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講義レポート⑥「感情のすれ違い」とは?

皆さま、ごきげんよう。
跡見学園女子大学『創作ライティング演習B(シナリオ)』のnote更新を担当しております、かんぴよです。
早速、第6回の授業内容を振り返っていこうと思います。


今回の講義内容

第6回の授業内容は以下の内容となっております。

  • 「感情のすれ違い」について

  • 参考作品「星とレモンの部屋」

  • 希望者のみ第二稿講評

今回の授業では各自が作成したプロット・シナリオを見直しつつ、私たちの課題である15分シナリオということで、題材は日常の延長を描く視点から重要な要素を学びました。
主人公の葛藤を描くことも重要ですが、今回のキーワードは「感情のすれ違い」。
主人公と他者との間にある「感情のすれ違い」を丁寧に、繊細に描けると人間のドラマが深まります。

「感情のすれ違い」とは、具体的にどういう状況を指すのでしょうか?
例えば、以下の例が挙げられます。
・性格・価値観が異なり、折り合いが合わない。
・想いが一方通行で伝わらない、伝えられない。
・お互い好きなのに、そのことを言い出せない。
・フラれたのに、相手を忘れられない。
・秘密がある。秘密があると誤解している(されている)など……
皆さんの周りでも、このような経験はありませんか? これらの主人公と他者の間にある「感情のすれ違い」を15分という短いシナリオの中に、丁寧に、繊細に描くことを目指します。
そして、この「感情のすれ違い」が描かれている作品として以下の作品が上映されました。

参考作品「星とレモンの部屋」

「星とレモンの部屋」(45分)
脚本・佃 良太 演出・ 福井充広
第44回創作テレビドラマ大賞受賞作品
2021年3月19日 NHK総合にて放送
出演:夏帆、原田美枝子、宮沢氷魚、田中哲司
「ひきこもりの男女に起きるある一日のドラマを描く。ひきこもり歴18年の里中いち子の唯一の楽しみは、家庭用プラネタリウムの星空だ。ある朝唯一の話相手だった母・初美が持病で倒れてしまうが、助けを呼べない。パニック状態のいち子に、チャット相手の涼は思わぬ言葉を投げかける……。」

こちらの作品を鑑賞後、小林先生は構成と登場人物について解説してくださいました。
・構成について
母親が倒れてしまうという事件を早く起こす。
主人公は電話ができない、配達の対応ができないなど、何ができて何ができないかが冒頭10分でわかる。
壮絶な過去、回想シーンは最低限に絞り、短いシーンで印象的に描いている。また、途中から主人公たちの妄想に切り替わっている。
・チャットで知り合った涼の存在について
物語の中では、信じられない「偶然」が一度だけ許されており、その偶然が涼の父親が二週間前に亡くなっているということ。
遺体を腐らせないためのアドバイスをし、主人公をダークサイドに引き込もうとしている。
涼の方が主人公より現状がひどく、主人公の未来を匂わせている。
最後は主人公が変化成長し、チャット仲間である涼を救っている。

創作テレビドラマ大賞とは

一般社団法人 日本放送作家協会とNHKが共催している大賞
・応募資格:プロの映像ドラマ脚本家として活動したい方。
性別、年齢、職業は問いません。
・応募作品:テーマ・内容は自由。
ただし海外ロケが必要な作品や時代劇は除きます。
未発表のオリジナル作品に限ります。共作は不可。
放送時間45分。(A4縦書きで20字×20行を1枚とし、本文50~55枚)
1人1作品。
・受賞する作品の傾向
社会ドラマであり、現代の若者をドラマでどう捉えるか。
若者の生きづらさを徹底的に掘り下げている作品であると伺いました。
今年(2024)は締め切られておりますが、現代の社会問題に興味がある方はHPをご覧ください。

講義受講後の感想

一稿目で満足できるものが書けず、第二稿の講評を頂きました。
今回の講評で小林先生から、できるだけ早く事件を起こし、主人公の葛藤を描くように構成のアドバイスを頂きました。
主人公の過去や置かれている状況よりも先に事件を起こすことにピンときていなかったのですが、参考作品として「星とレモンの部屋」を鑑賞し、お母さんが倒れるという冒頭で事件を起こすことの重要性を肌で感じました。これからシナリオの第一稿の提出に向けて意識して描いていこうと思います。

「脚本家という生き方」を読んで

小林先生のシナリオを読みたく、「脚本家という生き方」を拝読いたしました。

そのうち、「シナリオランド」という名のウェブサイトを開設して、講演レポートを掲載するようになった。ただ、載せるだけでなく、自分なりの解説や感想を書き加えた。

『脚本家という生き方』(2009)信濃毎日新聞社発行 小林雄次

この一節を読んで、私たちに講義レポートの機会を任せてくださった理由が分かった気がします。
当初、跡見noteの存在を知っており、記事も読んでいましたが、なぜ授業内容を発信している人がいるのか、その意図が分かりませんでした。
しかし、記事を書いていく中で「どうしたらわかりやすく伝わるか?」と考え、授業内容を何度も振り返りながら自分の言葉で書くことは、本当の意味で理解が深まっていると感じます。小林先生も同じ道を歩んだからこそ、私たちにこのような機会を与えてくださったのかなと思いました。
これからも記事を通して、より深く学んでいきたいと思います。

長くなりましたが、次回はてんぱさんに戻りますので引き続きnote更新を楽しみにしてくださいね。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。

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