前途有望なアマチュア、ニック・ダンラップ
今週開催されているPGAツアー、ザ・アメリカンエクスプレスでアマチュアのニック・ダンラップが快進撃を続けています。
プロアマ競技でもあるこの大会、ダンラップの組は”アマ”4人で回ることになりますが、2日目を終えて首位と2打差の3位タイにつけています。
そして3日目、1イーグル10バーディーの12アンダー60で回り、トータル27アンダー。2位と3打差で最終日を迎えます。
1.プロフィール
出身 アラバマ州ノースポート
生年月日 2003年12月23日(20歳)
大学 アラバマ大(現在2年)
戦績 全米ジュニア優勝 (2021年)
全米アマチュア選手権(2023年)
※全米ジュニアと全米アマチュア両方優勝したのは、タイガー・ウッズ以来史上2人目の快挙
世界アマチュア選手権 2023年米国代表
団体:優勝、個人:2位
ウォーカーカップ 2023年米国代表
(米国対英国のアマチュアゴルフ対抗戦)
2.ダンラップのスイング
インパクト後の動作が、特徴的な所があります。
しかしよどみのない、きれいなスイングです。
3.ダンラップとサージェント、お互いを知る存在
ダンラップの1学年上には、ゴードン・サージェントというこれまた将来が有望視されるアマチュアがいます。実は2人とも同じアラバマ州出身です(サージェントはバーミンガム)。
1つ年が離れていますが、同じ郷土でのライバル達は順調に育ってきています。
昨年の全米アマ、決勝トーナメントのマッチプレー1回戦で2人が対決し、ダンラップが勝利。それが勢いになったのかこのままダンラップが頂点まで登り詰めました。
そのとき、サージェントはダンラップにこの言葉を送っています。
「もし自分が他の誰かに負けるなら、フィールドで最高のプレーヤーに負けたいです。そして自分が負けた後、彼は最高の選手だと感じました、そして自分も彼にそれを知ってほしかったのです」。
そして昨年のウォーカーカップ、2人がペアを組んで米国の勝利に貢献してきました。それは10年前、ジョーダン・スピースとジャスティン・トーマスの関係とそっくりだという人もいるくらいです。
4.ダンラップがもし優勝したら
〇ザ・アメリカンエクスプレス優勝におけるフェデックスカップ500ポイントと、優勝賞金は貰えない。
(賞金は順位によって繰り下がるが、ポイントは繰り下がらない)
〇明日以降プロ転向(ツアープレーヤー宣言)したら、以下の特典がある。
●2年間のツアーカード
●今年のマスターズ、全米プロ出場権
●残り7試合のシグネチャーイベント出場権
●2025年開幕戦、ザ・セントリー出場権
〇もし2024年中にプロ宣言せずにアマチュアで活動した場合、2024年シーズン終了後の30日間でプロ宣言すれば2025年のツアーカード及び、ザ・セントリーの出場権を獲得できる。
5.週末、一気に人生が変わるか
PGAツアーでアマチュア選手が優勝したのは、1991年のノーザンテレコムオープンで当時アリゾナ州立大在学のフィル・ミケルソンが優勝して以来、一度もありません。
アマチュアで好成績を収めたら、即プロ転向という流れが多かったこともありますが、選手層の厚いプロのPGAツアープレーヤーにはなかなか敵わないといったところでしょうか。
これでもしダンラップが33年ぶりの快挙を達成した場合、また世界のゴルフ界が大きく変化することは間違いありません。
現在大学2年のダンラップが、即プロ転向宣言も考えられます。
そうなると2年間のツアーカード、そして残りのシグネチャーイベントに出場できます。
でもプロ宣言してしまうと、全米アマでの優勝特権である今年のマスターズをはじめ、メジャー出場権が喪失されるという兼ね合いもありますから、すんなりと宣言できるのかということもあります。
いずれにしても週末どんな結末を迎えるのか、ダンラップにかかる期待が高まります。