるとリセッションになる確率がかなり高くなります。9月発表分が3.8%でしたが、もし今後仮に10月発表分が3.9%、11月発表分が4%になると、11月時点で平均値が3.9%となり、サームルール上はリセッション入りの可能性がかなり高くなるので、やはりこの3か月~半年以内に3.9%到達するのは可能性として十分にありそうです。

3か月平均のオレンジ線が3.9%に到達するとサームルールにてリセッション懸念が高まる

次に、イールドカーブです。

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