見出し画像

知らないと損をするeBaymagについて解説してみた

こんにちは、eBay輸出コンサルタントの荒井智代です。今回は、セラーが覚えておくべきeBaymagとその注意点についてお伝えしていきます。eBaymagは売上アップを狙うための手段の一つですので、ワンランク上のステージに立つためにも、ぜひマスターしてくださいね。それではスタートです。


eBaymagとは?

eBaymagは、無料で使えるebay公式の多国展開ツールです。1回の出品で最大8ヵ国のebayサイトに同時出品でき、ebay.comへの出品を、eBaymagが自動で出品・翻訳・在庫管理してくれます。eBaymagの利用料は無料です。
https://ebaymag.com/

売上を30%UPできる多国展開とは?

まず多国展開とは何か、についてから解説します。
ebayは世界200か国に対応しているため、私たちがebay.comに出品すれば、配送可能にしている国のバイヤーは、その出品を見て、買うことができます。
だから、私たちはebay.comに出品しておけば、アメリカ以外の国のバイヤーからも購入される、世界を相手に商売ができるのです。
ebayはebay.comの他に以下のサイトなどがあります。

  • ebay UK(イギリス)

  • eBay DE(ドイツ)

  • ebay IT(イタリア)

  • ebay FR(フランス)

  • ebay ES(スペイン)

  • ebay AU(オーストラリア)

  • ebay CA(カナダ)

ドイツ人は主にebay.deを利用して、ebayでの買い物や販売をしています。フランス人は主にebay.frを利用して、ebayでの買い物や販売をしています。

ちなみに、日本にはebay.co.jpのイーベイジャパンのサイトがありますが、こちらは日本人セラーのサポートをするためのサイトなので、ebay.co.jpでは買い物や販売を行うことができません。ですので、日本人はebay.comを主に利用して、ebayの買い物や販売を行います。

話を例えばドイツに戻しますと、ドイツ人がebay.deでお買い物をしようとする場合、キーワードを入力して、商品を検索します。その時に、商品結果が表示される順番は、まずebay.deに直接出品された商品が表示されて、その下にebay.de以外のebay(例えばebay.comやebay.co.ukなど)が表示されます。

みなさんがネットで買い物する時をイメージしてもらうと、表示が上にあるものから見ていくのではないでしょうか。よって、より買われやすくなるのは、上位に表示されたものになるのはご理解いただけると思います。

ドイツ人にぜひこの商品を購入して欲しい!と思ったら、上位に表示されるようにする必要があって、そのためには、ebay.comに出品するよりも、ebay.deに直接出品する方が有利になります。

そのために、ebay.comだけではなく、ebay.deにも出品する!
これが、多国展開となります。今はドイツを例にお話しましたが、ドイツ以外にも、イギリス、スペイン、カナダ、オーストラリア、イタリア、フランスのebayに対しても同じことが言えます。

しかし、ebay.deなどの多国のebayに直接出品を実際に行うにはかなりの工程が必要です。ebay.comと別にebay.deで新規のアカウントを作成し、2つのサイトで重複商品とならないように発送除外国を設定して、かつ、どこかで売れたら他の国のebayの在庫を連動させる必要があります。これは、できないことではないですが、手動でやるのは結構大変なことです。

この手動では大変な作業。これを自動で行ってくれるのが、今回ご紹介するeBaymagになります。

eBaymagにできること

eBaymagで出来ることは主にこちらです。

  • 1回の出品で最大8ヵ国のebayサイトに同時に出品

  • 自動で出品・翻訳・在庫管理

  • eBaymagの利用料は無料

eBaymagを活用すれば、効率的かつ正確に商品を出品し、販売管理が可能です。出品作業の手間を大幅に省けるため、時間的余裕が生まれるというメリットもあります。

1回の出品で最大8ヵ国のebayサイトに同時に出品

他国のebayサイトで出品しようとすると、本来は、各国でのアカウント作成や、各国の出品フォーマットに従って、出品したい国数分の出品作業が必要です。

しかし、eBaymagを利用すれば、各国にアカウントを作成する必要がなく、ebay.comに出品する作業だけで、最大8ヵ国のebayサイトに同時に出品できます。 

自動で出品・翻訳・在庫管理

eBaymagを活用すると、自動で出品・翻訳・在庫管理ができるため、非常に便利です。 自動出品機能は、出品する商品情報を一度入力すれば、自動で複数の国のebayサイトに出品できます。

多国展開の手間が軽減され、効率的な販売活動が可能です。 翻訳機能は、タイトルや商品情報を自動的に各国の言語に翻訳してくれます。例えば、ドイツに出品する時はドイツ語に、スペインに出品する時はスペイン語に、自動で翻訳してくれるのです。

ebayでは英語が共通言語ではありますが、やはり自国の言葉で書いてある方が見やすいと感じるバイヤーも多いので、この自動翻訳はとてもありがたい機能です。

また、多国のebayサイトに出品している商品の在庫数を自動的に管理できます。例えば在庫が1つしかない商品を販売する場合、どこかの国のebayで売れたら、他の国のebayの出品の在庫を0にして、在庫切れによるトラブルを回避します。

eBaymagの自動出品、翻訳、在庫管理機能は、販売活動を効率化し、多国展開を容易にするために非常に便利な機能になります。

eBaymagの利用料は無料

eBaymagの利用料は無料です。ですので、翻訳も出品も無料で行ってくれます。

しかし注意すべきは、出品手数料は、アカウントタイプ(パーソナルかビジネスか)と、契約しているストアと、出品する国によって、無料出品枠の数が異なります。

現時点では、パーソナルアカウントの場合は、8カ国全てに無料出品枠がありますが、ビジネスアカウントの場合は、アメリカ・カナダ・オーストラリアのみに無料出品枠があり、その他の国は有料で出品することになります。

eBaymagでは勝手に有料出品はされないようになっているので、その点は安心ですが、ご自身のアカウントでは、どこの国に何品まで無料で出品できるのかを確認してみてください。

また、ebayでは通貨換算手数料が3%かかります。これは、eBaymagを通じて、例えばebay UK(イギリス)で売れた場合、ebayには売上金が£(ポンド)で一旦入金されますが、それをebay内でUSドルに通貨換算して、USドルになってから私たちのPayoneer口座に入金される流れになります。この通貨換算する際に通貨換算手数料が3%かかります。

この手数料については、eBaymagで出品する場合に、ebay.comの出品価格に対して+-の%で価格調整をする機能があるので、そこを活用すれば、手数料をセラーが負担しない設定にすることができます。

eBaymagを利用する際の注意事項

①Buy It Nowで出品したもののみ利用可能

eBaymagが利用できるのは、「Buy It Now」で出品した商品に限定されます。「Buy It Now」とは固定価格で商品を販売する方式で、即時購入可能な販売形式です。オークション出品には、eBaymagは適用できませんので注意してください。

②セリングリミット

ebayでは、出品する商品数や金額に制限があります。リミットは、出品者の評価や取引実績などに基づいており、ebayによって独自に設定されています。 

eBaymagで多国出品をする場合は、このリミットが多国出品した総数分必要になります。

例えば、ebay.comで100品/5万ドルの出品をしていて、これをドイツ・イギリス・フランス・オーストラリアにもeBaymagを使って出品したい場合は、

100品x5か国=500品
5万ドルx5か国=25万ドル
のセリングリミットが必要になります。

リミットが足りない場合は、まずはリミット内で出品して、その後にリミットアップ申請をしてみてください。

③Out of stock機能は自動でONになる

eBaymagを利用開始すると、自動的に「Out of stock」機能がONになります。多国の在庫連動をするために必要なものなので、普段Out of stock機能を使っていない方には違和感があるかもしれませんが、手動でOFFにしないように、必ずOut of stock機能はONにしたままにしておいてください。

④Veroポリシーに注意する

eBayでは、第三者の知的財産権保護、および知的財産保護プログラム(VeRO : Verified Rights Owner Program)を策定しています。
もし出品商品が知的財産権侵害の疑いがあると警告を受けた場合、出品商品は削除されるだけでなく、場合によってはセラーアカウントの制限や停止を受けることがあります。

eBaymagを利用して特にヨーロッパに直接出品をすると、ebay.comで出品しているだけの時よりも、Veroポリシー警告を受けやすくなる傾向があります。
出品者は必ずポリシーを確認し、違反行為を行わないように注意しましょう。 

⑤フランスへのEPR方への対応

フランスで販売する出品者は、EPR法に基づく手続きを実施しなければなりません。

"拡大生産者責任(EPR)法は、欧州全体で実施されている環境保護への取り組みの一環として、廃棄物管理の改善、ごみ埋め立て地の利用制限、リサイクル技術の活性化を促進するものです。こうした方策によって、セラーは製品のライフサイクル全体に責任を負うことになります。"

引用元:

リサイクルに必要な費用を負担するための登録手続きや、販売した製品に関する情報提供などが含まれます。EPR法への対応が不可欠なため、フランスに出品する際には注意が必要です。EPR法への対応ができていない方は、eBaymagからフランスへの出品はしないようにしてください。

⑥ドイツの梱包法への対応

ドイツは梱包法の対応が必須です。そのため、以下の方法で対応する必要があります。

  • LUCIDアカウントの登録

  • ドイツリサイクル業者契約

  • LUCIDとリサイクルライセンスの連携

  • eBayアカウントにLUCID ID登録

こちらは、ebay.comからでも「ドイツに販売するビジネスアカウントのセラー」は対応が必須となっています。まだ対応できていないビジネスアカウントのセラーは、ドイツへの出品をしないようにしてください。

・・・・・

今回はebay公式ツール「eBaymag」についてご紹介いたしました。

まだebayを始めていない方には少し複雑な内容だったかと思いますが、このように最新の情報を正確につかみ、ご自身の販売に活かしていくことは、売上アップを狙っていくためにはぜひ試していただきたいことです。

今回の内容については、Youtubeでさらに詳しく解説していますので、
こちらも合わせてご覧ください。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?