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サイバインコでアトピーを封印する

幼少期から苦しめられてきたアトピー
成人しても症状が軽くなることはなく全身から血が流れる日々
もうこんな生活やってられん

ここ1年は特にひどく、血よりも浸出液が傷口から大量に出てくる
血ならまだ抑えておけば固まってくれるが浸出液は次々と流れてきて止まる気配がない
傷口を治す成分とはいえダラダラ出続けるのは生活に支障が出るからなんとかしたい
そんな思いから、これからサイバインコと共に生きていこうと決めた


数年前、アトピーが重症の方向けの治験を受けないかと皮膚科の先生に言われた
交通費も出るし何より薬代もかからないとのこと
いつも変わらない薬を塗り続け、変わらない症状に辟易していた私は何か変わればと治験を受けることにした

治験薬は「サイバインコ」と呼ばれる新しいJAK阻害薬
製薬会社はコロナウイルスのワクチンも作っていたあのファイザー社

治験を開始する前に脱ステロイドするため、1ヶ月ステロイドを使用しない生活を送った
この1ヶ月は地獄だった。全身が荒れ放題で心も体も死んでいた。

その1ヶ月を超えて、最初は注射型のデュピクセントというJAK阻害薬を使用した。これはサノフィという別会社の薬。理由は知らん。
効果は抜群で全身がキレイになり痒みもなくこれが健常者の生活かと驚いたのを今でも覚えている
デュピクセント生活を数か月続けた後に飲み薬タイプの「サイバインコ」を投薬することになった
飲むのは1日2錠。ボトルを2つ渡され両方から1錠ずつ取って飲むとのこと
なんでそんなやり方なのかはプラシーボ効果による誤差を薄めるためらしい
同じ治験者同士でも0mg、100mg、200mg投薬の3パターンがあるので飲む薬が効果のない錠剤の可能性もあるとのこと
0mgの場合だとJAK阻害薬がなくなるわけでまた荒れに荒れるのでは…と震えた
幸いサイバインコ生活を続けてみたらデュピクセント生活と変わらずに快適な生活を送ることが出来た

一旦治験は終了したが薬が国に認められるまで時間がかかるので治験者を対象とした長期治験の方に移行した
飲んでいる間は本当にアトピーなんてなかったんじゃないか、アトピーなんてもう体から消えたんじゃないかというレベルで快適だった

とある理由により長期治験を降りることになりサイバインコ生活が終了した
このままアトピーが体から消えてないかなと期待をしたけど1ヶ月で治験前の体に戻った
アトピーからは一生逃れられないんだと悟った


サイバインコが国から認証がおりて一般の人でも使えるようになった
値段を調べてみると3割負担で200mgを1ヶ月で約64000円

なんだこの値段
私はこんな高価な薬を飲んでいたのか
月額で6万なんて家賃レベルじゃん
しがないサラリーマンにはとても手が出せる代物ではないことを知った

サイバインコが国から認証されて1年(だったはず)経ち、長期投与が可能となった
一度の処方で3ヵ月分を購入することができる
そのため、高額療養費制度の上限額を超えるため安く買えるのだ
私の場合は給与が平均年収レベルなので3ヶ月分を83000円ほどで買える(年収による)
つまり1ヶ月で27700円程度まで下がるので半額以下で買えるのだ
だけど正直これでも一般のサラリーマンには高い
一時的な支出ならいいんだけどこれからずっと飲み続ける必要があるので月額制の課金をするのと同じだ
どうしようかと悩んでいたが高額療養費制度には多数回該当という制度があることを知った
これを使えば4回目以降の購入時からはさらに半額の44000円くらいになる
44000円だと1ヶ月で約15000円まで下がる、これでアトピーに悩まなくて済むのならやらない手はない


と、ここまで考えておきながらサイバインコかデュピクセントのどちらにしようか少し悩みもした
治験でどちらも使って効果があることはわかっている
デュピクセントなら2週間に1回、自分で注射を打てばいいが保存方法が自宅の冷蔵庫で使用する時も常温まで待つ手間がある
サイバインコは錠剤で保存場所は気にせず携帯性にも優れるが毎日飲む必要がある
これらを比較してやはりサイバインコを選んだ。帰省やら旅行やらの時に注射を打つスケジュールを意識する必要がない方がいいなと思った


治験を受ける経験が出来て本当によかった
JAK阻害薬という薬の存在を知れたしアトピーに対する最終手段があるのだと知れた
アトピーは治らないし原因もわからないと言われる病気のため、ここまで効果のある薬と言われても半信半疑だっただろう
信じてみようとしても1ヶ月にかかる金額を見て反射で無理って言ってそうだ


めんどうな高額療養費の申請もマイナ保険証なら不要だしこれからサイバインコにお世話になろうと思う

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