お茶を愛する男、森本さんの挑戦物語。 | ATOMatch参加企業「豊緑園」【後編】
こんにちは！ATOMatch広報担当の柏田です。
こちらの記事は
《有機栽培のお茶「もりもっ茶」の魅力とは | ATOMatch参加企業「豊緑園」【前編】》
の後編記事となっております。
まだ前編をご覧になっていない方はそちらからご覧ください。
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お茶と言えば静岡県のイメージが強いですが、全国でも生産量４位を誇る宮崎県。
そんな宮崎県・新富町に自然と共存するお茶農家がある。
その名も「豊緑園」。
今、お茶を愛してやまない一人の男と学生達で、お茶業界に新たな風を巻き起こそうとしている。
工芸作物の世界に魅了された19歳。
豊緑園の３代目代表である森本健太郎さんは小さい頃から自然豊かな環境で育った。
両親の働く姿を幼少期から側で見ていて、お茶農家に対して
「シーズン中は天気や土日関係なく休みなしで働いている」
「草取りなど地道な作業が大変そう・・・」
というネガティブなイメージしかなかったそう。
しかし、そのイメージがポジティブに変わるきっかけはお茶に対しての"ある気付き”だった。
「お茶の生産現場を間近で見ている中で、お茶の栽培過程は物作り的な要素があると気づいたんです。普通の作物は収穫したら商品。お茶はそこで終わりではなく、育てて加工する人のクセが出てくる世界なんです」
お茶の世界に身も心も奪われた19歳、そこから森本さんの挑戦は始まった。
ぶち当たった「お茶農家」×「経営者」としての壁、
そして新規事業への参入
お茶の世界に魅了されてから家業を継ぐ道へ進むことを決意。
しかしそれは決して簡単な道のりではなかったという。
「当時は本当に経営の”け”も知らなかったんです。最初の壁は経済面でしたね」
そんな中、商工会議所が開催する勉強会や税理士などに相談しながら一つずつ壁を乗り越えていった森本さん。
回を重ねるごとに少しづつ経営のことがわかるようになっていったそうだ。
オンラインインタビューの様子
「実際、融資受ける際に苦労した点はやはりお茶の機械が高額ということでした。機械の一部を修繕するのにも見積もりを出すと3,000万円など平気でかかります。動く金額が大きい分、経済面での段取りで苦労しました」
と森本さん。
お茶農家と経営者の二足のわらじでお茶の魅力を最大化させるためにはどうすれば良いか格闘した森本さんのお茶に対する愛情とそれを実現しようとする強い意思が伝わってくる。
豊緑園の強みは、「有機農業」×「表現力」
そんな経営初期を経て、2020年に直営店「お茶と大福の店 みどりとすずめ」をオープンし、2021年にはATOMatchに参入したりと新たな事業へ常に挑戦し続けている森本さん。
直営店「みどりとすずめ」だが、計画書の時点では「２人くらいでお店が回せるくらい」の客入りを想定していたそう。
開業当時の写真
しかし蓋を開けてみると、オープンして間も無く数々のテレビ取材やSNS上で一気に話題となり、たちまち人気店に上り詰めた。
「有機農業（オーガニック）であることをリアルに物語化し、視覚的に表現できていることが強みでしょうか」
森本さんは「みどりとすずめ」飛躍の裏側をこう語った。お茶への愛情や日々積み重ねてきた努力が実を結んだ結果なのだろう。
若い人にお茶の魅力を広めていきたいという想い
ATOMicaが展開するコラボレーションプログラム「ATOMatch」の豊緑園コミュニティがスタートしたのは2021年６月のこと。
参加を決めた当初はお茶業界への危機感からだった。
「近年、やはりペッドボトルの普及などで急須でお茶を飲む文化が廃れつつあるんです。基本的にお茶農家が販売に直接携わるようなポジションではない中、お茶市場の相場が下がってきている。そんな危機感がどんどん見え始めていました。８年前から『若い人にも知ってもらいたい』『どうやったらお茶をより多くの人に広められるか？』という取り組みをしている中で、ATOMatchのお話をいただきました」
学生たちとの商品開発では、その想いを胸にお茶業界に新たな風を巻き起こそうとしている。
完成間近の新商品。詳しい内容活動内容はこちら
「若い人たちがいろんな発想することによってお茶の幅が広がるのではないかと思いました。ネーミングやパッケージなど、若い人のアイディアでお茶の世界観を変えるような何かが生まれたらと思っています。それが同世代の人に広がるようなイメージです」
年々低下するお茶市場の相場・お茶の世界観を覆すために
森本さんの挑戦は続く。
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