見出し画像

卒論&その他の授業

おはようございます。ポモナ4年のあさかです。
おととい、無事に期末テストが終わり、夏休みに突入しました!!私は、12月にする予定なのであと半年で卒業する予定ですが、私と同じタイミングで入学したさらは今学期に卒業する予定です。一緒に入学してきた友達が卒業してしまうのは本当に寂しいです、、、。

今学期は、ポモナだけでなく他の5Cでも授業を受けてみました。今学期は以下の4つの授業を受けました。

ECON172 Environmental Economics・環境経済学(ピッツァー大学)
ECON133 Game Theory・ゲーム理論(スクリップス大学)
MATH151 Probability・確率(ポモナ大学)
ECON190 Senior Seminar・卒業論文(ポモナ大学)

今回はそれぞれの授業の面白かった点について簡単に紹介しようと思います!!!


1)ECON172 Environmental Economics・環境経済学(ピッツァー大学)

この授業では、環境問題をどのように経済学を用いて解決するかについて学びました。特にカーボンプライシングについて主にフォーカスしました。

最近よくカーボンプライシングや炭素税という言葉を耳にすると思いますが、カーボンプラシングとは、排出するCO2に値段をつけることを意味します。例えば、炭素税では排出した分だけ税金を払わなければならないため、1トン当たりの排出に対して値段が付きます。もう1つの例として、Cap-and-Trade Systemというものがあります。これは、CO2を排出する各企業・団体にCO2排出量に制限を設けて、その分のCO2の排出量に許可証を設けます。許可された排出量を超える場合は、その企業は別の団体から許可証を買わなければなりません。逆に、CO2を許可された分以下まで削減できれば、その企業は許可証を販売し、お金を設けることができます。

こうして、環境問題に伴うダメージやCO2排出量をお金に換算することで、「お金を設ける=環境に優しい選択をする」ようにカーボンプライシングが発案されました。しかし、カーボンプライシングにもまだ多くの課題が残っています。例えば、Cap-and-Tradeをする場合、許可証の値段はいくらになるのか、誰がどのくらいの許可証を持てばいいのかなど、多くの揉め事が残ります。炭素税でも、もともと排出量が多い企業(工場など)と少ない企業(IT企業など)が同じ税金を払うことが公平なのか、という問題も解決しなければなりません。

公平でかつ効率的に環境問題に向き合えるようにどうすればいいかを考えるとても良い機会になりました。

2)ECON133 Game Theory・ゲーム理論(スクリップス大学)

ゲーム理論ではナッシュ均衡・シュタッケルベルグ競争など、ゲーム理論の基本を学びました。この授業では、Final Projectがあり、実世界で起こっていることをゲーム理論で説明する論文を書くという課題が出されました。私は、最近ポーカー にはまっていたので、ポーカーをゲーム理論で分析することにしました。

ところが、ポーカーを実際に分析するのは、想像を遥かに超えるほど難しいことでした。ポーカーの状況を紙に書くと、今まで授業で出題された問題よりもはるかに複雑な線ができ、とても大変でした。それでも教授に相談しながらポーカーの状況を整理し、無事に論文を書き終えました。とても達成感があった授業だと感じています。

3)MATH151 Probability・確率(ポモナ大学)

確率の授業で特に面白かったことは、統計学で学んだことを詳しくこの授業で学べたことです。よく「科学的な根拠に基づいた研究」など言われることがありますが、それと同じように、統計学では、statistically significantという言葉がよく使われます。これを日本語で直訳すると「統計的に有意」という意味になります。

ある物事が統計的に有意かを計算するために、p-valueという数値が使われます。もし、このp-valueが0.05以下であれば統計的に有意、0.05以上であればそうではないということが計量経済学では教えられました。しかし、計量経済学の授業では、実際にp-valueがどのように導かれるかは教わりませんでした。しかし、この確率の授業で、微積を使ってp-valueを導くことができ、とても感動しました。数学で学んだことと経済で学んだことが繋がり、とても興味深い授業でした。

4)ECON190 Senior Seminar・卒業論文(ポモナ大学)

私は12月に卒業する予定ですが、卒業論文は今学期に書き終えました。私の卒業論文は、「失業歴が賃金にどのように影響を与えるか」について書きました。パンデミックの影響で多くの人が職を失い、失業歴がある人がこれから増えることが予想されます。そこで、失業歴のある人とない人ではどのくらい賃金が違うのかをアメリカの国勢調査を使って調べました。

しかし、この研究では気をつけなければならないことが1つあります。それは失業歴のある人が賃金が低いのは失業歴のせいなのか、そもそも失業しやすい人は賃金が低くなる性質を持っているかを見極めなければならないことです。例えば、失業歴のある人の中には、大学を出ることができなかった人、そもそもパートタイムで働いていた人、人種的にマイノリティーである人が多いことが判明しました。もちろん失業歴のある人の方が平均賃金は低かったのですが、その理由を見極めるためには人種・出身地・性別・結婚または未婚かなど様々な要素も検討しなければいけませんでした。

そこで、2つの方法を使って失業歴が実際に賃金に影響しているかを調べました。1つ目は重回帰分析という方法です。これは、賃金をY、失業歴、性別、教育を受けた年数、年齢などをX1,X2,X3,…とおき、Y=a+B1X1+B2X2+B3X3+…という方程式に見立てて行う方式です。B1,B2,…が実際に失業歴、性別、教育などのXがどのくらい賃金Yに影響しているかを示しています。

2つ目の方法は、DiNardo-Fortin-Lemieux methodという方法で、失業歴のある人とない人が同じ割合の性別・教育年数などがあった場合、賃金は変わるのかどうかということを調べます。例えば、失業歴がある人と失業歴がない人が100人ずついるとします。しかし、失業歴のある人の中には、大学を出た人が10人いて、失業歴のない人の中には大学を出たことがない人が50人いるとします。その場合、DiNardo-Fortin-Lemieux methodでは失業歴があり、かつ大学を出た人の割合を5割に増やします。こうして失業歴のある人とない人の賃金の平均をもう一度出してみます。

このような分析を行い、失業歴は約17%賃金を下げるという結果が出ました。この研究を通して、データ分析について前より少し深く理解できるようになった気がします。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

今学期は授業を通して経済学・統計学・数学を中心にたくさんのことを学ぶことができました!説明があまりうまくできなかったのですが、少しでもポモナ(と5C)の経済学部の授業に興味を持ってくれれば嬉しいです!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?