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あらためて地震保険の再確認

2024年1月1日発生の能登半島地震により大きな被害が発生しました。
犠牲となられた方々に心よりお悔み申し上げるとともに、被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。被災地域のみなさまの安全確保、そして一日も早い復旧・復興を衷心よりお祈り申し上げます。

ここであらためて地震保険について解説します。

1.       「居住用の建物」のみ契約可能
居住している「建物」およびそこに収容されている「家財」が対象。工場、事務所、店舗等は契約できません。ただし、居住部分が含まれている場合は契約可能です。例えば店舗兼住居建物等の場合。


2.       地震・噴火・津波が原因の損害が対象
地震が原因で火災が発生した場合は火災保険では補償されません。地震保険の契約が必要です。


3.       保険料は都道府県、建物構造、耐震性能で決まる
同じ保険金額、建物構造であっても都道府県により異なります。


4.       保険料と補償内容はどの保険会社でも全く同一
政府と保険会社が法律に基づき共同運営しています。


5.       単独加入できない
必ず火災保険とセットで契約しなければいけません。地震保険だけの加入はできません。また火災保険と地震保険を異なる保険会社で加入する事もできません。


6.       火災保険金額の50%が加入上限
例えば建物に1,000万の火災保険を契約している場合は500万が上限です。家財も同様です。また建物5,000万、家財1,000万の限度額があります。ただし、共同住宅1棟所有オーナーが建物を契約する場合は、5,000万または戸室数×5,000万の上限に緩和されます。
具体例は以下参照
(ア)  戸建て1棟、火災保険金額2億の場合は地震保険金額は5,000万が上限
(イ)  共同住宅1棟全体(戸室数10戸)、火災保険金額2億の場合は地震保険金額は1億が上限


7.       保険金は実損ではない
火災保険は損害に対して修理見積もりをもとに保険金査定しますが、地震保険は修理見積もりは不要です。
建物は主要構造部(柱、壁、屋根、基礎)の損害に応じて4区分(全損、大半損、小半損、一部損)に区分し保険金が決まります。塀やカーポート等に損害が発生してもその部分については支払い対象外です。
家財の損害は大きく5分類(食器、電気器具、家具、身の回り品、衣類)され、さらに29種類に細分化され保険金が支払われます。
損害認定は保険会社および委託された鑑定人が現場に赴いて立ち合いで損害調査を行います。(火災保険のような写真のみでの簡易査定を行っていません。)
また地方自治体が実施する「応急危険度判定」や「罹災証明」とは全く被害認定方式が異なります。


8.       総支払限度額は11兆7,713億円
政府と保険会社が共同で支払う総支払限度額が決まっています。万が一それを超えた場合は、被害者への支払保険金は按分により減額されます。ただし過去の地震により減額された事例はありません。


9.       警戒宣言発令後は加入できない
警戒宣言が発令された地域では新規加入ができません。ただし満期契約を従来通りの地震保険金額で継続する事は可能です。


10.    地震保険料は所等控除可能
所得税、住民税が控除されます。まとめて数年分の保険料を支払った場合は、按分により年間保険料を算出した金額が毎年控除できます。
大家さんは保険料自体を必要経費にできますので所得控除は受けられません。

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