BCP(事業継続計画)の作成で、後継者に経営経験を積ませる!
こんにちは、いつも事業承継専門事業のアップオンコンサルティングのブログをお読みいただき誠にありがとうございます。
次期社長が、BCPチームの長となりBCPの運用を任せる事で、後継者が経営の経験を積み、現社長が次期社長に事業承継を任せたいと前向きになれるようにするにはどうしたらいいのかを考えてみたいと思います。
未来のリーダーとしての一歩
事業承継を考えるタイミングにおいて、後継者の育成は最も重要な課題の一つです。特に、長年会社を率いてきた現社長にとって、自ら築いてきた会社を誰に、どのように託すかは、深刻な悩みであり不安材料です。多くの社長は、「息子や後継者が本当に会社を引き継ぎ、成長させていけるのだろうか」という懸念を抱えています。この懸念を和らげ、次期社長が確実にリーダーシップを発揮できるようにするための有効な手段の一つが「BCP(事業継続計画)の作成」です。
BCP(事業継続計画)は、企業が自然災害や経済危機などの非常事態に直面したとき、事業を継続し、被害を最小限に抑えるための重要な計画です。この重要なプロジェクトを次期社長に任せることで、彼は会社全体の仕組みを深く理解する機会を得ます。そして、このプロセスにより、会社の全体像を把握し、次世代リーダーとしての自覚が芽生えるのです。また、BCP作成の過程で培われる経験は、次期社長にとって会社を守るための大きな責任感と実務力を養う貴重な成長機会でもあります。
BCP作成を通じて会社全体を把握するプロセス
BCPの作成は単なる書類の作成ではなく、会社のあらゆる側面に関わる分析と計画を求められます。次期社長は、各部署のリーダーや従業員と協力し、会社全体の機能を見直すことが不可欠です。このプロセスを通じて、彼は普段の業務では見えづらい各部門の業務フローや課題に対して、より深い理解を得ることができます。
例えば、生産部門が抱えるリスクや、営業部門の顧客対応の仕組み、バックオフィスのデータ管理体制といった、日常の経営においては見過ごされがちな細かな部分も、BCP作成を通じて明確に把握できます。こうした情報の積み重ねが、次期社長にとっては会社全体を俯瞰する力を養う絶好の機会となります。また、リスク管理を進める過程で、次期社長は組織の各メンバーとコミュニケーションを図りながら、彼らの持つ課題や希望をしっかりと聞き取ることが求められます。この過程で、次期社長は会社全体を指揮するというリーダーシップを自然と育んでいくのです。
会社の仕組みを深く理解するための具体的な取り組みとは
BCP作成を次期社長に任せる際には、彼が全社的なリーダーとして行動できるようにサポートすることが重要です。BCPの策定に際しては、以下のような具体的な取り組みが有効です。
現状分析とリスクアセスメント: 次期社長はまず、現状分析とリスクアセスメントを行います。これは、会社の各部署が抱えるリスクや、将来的に直面する可能性のある危機的状況を洗い出すプロセスです。現場のリーダーや従業員とコミュニケーションをとりながら、各部門の課題や強みを把握し、リスクを適切に評価していきます。この段階で、次期社長は会社の実情を深く理解するための土台を築きます。
リーダーシップの発揮: 次期社長は、BCP作成の過程でリーダーシップを発揮し、各部門の意見をまとめ、最善の策を導き出す役割を担います。部門間の調整や合意形成を進めながら、会社全体のリスク管理戦略を立案します。このプロセスを通じて、次期社長は他者の意見を尊重しながらリーダーとしての判断力を鍛えていきます。
3.具体的なアクションプランの作成: リスク評価を基に、次期社長は具体的なアクションプランを作成します。自然災害やサイバー攻撃など、予期せぬ事態に備えるための対策を立案し、必要なリソースや役割分担を明確にします。この過程で、次期社長は会社全体のフローや資源の使い方について深く理解し、実際の運用に反映させる力を養います。
リーダーシップの育成と責任感の芽生え
BCPを作成する過程で、次期社長は会社を守るための具体的な責任を負うことになります。災害や危機的状況に直面した際、どのように会社を存続させ、被害を最小限に抑えるかを考え、具体的なプランを立案するという経験は、次期社長にとって初めての大きな試練とも言えます。この過程で、彼は経営者としての視点を持つようになり、将来的に会社を導くリーダーシップを発揮するための土台を築いていきます。
具体的には、BCPを策定する際、次期社長は「リスクをどのように評価し、それに対してどのような対応を行うべきか」という視点を持つようになります。例えば、震災に備えて工場の設備をどのように守るか、あるいは停電が発生した際の営業活動の継続方法について具体的な計画を立てることが求められます。このような一連のプロセスは、次期社長に責任感とリーダーシップの育成をもたらし、彼が会社の未来を守るという覚悟を持つきっかけとなるでしょう。
このようにして、BCPを通じて次期社長が自ら会社の全体像を理解し、各部門と連携しながら会社を守る責任を担う姿を目の当たりにすることで、現社長の安心感も高まります。
現社長の安心感と事業承継への前向きな姿勢
次期社長がBCPを通じて会社の全体像を深く理解し、リーダーとして成長していく姿を見た現社長は、徐々に安心感を抱くようになります。多くの社長は、次世代が本当に自分の築き上げてきた会社を引き継ぐことができるのかという不安を抱えていますが、その不安は、次期社長がリーダーシップを発揮し、会社を守る能力を着実に育てていることを目の当たりにすることで解消されます。
例えば、次期社長がリスク管理に対して積極的に取り組み、実際にBCPの作成を通じて従業員や部門のリーダーと協力して会社を守るための具体的な計画を立てる姿を見たとき、現社長は「この子なら安心して会社を託せる」という信頼を持つようになります。また、現社長は次期社長がBCPを通じて得た知識と経験を活かし、将来的にさらに会社を成長させる可能性を感じることで、事業承継に対して前向きな気持ちが生まれるのです。
事業承継において、後継者が単に経営を引き継ぐだけではなく、会社を守り成長させるための能力を備えていることが確認できることが重要です。BCPはその能力を証明する手段であり、現社長が安心してバトンを渡すことができる重要なステップなのです。
自己実現と次期社長のモチベーション
次期社長にとって、BCPの作成は単なる業務の一環ではなく、自己実現の重要なプロセスでもあります。自らが中心となって会社の未来を守り、危機に備えるための計画を立てることで、次期社長は「自分が会社の未来を担っている」という実感を得ます。この実感が、次期社長にとって大きな自信と誇りをもたらし、リーダーとしてのモチベーションを高めます。さらに、BCP作成を通じて培われるリーダーシップは、将来の経営に直結するスキルです。
次期社長が自らの力で会社を守り、成長させるという責任感を持つことで、現社長の期待に応えることができるのです。危機を未然に防ぎ、企業の未来を築くために自らの能力を最大限に発揮するという経験は、次期社長にとってかけがえのない成長の機会となります。
このようなプロセスを経ることで、次期社長は自己実現を果たし、現社長も安心して会社を託せるようになります。事業承継は単なるバトンパスではなく、次世代のリーダーが自己成長を遂げる場であり、会社の未来を守るための重要なステップなのです。
事業承継の前に、BCPの作成で経営マインドとスキルを教えて欲しいという社長様向けコースです。
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