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LIVゴルフ2024シーズン終了

 全14戦あるLIVゴルフ2024シーズンが終了しました。
 いろいろとあったLIVゴルフ、まとめます。


1.個人戦

〇リーグデビューで即個人戦優勝、ジョン・ラーム

 LIVゴルフ第13戦・シカゴで、ジョン・ラームがホアキン・ニーマンとセルヒオ・ガルシアに3打差をつけリーグ個人戦今季2勝目を挙げ、ポイントランク1位となり、移籍初年度でいきなり年間王者となりました。
 1試合足指の化膿症による痛みで棄権したのを除くと、すべての試合でトップ10入りという安定した成績を残し続けたのも大きかったです。

〇”ドロップゾーン”に入った選手たち

 LIVゴルフで最も厳しいと言われる”ドロップゾーン”。
 年間の個人戦ポイントランクで49位以下の選手は、自動的に来シーズンのLIVゴルフリーグに参加することができません。
 カル・サモージャ、ブランデン・グレース、ババ・ワトソン、ビンセント兄弟(スコット・キーラン)の5選手が対象となりました。
 ただレンジゴーツのキャプテンであるワトソンに関しては、”興行として”プレーすることは可能であり、株主制であるキャプテンの座を明け渡すこともありません。

〇来年が確約できない”オープンゾーン”

 LIVゴルフで来年も同じチームで戦うためにはランクで24位以内に入らなくてはならず、25位から48位までの選手は”オープンゾーン”と呼ばれる、チーム間のトレードや放出などもあるがプレーが可能というくくりに香妻陣一朗も入りました。
 そして翌週の団体戦を迎えますが、ここで”事件”がいろいろ起きました。

2.団体戦

〇団体戦のフォーマット

 まず今年の上位3チーム(クラッシャーズ、リージョンXIII、リッパーズ)がシードされ、残る10チームによる対戦を行います。
 シングルスのマッチプレー2試合、ダブルスのマッチプレー1試合の3試合で勝ち数の多いチームが勝ち上がります(初日で5チームが敗退)
 2日目はシードの3チームと初日勝ち上がった5チームの計8チームで、初日と同じマッチプレー3試合で勝ち数の多い4チームが最終日に、チーム戦の優勝をかけて争われます。
 最終日はチーム4選手のストロークプレー、全員のスコアを採用し優勝を争います。
 2日間勝ち上がった4チームをティア1とし、最低でも4位になれます。
 2日目に負けた4チームは5位~8位を争うティア2、初日に負けたチームは9位~13位を争うティア3に入ります。

〇いきなりの波乱、個人戦優勝のラームがインフルエンザの為最終戦を欠場

 今シーズンの最終戦を前に、寝耳に水の一報が入りました。
 個人戦を優勝したラームがインフルエンザにかかり欠場を表明。リージョンXIIIのキャプテンをティレル・ハットンに変更し、ジョン・キャトリンがラームの代役を務めることになりました。
 そして開幕したチーム戦による最終戦、またまた”事件”は起こります。

〇”お荷物”アイアンヘッズの大逆襲

 今シーズンの団体戦で圧倒的に最下位だったアイアンヘッズ。
 ケビン・ナをキャプテンに、ダニー・リー、香妻、そしてスコット・ビンセントの4名を揃えたチームです。
 団体戦はトップ3おろかトップ5にも入ることはなく、13チーム中唯一のポイント1桁(9.33)。
 2倍にしても12位のハイフライヤーズのポイント(20.83)に届かないという、まさに”お荷物”チームの象徴でした。
 初日はチーム戦4位のスマッシュ(132.5ポイント)との対戦、ブルックス・ケプカがキャプテンです。
 シングルスのマッチプレー2試合はケプカ対ナ、リー対テイラー・グーチ、そしてダブルスのマッチプレーは香妻、ビンセント組対ジェイソン・コクラック、グレーム・マクダウェル組に決定しました。
 キャプテン同士の対決はケプカの圧勝(6&5)、リー対グーチはリーの1UPで1勝1敗。勝負はダブルスのマッチプレーに委ねられました。
 13Hを終わりコクラック、マクダウェル組が2UPでリード。順当にスマッシュが2日目に進む空気が漂い始めました。
 しかし14H(Par3)、ビンセント起死回生の一打が出ます。

 なんとビンセントのティーショットが、ホールインワンになるという奇跡的な出来事が起こり1Downに戻します。
 15H(Par4)も取りマッチイーブンになりますが、最難関の18H(Par4)で大ピンチ。
 これを外せば敗退が決定するところを、香妻がパットを決め勝負はエクストラホール(延長・サドンデス)に持ち込まれました。

 そしてサドンデス1H目、またも香妻がパットを決めてアイアンヘッズの勝利を手繰り寄せました。

 初日にチーム戦5位のスマッシュを下したアイアンヘッズ。2日目は更なる難敵が待ち構えています。
 昨年チーム戦に優勝し連覇がかかる、ブライソン・デシャンボーがキャプテンのクラッシャーズが相手です(208.50ポイント)。
 クラッシャーズは今シーズンも1位を走り、連覇の期待も大きいです。
 シングルスのマッチプレー2試合はリー対デシャンボー、ビンセント対ポール・ケイシー、ダブルスのマッチプレーは香妻、ナ組対アニルバン・ラヒリ、ハロルド・バーナーⅢ組対に決定しました。
 いざフタをを開けてみると、当初の光景とは違うものに。
 リー対デシャンボーは2UPでリーの勝ち、ビンセント対ケイシーは1UPでビンセントの勝ち、そしてダブルスは香妻、ナ組は3&1でラヒリ、バーナー組を退け、なんとクラッシャーズに快勝し最終日団体戦優勝をかけて戦うことになりました。
 その他リージョンズXIII、キャメロン・スミスがキャプテンのリッパーズ、そして団体戦初代優勝のダスティン・ジョンソンがキャプテンのフォーエースと争います。

〇アイアンヘッズ最後は力及ばず、団体戦優勝はリッパーズ

 最終日のストロークプレー、最後の最後まで優勝がわからない展開となりました。
 前半を終了し、リッパーズが6アンダーで首位。1打差にフォーエースとアイアンヘッズがつけ、首位と5打差にリージョンXIII。
 一時はアイアンヘッズは単独首位に立つこともあり、”最大の下剋上劇”が起きるかとも思われました。
 しかしオーストラリア勢で固めたリッパーズ、キャプテンのスミスがここぞというところで長いパットを決めます。

 そして最終日絶好調だったのが、今年からLIVゴルフに加わったルーカス・ハーバート。
 ここぞのチャンスで決めた2つのパットが印象的です。

 結局4人のトータルスコアは11アンダーで終了、2位のフォーエースとアイアンヘッズに3打差をつけ3代目のLIVゴルフ団体戦優勝チームとなりました。

 優勝が決まった瞬間、スミスのもとにシャンパンを持って駆けつけるハーバート、マーク・リーシュマン、マット・ジョーンズは喜びを爆発させ、シャンパンファイトを楽しみました。
 母国の大先輩でもあるLIVゴルフCEO、グレッグ・ノーマンも大喜びのことでしょう、

 優勝したリッパーズにはチームとして1400万ドルが贈られ、このうちの60%はチームの運営費として充てられます。
 残り40%が選手に支給されるので、総額の10%が貰えます。
 つまり一人140万ドルです。
 2位タイになったフォーエースとアイアンヘッズには総額700万ドル、4位のリージョンXIIIは総額400万ドルが贈られます。

3.アイアンヘッズのこれから

 チームの誰一人も個人戦24位以内に入れなかったアイアンヘッズ。
(ナ:33位、リー:38位、香妻:45位、ビンセント:50位)
 ビンセントはドロップゾーンのため来年は参加できず(再び出るためにはファイナルをまた勝ち抜く必要あり)、ナはオープンゾーンでありながらもキャプテンということもありチームには残るでしょう。
 ただナとしては韓国人選手で固める予定があるため、リーを残留させる方針ですが、問題は香妻です。
 新たな韓国人選手を迎えるとなれば”用なし”の香妻ははじき出され、次のチームを探すことになります。団体戦に大きく貢献したにも関わらずです。
 ただLIVゴルフに入りたい韓国人選手が現状いるのかというのも事実。PGAツアーでまだまだ戦いたいトム・キムやイム・ソンジェ、そしてアン・ビョンホンを説得できるのか、懸念点が付きません。
 今後の動向に注目です。

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