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私立恵比寿中学秋田分校FINAL~フィナーレはいつも笑顔で~遠征記

すっかり低くなった太陽からの日差しが、この時期にしては、まだ暖かさを残している11月16日の秋田。
毎年恒例、という文句を使えるのも今年で最後となってしまう、私立恵比寿中学秋田分校FINAL~フィナーレはいつも笑顔で~が、秋田芸術劇場ミルハスにて開催されました。

プロローグ~出発

話は1日さかのぼって、11月15日。
いつからか習慣となっていた秋田前乗りのために、今年も愛知からはるばる秋田を目指したわけですが、いつもであれば、当然飛行機なり新幹線なりで向かうところ、今年はふと「そうだ、クルマで行ってみよう」と思い立ちまして。
まだ朝日も登らない朝の5時30分に、愛車のコペンGRで自宅を出発。

東海環状道から中央道、長野道を経由して日本海側へ。
さらに上信越道から北陸自動車道、日本海東北道を北上して新潟を通過。
そこから国道7号線を挟んで再び日本海東北道で山形を縦断し。
酒田からはまたまた国道7号線を突き進み、秋田に到着したのは、もうあと少しで夕陽も沈もうかという夕方16時30分。
合計730km、11時間に及ぶロングドライブでしたが、渋滞もほとんどなく好天に恵まれたこともあって、出発前に懸念していたほどには疲労感はありませんでしたね。

秋田到着

今年もOPAの垂れ幕がお出迎え。ただいま、秋田。

少しの休憩をはさんで、お仲間との前夜祭までのあいだ、秋田駅前を散策。
今年はやっぱりアーカイブ展が素晴らしくて、秋田分校9年間の歴史、グッズやポスターはもちろん、本来は表に出すことのない企画書類などなど盛りだくさんの内容で、時間的にも人がまばらだったのもあって、ゆっくり見学することができたのは幸運でした。

アーカイブ展入口。まさに壮観。

なかでも、秋田分校最大の功労者である佐々木用務員さんがこれまでに綴った想いの数々、そして、秋田分校に関わった方々からのメッセージのひとつひとつを読んでいると、瞼のウラにこみ上げてくるものが。

来賓の方々の言葉が、とてもあたたかい

なんというかね、アーカイブ展と謳ってはいるものの、展示物すべてに現在進行形の熱量というのか、いやもちろんね、まだ終わってないから"それはそう"なんだけど、だからこそ余計に、もうこれで終わりなんだという寂しさが、どうしても襲ってきてしまって。
でも、そんな寂しさを包むような温かいメッセージ、すべて大切に読ませて頂きました。 

ぽー送部の歴史
平凡人パンコーナーも
例年以上に力作ぞろいの芸術祭
垂れ幕だけじゃなく、OPAは店内までえびちゅう満載でお出迎え

ライブ当日

明けて16日、いよいよライブ当日でございます。
良い一日は、良いお買い物から、ということで、朝からトピコでお土産買って、ミルハスで物販並んで、また駅前に戻ってコラボ学食でお昼ごはん食べて。

炙り比内地鶏と山菜のわっぱ飯

とはいえそれほど慌ただしくすることもなく、ホテルに戻って一息つきながら、秋田の街を往来するえびちゅうファミリーを窓の外にのんびり眺めてみたり。
普段のライブとは明らかに違う速度で流れていく景色を、愛おしく噛みしめながら過ごす時間が、とても幸せなもののように感じたりもして。
開場時間の14時を少し過ぎたところでホテルを出て、いつもなら冷たい秋風に凍えながら進む道も、この日は驚くほどの陽気に包まれて、ミルハスの前に出店しているババヘラアイスの屋台に、季節外れの大行列ができているのを横目に見ながら、最後の秋田分校、いよいよ入場です。

あきた芸術劇場ミルハス。天気も最高。

この日の座席は着席指定の3列目、センターブロックだったのでかなり見やすい。
開演前BGMを聴きながら、かつて小林歌穂生徒会長がタマリバで歌った校歌の数々に思いを馳せつつ待っていると、いよいよ小林歌穂生徒会長と関向アナがステージに登場。
「秋田分校が始まったとき、わたしはまだ入社2年目でした」と語る関向アナの言葉に、「わたしも入ったばかりで緊張しすぎて床に転がってた」と謎の報告をする歌穂ちゃん。
そして、小林歌穂生徒会長による「秋田分校を最後の最後まで笑顔で楽しむことを誓います!」という力強い開会宣言とともに、いよいよライブがスタート!

ライブの様子に関しては、配信で観られた方も多いと思うので、多くは語りません。
というかですね、トップバッターの藤原美幸さんの時点で、もうなんか胸がいっぱいになってしまって、恥ずかしながら公演中ほぼ泣いてたんで、細かいところははっきり覚えてないんですよね。
前日にアーカイブ展を見た影響もあるんだろうな。
ドンパン節は、最初の頃は照れくさくてあまり声出せなかったなー、とか。
2018年だったか、秋田空港に向かう帰りのバスがエリアなかいちの横を通り過ぎるとき、車窓の隙間から漏れ聞こえてきた「天下一品」に、心を熱くした思い出とか。
いぎなり東北産に関しては、そりゃあ正直に言ってしまえば、秋田分校以外でそのパフォーマンスを直接見る機会はないのだけれど、メディアやSNSを通じて知る彼女たちの活動や、年に一度だけでも目の当たりにするパフォーマンスに心を打たれてきましたし、この日もこうしてステージの上で歌って踊る姿には、やっぱり心動かされるものがありますし。
東北という看板を背負ってる以上、秋田だけが特別な場所ではないんだろうけど、メンバーの言葉からは、秋田分校を特別な場所として思ってくれている、その気持ちが伝わってくるようで本当に嬉しかったです。

そして、満を持してのえびちゅうさん。
えびちゅうさん以外では唯一の皆勤となるNAMAHAGE郷神楽との共演「イート・ザ・大目玉」で華々しく幕を開けたステージは、「Knock You Out!」「BLUE DIZZINESS」「トーキョーズ・ウェイ!」と、今年の春ツアーで完成度を増した楽曲たちで彩ると、「きゅるん」「ヘロー」で、現在進行形のえびちゅうらしさを最大限にまで引き出して。
とくに「ヘロー」はね、秋田駅前を歩いていたときにふと耳に入って、これ聴けたら泣いちゃうなあ、なんてことを思ってたから、なおさら嬉しかったなあ。
衣装を変えて再登場した美幸ちゃんとの「でかどんでん」で会場のボルテージが最高潮を迎えると、「Go!Go!Here We Go!ロック・リー」「春休みモラトリアム中学生」「HOT UP!!!」と定番のアゲ曲で畳みかけてくるし、やっぱり立ち見の方が良かったかなー、なんて思ってたら、「頑張ってる途中」からふたたびボロ泣きモード突入ですよ。
 
「頑張ってる途中」はやっぱり2021年かな、前年がコロナで開催中止となって、2年ぶりに開催されたフェス形式での秋田分校でラストに歌われたのがこの曲で。
まだ完全にコロナ渦を抜け出せたとは言えない状況の中で、形を変えてでも開催にまでこぎつけてくれたのが本当にありがたかったこととか、加入してまだ半年のココユノノカの懸命な姿を思い出しては、3人の成長に目を細めたり。
そういう意味では「イヤフォン・ライオット」も同様で、さらにここでコラボしたキャミソウルブラザーズのお二人は、秋田分校に初めて登場したのが2019年。
その年は前日に安本さんの休養が発表されたばかりで、感情の置きどころも定まらないまま開演したステージで、得体のしれないおじさんコンビのパフォーマンスにものすごく助けられたことを思い返したり。

「響」も良かったなあ。
"明日が来なくても、この音は鳴り止まないんだ"
明日になれば終わってしまうこの秋田分校のステージで、でもこの9年間、ここ秋田の地で鳴らし続けた音楽はけっして鳴り止んだりはしない、そんな願いが届いてくるようで。
幾度となく歌われてきた「スーパーヒーロー」も、その年ごとに様々な顔を見せていて、あるときは人と人とをつなぐヒーローだったり、あるときは町と町とをつなぐヒーローだったり。
今年ステージに降り立ったスーパーヒーローは、きっとこの秋田分校を未来へとつなぐヒーローで。
この秋田分校に関わったすべての人がヒーローで。
ラストの「MISSION SURVIVOR」で大きく回るタオルの渦のなかには、この日ステージに上がることはなかったけれども、この9年間を支えてくれた超神ネイガーや明桜高校吹奏楽部、ukka、pramo、そして佐々木用務員さん、本当にたくさんの方々の情熱が宿っているように思えて、タオルを握る自分の手にも、思わず力が入ってしまいました。

最後の挨拶、橘さんの「東北産が秋田本校として」という言葉も、キャミソウルブラザーズの「また来年も秋田分校で会いましょう!」という言葉も、関向アナの「頑張って出世します!」という言葉も、どれもがけして上辺ではない、心から未来へつなげようとする願いが込められているようで、本当に嬉しかったです。
そして最後に締めくくった小林歌穂生徒会長。
佐々木用務員さんをはじめ、秋田分校に関わったすべての方々、秋田分校で出会ったすべての方々への感謝の言葉を、最初の宣言通り、最後の最後まで笑顔で、けっして涙を見せまいと、何ひとつ繕うことなく懸命に伝えようとする姿に、こちらも最後は涙を堪えながら聞き入っておりました。

秋田の人は、みんな口をそろえてこう言います。
「こんな遠くまで大勢の人が来てくれてありがたい」と。
でも、こんなに素敵な人がいて、こんなに素敵な出会いがあって、こんなにもあたたかい気持ちに溢れた町を、ぼくは他に知りません。
変わっていくことも、変わらないことも、どんなときも笑顔で迎えてくれる、この町と人が好きだから、またいつか必ず、戻ってきます。
そのときは、いつものように「おかえり」と言ってください。
「ただいま」と言わせてください。
 
秋田分校のアンコールはまだ、終わっていないのだから。

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