2022年10月火災保険改定
2022年10月に火災保険の大きな改定が予定されています。
大手損害保険会社4社からその概要がリリースされました。
詳細な保険料は7月末ごろまでは計算できませんが、不動産賃貸オーナーはコストアップと補償内容削減からは避けて通れないようです。
<大手損害保険会社4社に共通する主な改定ポイント>
①全般的には保険料値上げ
過去10年間のほとんどの年度で保険会社の収支は赤字(保険料−保険金=赤字)となっている。それを改善するのと地球温暖化でさらに保険金支払いが増える予想に備えるための保険料改定(値上げ)となります。
②保険期間の短縮化
自然災害リスクの大きな変化に対応するため長期火災の保険期間を従来の10年から5年に短縮。あわせて長期一括払の割引率の引き下げ(値上げ)の実施。
③築年数による異なる保険料制度の導入
築古物件の保険金支払が多いため、築年数に応じた保険料制度を導入する。新築は安く築古は高くなる。保険料制度は築年数1年毎の保険会社から5年毎の保険会社など異なるが基本的な制度の仕組みは同一。
④「1棟掛け」と「1棟掛け以外」で保険料を分ける 従来、分譲マンションの「区分所有」と不動産賃貸オーナー所有共同住宅の「1棟掛け」は同じ保険料水準でした。
ところが保険金支払状況は当然のことながら「1棟掛け」契約の方が圧倒的に多かった。(1棟掛けの方が屋根や外壁の破損が多く、複数世帯が入居するため火災や水濡れ事故の発生も多いのが現状。)
そこで「1棟掛け」保険料を「区分所有」保険料よりも値上げする事となりました。
⑤免責金額の設定 保険金支払の多い「風災」「水濡れ」「破汚損」事故に対して最低免責金額5万円の設定を義務化します。
⑥建物復旧の義務化 従来、保険金の使い道は自由で、保険金を受け取り修理をするしないは自由でした。しかし、ここ数年、特定業者(問題のある修理業者)による住宅修理をめぐるトラブルが多発しています。具体的には、故意に破損させたり、過大な手数料を保険金から請求する等の行為が問題となっています。このため修理された場合に限り保険金をお支払いする旨の約款に変更となります。実務的には修理見積を作成したのが特定業者以外であれば、保険金請求時に受け取った保険金で修理を行う旨の念書を被保険者が提出すれば今まで同じ運用になる旨が補足されていますので、過剰な心配は不要だと思われます。
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