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好きな人に嘘なんてつけない、という話

先日、好きなまま自然消滅した彼の嘘が、とある知人経由で発覚した。

自分の中では既に終わっていることだし、そこまでショックを受けないような気がしていた。
恐らくその知人も、そう思ったからこそこのタイミングで私に事実を伝えたのだろう。

でも、予想に反してそのショックはじわじわと私の心に爪痕を残した。

嘘の内容は、付き合っていた当初からなんとなく疑っていた内容だった。
だから、嘘が発覚した時も「ふーん、やっぱりねー」程度の気持ちだった。
そのときは「別れて正解だったね、そんな男!」と、知人と笑い合えるくらいだった。

結果的にじわじわ来たのは、嘘の内容ではなかった。

付き合っていた当時、私は何度かそのことを疑って彼を問いただしたことがあった。
でも、何度聞いても彼は「違うよ」「そんなことないよ」と否定した。
何度目かに聞いたときの彼の寂しそうな目を見て、悪いことをしてしまった・・・と罪悪感すら感じた記憶がある。

だから、私は彼を信じていた。

私は、好きな人に嘘なんてつけない。
(元々隠し事すらできない、不器用でまっすぐなところがある)

だからこそ、相手のことも疑わないで信じよう、と思う気持ちが強いのだと思う。
結果、何度も男性には騙されてきた。
それでも、私は誰かを信じることを辞めなかった。

どんなときも味方でいてくれる人。
どんな自分でも受け入れてくれる人。
絶対的な信頼関係。

そんな相手が欲しいから、自分も相手のそんな存在になれるように頑張る。
だから、何度失敗しても、恋愛へのスタンスは変わらない。


・・・そう、話が少し逸れてしまったけれど、私は彼が私に「嘘をついたこと」がショックだったのだ。

信じていたのに、裏切られていた。
問いただす度に、彼は嘘を重ね続けていた。
私は彼にとって、その程度の存在にしかなれなかった。

そして、ひとつの嘘が発覚したことで、彼のすべてを信じることができなくなってしまった。
私が築けていたと思っていた彼との信頼関係は、幻だった。
関係が終わった後に発覚したことが、せめてもの救いかもしれない。


罪悪感なく嘘がつける。
そんな相手とは信頼関係を築くことなんてできない、と思ってしまう私は幼稚なのだろうか。

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