「あの歌を憶えている」
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普段は
大人の恋の物語という触れ込みの映画にははなんとなく軽さを感じて
あまり見ないんだが・・・
ちょっと違う。
主人公の二人は50歳後半、お互いに問題や傷を持つ。
若年性認知症、幼年期の性的虐待など
その傷や障害を乗り越える二人の心の交流が
僕には響いた。
そして
作品の中心をなすといってもよいのが
「プロコル・ハルム」の名曲「青い影」。
僕の世代前後には確実に大きく記憶に残る曲だと思う。
因みに僕は高校生のころこの曲のシングル盤を買って
ポータブルプレーヤーで何度も何度も聞き返した記憶がある、感動して。
バッハのG線上のアリアを思わせるイントロ
一音づつ下がっていくベースライン
ハモンドオルガンのシンプルな音色とそれがサビではレズリースピーカーを通した刺激的な音へ変化。
この曲に思い入れのある御仁は多いはずだ。
雑学だけれど
当初からこの歌の意味は難解だと言われてきたし
原題も「A Whiter Shade of Pale」で
直訳すると「白くなっていく青白い影」でシンプルに「青い影」ではない。
まっ、それでも邦題の「青い影」はそれで良い!
ともかく
50年前の名曲をベースに
今の時代での特徴的なハードルを持った男女。
色合い、
撮影はニューヨークなのだが
なんともいつものNYと色合いが違うと感じた。
監督がメキシコ出身ということもあるのか・・・?
もしかして
全体を Whiter Shade of Paleっぽいトーンで統一し、曲の境の再現を狙ったからなのか
・・・・考えすぎか。
尚、主演の
ジェシカ・チャステインは
「タミー・フェイの瞳」(2021)で、第94回アカデミー主演女優賞に輝いている。
2025年2月21日 公開