[就活]研究概要って文字通りじゃなかった
就活していて衝撃だった事実No.1は
「研究概要書」に求められているのは「研究概要」ではなかったことです。
こんにちは、理系博士学生の花鶏です。
今回は自分が研究概要を書いていて気づいたこと、そこから書くときに気を付けるようにしたことについて記します。
博士学生は学会の要旨、奨学金申請や予算申請書など(主に学振の申請書類)、事務書類を書かざるを得ないことが多いのですが、そのときに文字通りの"研究概要"を書く経験を学士修士の方よりもおそらく多くもっているんですね。
理系学生は就活において、基本的にESと同時にA4シート1枚~3枚程度の研究概要書の提出を求められます。
全体的な書き方については他の方でもよくまとめられていますね。
就活を始めた当初は「研究概要書?よく分からないけど、学振に出したやつみたいなのでいいのかな」と単純に考え、大学生活で基本的に求められる"研究概要"をコピペしたようなものを準備しました。もちろん一般の方にも分かりやすいように専門表現はかなりマイルドにかみ砕いて、図もつけてわかりやすくしていました。
しかし、初期は悲しいほどにESが通りませんでした。
私も博士まできて、研究も真面目にやってきて学会発表もそれなりにこなしてきて自分の専門分野の研究にはそれなりに自信がありました。技術面接に行けば私の陣地で試合ができる。しかしながらESが通らなかった。そもそもスタートラインに立てなかったわけです。
私が行っていたのは博士枠での就活なので、ESで書く欄、文字数ともに少なく、自分を飾り立てる材料としては、やはり研究概要書の面が大きい、と考えました。そこで私は研究概要書を見つめなおして、テコ入れを根本から行うことにしました。
"研究概要書"に求められていることは何か?
企業側が何を考えながら就活生が作成した研究概要書に目を通しているか?
一番の理由は、「就活生の研究内容が知りたいから」。
……では、ありませんよね?
これは就職活動です。
理由は「誰を採用するかを選ぶため」目を通しているのです。
厳密にいうと、
「"研究概要書"を通して、
就活生の研究に対する姿勢、態度、性格、資質、技量、専門性を見ている」
のではないか?と考えました。
企業側は「就活生」がどういう人間か、が知りたいのであって、
「就活生が行っている研究内容」はあくまで「専門性が合致しているか」程度のものである、と考えるべきです。
私は最初ここで履き違えてしまったので
「自分が行っている研究はいかに素晴らしいか、面白いか、魅力的か」
について書くことを重視しすぎてしまい、概要書の中に「研究を行っている自分について」というのが出せていませんでした。
研究内容は一般的に自分だけのものですが、その研究テーマは指導教員から与えられたものであったり、方針もすべて教員によって決定されたものであったり、当の学生が行った実験は概要書に書いた研究プロジェクトのほんの一部であったり、といったことがあります。
つまり研究内容のみの概要書からでは、その研究を行っている学生の姿はほとんど見えてこないのです。
ではどうすればいいのか?
あえて"自分らしさ"を意識して加えて書く
私がテコ入れに当たって気を付けた内容は以下の通りになります。
載せている実験結果はすべて自分の手で行って得た結果か?
自分がどのように考えて仮説を立ててどのように実験を組み立てたのか?
実験結果から自分がどのように考察して次に何をするのか?したのか?
過去の文献・知見にどのように自分はアプローチしたのか?
研究の中での自分の推しポイントは?結果を出すために頑張った場所は?
この結果のどこが自分はおもしろいと思うのか?
この研究での学会発表経験は?業績は?
こういった点を絡めて書くことでほかの誰でもない、自分だけの研究概要書を書けるようになりました。
いまひとつ自分の研究概要書に納得のいっていない方へ、
参考になれば幸いです。
まだそもそも書き始めていない方は
とりあえず指導教員の先生に出していい情報の範囲を相談するところから始めてくださいね、場合によっては大問題になります。
今回は研究概要書について書きましたが、
自己分析、志望動機、私の就活記録などは以前の記事を参考にどうぞ。
博論予備審査直前で泣きそうですが気が向いたらまた書きます。
皆様に良いご縁がありますように!