講義レポート③ 手が止まったらコレを読め…!?
皆さま、ごきげんよう。
跡見学園女子大学『創作ライティング演習B(シナリオ)』のnote更新を担当します、かんぴよです。
短い間ですが、どうぞよろしくお願いいたします。
授業終わりの電車で、セーラー服を着た小学校低学年くらいの女の子が『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』を読んでいる姿に遭遇しました。どこか小さな縁を感じながら授業の振り返りをしていこうと思います。
今回の講義内容
第3回の授業内容は以下の内容となっております。
企画・プロットの書き方(後編)
メインプロットとサブプロット
ログラインの講評
今回の授業では、わからなくなったらこのスライドに一度立ち返って欲しいと先生がおっしゃり、次の言葉が強調されました。
主人公の「欲求」と「障害」が衝突するから「葛藤」が生じ、「変化」「成長」が起きる
この主人公の「欲求」というのは、この物語の中で、主人公の貫通行動として映像化できる具体的な欲求のことを指しています。例えば、「家業を継げ」と迫る親を説得し、ミュージシャンになる夢をかなえたい、というようなものです。
今回の課題は15分シナリオです。作品全体を貫く欲求を考えるということは、この欲求を持っている主人公を15分間描かなければなりません。主人公「欲求」に対して、それを阻む「障害」が必要です。
障害の多くは人間関係から生じ、そこに環境や内面の問題も絡みます。そのため、この「障害」は人物を最優先で考えます。
「葛藤」が生じ、主人公に「変化」「成長」が起きると、具体的な行動に変化が現れます。
この行動の変化がなく、内面だけ成長してしまった場合、映像シナリオの場合お客さんに伝わりません。ここは小説とシナリオの決定的な違いですね。
「主人公は必ず変化しなければならないのか?」という疑問が湧きます。
もちろん、成長しない作品もあります。
例えば、『サザエさん』は変化しませんよね。
また、『相棒』の右京さんは成長しきっています。長いシリーズになると、周りの登場人物が成長、変化しています。
しかし、私たちが書くのは15分シナリオであり、変化成長は必要になってきます。それらがないとキャラクター紹介になってしまいますので、主人公の感情が動くようなシナリオを目指します。
プロットとは、ドラマの仕組みを説明する感情の因果関係を描写するものです。
なぜ、因果関係が必要なのかというと、全てのシーン・主人公を変化・成長させるために存在しているからです。
また、1つのドラマには2つ以上のプロットが入っています。
1つのドラマの中に作品を貫く大きな出来事であるメインプロット、その裏で起きている感情のドラマがサブプロットにあたります。このサブプロットは1つとは限りません。
講義受講後の感想
受講中、「人間相関図がサブプロット」と聞き、『アンナチュラル』が頭に浮かびました。
UDIラボで働くキャラクター、一人ひとりに物語があり、それぞれサブプロットが与えられているように感じます。その視点で見るとサブプロットは1つとは限らず、先生の「人間相関図」という言葉がしっくりきました。
また、今回初めて講評の機会をいただきました。
前回の提出課題であるログラインの講評を受けましたが、先生は全ての作品を否定することなく、どこを掘り下げれば面白くなるのかアドバイスやヒントをいただける貴重な機会でした。
もし講評がなければ、私の作品はありきたりでつまらないドラマになるところだったなと思います。
そして、他の受講者のログラインを聞くことができました。どの作品も魅力的で自分では思い浮かばないだろうお話に、純粋に悔しさや、自分にはない発想力を感じながら、自分だったらどんな話を書くだろうか? と考える有意義な時間だったと思います。きっと15分シナリオが完成した時もこんな気持ちを味わうのだろうなと思います(笑)
小林先生に質問
シナリオを書いていると、「プロの脚本家さんたちは、どうしているのだろう?」と思うときあります。脚本家にとっては常識的なことなのかもしれませんが、こんな貴重な機会に恵まれたことは、めったにないことなので、その世界を少しでも垣間見られたらと思っています。
授業終了後、脚本を書くまでの準備や取材方法などが気になり、質問させていただきました。その中で特に印象的だったのは、「作品に携わる際にいつも行っている準備などがあれば、教えてください」という質問の先生の回答です。
このお話を聞いて、脚本家としてお金をもらいながら生きていくために必要な心構えが詰まっていると思いました。趣味で書くことと、プロを目指すことの違いを改めて考えるきっかけにもなりました。
自己紹介
ここまでお付き合いいただき、ありがとうございます。
干瓢が好きだからかんぴよです。味噌汁に入れるのが一番好きです。
就職は、ゲーム業界を志望しており、業種はゲームシナリオライターを第一志望に、企画とプログラマーを中心に見ております。
この創作ライティングの授業は3、4年生が受講できる後期の授業で、先生に出会う前までは、シナリオセンターの通信講座基礎科のところでシナリオの基礎基本を学んでおりました。(実はシナリオのシの字も知らない状態で受講してしまっていたり……)
言い訳をするとゲームシナリオはラノベのような形にも見えるので、シナリオを勉強すれば小説が上手く書けるようになるのだと思っていました(笑)
夏休みは、プログラミング言語の1つである、Pythonを少しだけ勉強してRen'Pyというラノベ型ゲームに特化したゲームエンジンを使って遊んでいました。「ドキドキ文芸部!」もこのゲームエンジンを使って作られています。
受講生に置いていかれないように、そして主人公だけでなく、私も14回の授業の中で成長できるように、努力していきたいと思います。
次回はてんぱさんに戻りますので、引き続きnote更新を楽しみにしてくださいね。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。