2024PGAツアー メキシコオープンatヴィダンタ
1.日程及び会場
〇日程 2024年2月22日~25日
〇会場 ヴィダンタバジャルタ(メキシコ)
〇全長 7456Y(Par71)
2.結果
優勝 ジェイク・ナップ -19
(PGAツアー初優勝)
2 サミ・バリマキ -17
T3 ステファン・イエガー -14
T3 C.T.パン -14
T3 ジャスティン・ロウワー -14
T6 パトリック・ロジャース -13
T6 ロバート・マッギンタイヤ -13
3.回り道も無駄ではなかった、ジェイク・ナップがPGAツアー初優勝
第3ラウンドで首位に立ち、2位に4打差をつけ最終日を迎えました。
御多分に漏れず首位スタートの緊張があったのか、前半はバーディーを奪えず1ボギーでバリマキに並ばれたサンデーバックナイン。
14H(Par5)でラフを渡り歩いたナップがバーディーに対し、フェアウェイを外さなかったバリマキがパー。
ここが勝負の分かれ目になりました。
ナップは残り4Hを難なくパーを重ね、嬉しい初優勝となりました。
〇29歳の苦労人ナップ、これがルーキーイヤー
2016年にプロ転向し、PGAツアーカナダで2019年に3勝を挙げました。
2020年コンフェリーツアーに昇格しましたが、なかなか芽が出ず他の仕事を兼任することもありました。
ナイトクラブの用心棒をやっていたこともあります。
昨年コンフェリーツアーポイント13位に入り、今年からPGAツアーに出場することになった、29歳のルーキーです。
腕っぷしに特徴があります。
〇1週間で”別人”に
この優勝でマスターズ、全米プロ2つのメジャーとシグネチャーイベント残り5試合の出場権、そして来年から2年間のツアーカード一挙に獲得したナップ。世界ランクも52位まで上昇します。
これまでウェイティングリストを気にしながら、PGAツアーに出場していたナップでしたが、来週からはいろいろと余裕をもって試合に臨んで行けそうです。
4.フィンランド人PGAツアー初優勝はまたの機会に、サミ・バリマキ
25歳とは思えない風貌のバリマキ。
前半ナップがもたつく中、バリマキが1イーグル1バーディーで追い上げ一時はトップを並走しました。
しかし後半なかなかチャンスにつけることはできずにナップの独走を許し、単独2位で終了しました。
フェデックスポイントが300ポイント獲得できることで、スウィング5の資格で次のシグネチャーイベント、パーマーインビテーショナルに出場できることが濃厚となりました。
フィンランド人選手初のPGAツアー優勝はお預けとなりましたが、今後に期待が持てます。
〇北欧勢の躍進
これまではパーネビック、ステンソンのスウェーデンが主だった北欧勢でしたが、現在は規模が拡大してきています。
スウェーデン勢もオーベリ、ノーマンを中心にノレン、ノーランダー。ノルウェーはホブランド。デンマークはホイゴー兄弟(ラスムス、ニコライ)とオルセン。そしてフィンランドのバリマキ。
あっという間に一大勢力まで押し上げてきました。
若い選手が揃っていることもあり、今後ライダーカップ欧州代表の中軸になるといっても、過言ではないでしょう。
5.雑感
〇DPワールドツアーおよびコンフェリーツアー昇格組のサバイバル
今年から、昨年のDPワールドツアー(レーストゥドバイ)上位10選手にPGAツアーカードが渡されるようになりました。
その結果、PGAツアーの出場順位が以下のようになっています。
・昨年のコーンフェリーツアーポイント1位の選手
(ベン・コールズ)
・昨年のDPワールドツアー(レーストゥドバイ)上位10選手
※すでにカードを持っている選手は除く
・昨年のコンフェリーツアーポイント2〜30位の選手
・Qスクールファイナル上位5選手
この4カテゴリーを昨シーズンの順位ごとに出場順位のランク付けを行い、獲得したフェデックスカップポイントによる、出場順位のリシャッフルをシーズンで2回行います(マスターズ前後とツアー選手権後)。
DPワールドツアーのリスト8番目(当時)にいたパヴォン、コンフェリーツアーポイント7番目(当時)にいたマレーはすでにPGAツアーの試合で優勝したため、このリストからは外れます(PGAツアー優勝者のカテゴリーに昇格)。
そしてコンフェリーツアーポイント13番目にいたナップが、本大会の優勝をもって”卒業”しました。
DPワールドツアー昇格組が新たに入ってきた影響が、Qスクールファイナルを突破した5選手に影響を及ぼしました。
今までならばソニーオープンから出場できるものが、出場順位が回らなくなったためマンデートーナメントを受けざるを得ない状況に。
結局ザ・アメリカンエクスプレスからの出場という選手が大半で、今のところ2試合しか出場していない状況です。
もし中島啓太がQスクールに受かってここにいたらどうなっていたのか、考えてしまいます。
ここでのサバイバルを勝ち抜いて今回優勝したナップ、そしてマレーやパヴォンを見て「俺達にもできる」と思った選手はたくさんいるでしょう。