ハワイアンオープン、この1打からPGAツアーにおける日本人選手の歴史が始まった
今から41年前、1983年のハワイアンオープン。
首位ジャック・レナーを1打差で追いかける青木功。18H(Par5)の第3打。ピンまで約130ヤードの左ラフから放たれたショットは、グリーンでワンバウンドしてからボールがカップに吸い込まれイーグル。
日本人初のPGAツアー優勝者になりました。アテスト中のレナーが呆然としていたのも忘れられません。
※翌年、レナーはプレーオフで優勝し、前年の”リベンジ”を果たしたのも印象的です。
今回はPGAツアー日本人選手優勝をまとめてみました。
1.青木功
1983年 ハワイアンオープン
前述の通りなので、省略します。
2.丸山茂樹
2001年 グレーター・ミルウォーキー・オープン
2000年からPGAツアーで戦うことになった丸山、チャールズ・ハウエルⅢとのプレーオフを制し、日本人初のアメリカ本土開催のPGAツアー優勝者となりました。
2002年 ベライソン・バイロン・ネルソン・クラシック
上位にタイガー、エルスなど強豪がいる中、自身が持つ最大の武器・アプローチショットが冴え逃げ切り優勝。日本人初のPGAツアー複数回優勝者になりました。
2003年 クライスラー・クラシック・オブ・グリーンズボロ
初日からスコアを伸ばして快調な試合展開に持ち込み、終わってみたら2位に5打差をつける快勝で、3年連続PGAツアー優勝を達成しました。
3.今田竜二
2008年 AT&Tクラシック
単身で渡米しジョージア大学に進み、大学時代には全米大学ゴルフ選手権の団体で優勝。大学2年で中退し、プロの道に進みました。
翌年からはPGAツアーの下部、バイ・ドットコムツアー(その後ネーションワイドツアー、ウェブドットコムツアーに名称変更、現コーンフェリーツアー)を主戦場とし、2005年にPGAツアーメンバーになりました。
丸山と同様にアプローチに定評のある選手で、長所を生かし翌シーズンからはツアーカードを保持できるところまできました。
2007年のAT&Tクラシック、4ラウンド終わって首位に並びプレーオフ。しかも相手はその年マスターズを制し好調のザック・ジョンソン。
惜しくもプレーオフ1H目(18H・Par5)、第2打が池に捕まり万事休す。初優勝はお預けとなりました。
しかし翌年、またプレーオフ決着となった本大会では相手のケニー・ペリーを倒し、日本人選手3人目のPGAツアー優勝者となりました。
4.松山英樹
2014年 メモリアル・トーナメント
ツアールーキーで前週のクラウンプラザ・インビテーショナルでも優勝争いを演じ、惜敗ながらも自信を掴んだ松山。
最終日に一時単独首位に立つも、16H(Par3)でティーショットが池に入りダブルボギー、そして17H(Par4)でもボギーで一歩後退。
1打差を追いかける18H(Par4)、第2打をピンに絡めバーディーを奪い、プレーオフに持ち込みます。
ケビン・ナとのプレーオフ、18Hでナのティーショットがクリークに入ったのに対し松山はパー。日本人選手4人目のPGAツアー優勝者になりました。
プレーオフ後、この大会ホストのでもあるジャック・ニクラスとの握手が印象的でした。
2016年 ウェイストマネジメント・フェニックスオープン
大ギャラリーが詰めかけるフェニックス。リッキー・ファウラーとの長いプレーオフになった4H目(17H・Par4)、ファウラーが池に落としダブルボギーを叩いたのに対し、松山がパーで優勝。
丸山以来、日本人選手2人目のPGAツアー複数回優勝者となりました。
2016年 WGC・HSBC選手権
終始好調なショット、パットが噛みあい2位に7打差をつける圧勝劇、丸山に並ぶ、PGAツアー通算3勝目、日本人初WGCシリーズ初優勝者となりました。
2017年 フェニックスオープン
2年連続でプレーオフとなった本大会、対戦相手のウェブ・シンプソンをこれまた昨年と同じくプレーオフ4H目(17H・Par4)、シンプソンがパーに対し松山はバーディーを奪い、日本人選手最多のPGAツアー通算4勝目、そして日本人選手初の同一シーズンPGAツアー複数回優勝者、PGAツアー同一大会連覇を達成しました。
前年は”敵”で容赦ないブーイングを送り続けた大ギャラリーも、”味方”についてくれるようになりました。
※プレーオフに負けた2人ですが、この後フェニックスオープンの歴代優勝者となりました(2019年ファウラー、2020年シンプソン)。
2017年 WGC・ブリヂストン招待
2打差の4位で最終日を迎えた松山、この日は1イーグル7バーディーの9アンダーをマーク。終わってみれば2位に5打差をつける圧勝でツアー通算5勝目、WGCシリーズ2勝目を挙げました。
また日本人選手最多PGAツアー同一シーズン3勝目になりました。この記録は現在も破られてません。
2021年 マスターズ
(試合内容は割愛します。)
日本人初のマスターズ優勝者となり、PGAツアー通算6勝目を挙げました。
2021年 ZOZOチャンピオンシップ
日本で開催される唯一のPGAツアーで、最終日最終H(Par5)の第2打がピンを刺すスーパーショット。イーグルパットも見事に決め、ツアー通算7勝目を挙げました。
2022年 ソニーオープン・イン・ハワイ
最終日バックナインを迎えるまで、首位ラッセル・ヘンリーと5打差があったのを追いついてプレーオフに。
そしてプレーオフ1H目(18H・Par5)、松山の2打目がピン手前90センチにつけるミラクルショット。イーグルを決めてシーズン2勝目。
そしてアジア人としてPGAツアー最多優勝記録者、チェ・キョンジュ(K・J・チョイ)に並ぶツアー通算8勝目を挙げました。
5.小平智
2018年 RBC・ヘリテージ
最終日、首位と6打差12位タイからスタートした小平。
7バーディー2ボギーの5アンダー66で先にホールアウトすると、悪天候のためか後続が伸びず、キム・シウーとのプレーオフになりました。
そして迎えたプレーオフ3H目(17H、Par3)、先にバーディーを決めた小平に対しキムはパー。日本人選手5人目のPGAツアー優勝者となりました。
これまで5人の日本人選手が優勝したPGAツアー、今後人数が増えて欲しい物です。