「保健室の先生って、大変ですよねえ」
「保健室の先生って、大変ですよねえ」
(びっくりするような話をしてくれ、という期待の籠もった目)
と聞かれることは、よくある。
学校職員であっても、保健室の仕事を隅々まで理解している人はいないんじゃないかな。管理職含め。
上司が部下の仕事を把握できない業界って、教育界だけじゃなかろうか。
それゆえに、見出しのような問いは、飲み会の席でもよく振られる。
私は、期待にこたえず申し訳ないが、「はあ、まあ、先生こそ担任持たれて、忙しいじゃないですか」と相手に話を振ることで、回避する。
だからつまらん奴だと会話のキャッチボールが止まってしまうこともある。
けれど、あまり「自分大変だよ話」は好きではないので話をしない。
実は、大変とはあまり思えないから。
びっくりするような話は腐って醸されるほどあるが、それを辛いとか苦労とか大変とは思わない。そういう形容詞では、ないなあ。
もっと、熱い感じ。
泣きながら笑うような、鼻水流れても喋り続けるようなアツい感じ。
学校は人間の集まりで、その家庭環境や肉体の持つ特性なんかを知る立場にあるので、見えてくるリアルな人生があるだけで。
それを理解した上でどう寄り添えるのか、悩むことばかりではある。
それゆえに、
「保健の先生になりたい生徒がいるんですよ!」
と言われると、困惑する。正直に、おすすめしないこともある。
看護師になってから教育大で単位とって成る方法もあるしーと明言を避けたり。
(同業者でも、温度が違うんだよなあ。)
どんなイメージなのか、なんとなく見える。
現実と理想とのギャップで、退職する方が増えてきているし。それは各々の人生であり、判断なのだろうけど、理想だけで「なりたいんです、どうやったらなれるか教えてください。」「どんな経験が必要ですか」と聞かれてもなあ。。。
なる人はなるし、ならない人はならずに、別のルートへ行くのだろうから、そんなに強くおすすめしないよと言わなくはなったけどね。
保健室の先生の仕事は、奥が深いので、清濁合わせてごくりと飲み込める胃袋的人間性が必要かと思います。
うーん、飲み込んでも下さない腹の強さも必要かなあ。
なんて、そんなものなくても、なんとかやってる人もいるかあ。