私立恵比寿中学 仲秋音楽祭 題して『ちゅうおん』2024 @秩父ミューズパーク

まだまだ夏の気配は残るものの、少しずつ秋の装いを見せ始めた10月5日。
えびちゅうさん秋の恒例行事「ちゅうおん」が、秩父ミューズパークにて開催されまして。
2年ぶり6回目を迎える今年のちゅうおんは、えまゆな加入後10人体制での初開催ということで、例年よりもさらに期待に胸躍らせながら、秩父へと向かいました。

ミューズパーク到着~開演まで

車を走らせること5時間半、11時ごろにミューズパーク到着。
前日までの予報では、朝のうちに雨は止みそうな感じだったのだけれど、そこまで大粒ではなくとも、傘がないと少し厳しいぐらいの雨。
うん、まあ、そんな気はした。
肌寒さもあり、何はなくとも腹ごしらえ、ということでうーたん村へ。
狙うは当然、小林歌穂さんご推薦の揚げ小籠包。
ライブ中のMCでも話題になってましたが、表面のカリっと揚がったもちもちの皮に、肉汁たっぷりの餡が詰まって、めちゃくちゃ美味しかったですね。
ちなみに、1部と2部の間では仲村さんご推薦のザンギ丼もゲット。
こちらも、香ばしく揚がったザンギに少し甘めのタレが絡んで、大変美味しかったです。

今年の座席は、1部が屋根席、2部が芝生席。
たしか前回もこのパターンだったような気がしますが、昼は屋根、夜は芝生、というのが個人的にはベストかもしれない。
芝生席はどうしても天候に左右されがちなので敬遠する人も多い印象だけれど、夜の芝生席ってめちゃくちゃいいんですよ。
個人的には、

・だんだんと陽が沈むにつれて移り変わる空の色
・夜風に乗って漂う草花の匂い
・ライティングを含めたステージ全体を堪能できる
・遠くても暗いのでモニターが見やすい
・席の間隔が広いので自由に動ける

これだけメリットがあれば、よっぽどの雨とかでもない限りは全然アリじゃないかと。
まあ、1部で屋根席行けたから言えるだけかもしれませんが笑
そして、それもこれも、えびちゅうさんのライブが間違いなく素晴らしいものだという確信があるから言えることでもあって。
今年のライブも、言わずもがな、素晴らしいものとなりました。

開演~前半ブロック

M01:きらり(藤井風)
M02:愛のレンタル
1部のMCで真山さん自身が仰られてたように、2年前は喉の手術明けで真山さんは3曲のみの参加でしたし、そこを慮るかのように愛のレンタルを持ってくるこのセトリ。
2020年のちゅうおんでは2曲目が「君のままで」だったり、そういった気遣いというか、ただのオタクの邪推であったとしても、そういった思いを感じ取れるってのが嬉しいじゃないですか。
10人での歌割りは初披露?だと思うんですが、莉子ちゃんの「トゥルットゥール」が健在でホッとしました。
そして、今年の衣装の超絶カワイイことといったら。
1部の自己紹介のときに、莉子ちゃんが自分の名前を言い終えてないぐらいの被せ気味に「今年の衣装可愛いでしょ!」って、本当に嬉しそうに言ってたのが印象的でしたね。
制作者の方のSNSも拝見しましたが、かなり細部にまでこだわられてて、またどこかで着用することがあればいいなあ、なんて。
今度のフリラとか、どうすか?

M03:SHAKE!SHAKE!
M04:U.B.U
M05:紅の詩
SHAKE!SHAKE!でクルクル回ったりピョンピョン跳ねたりしながら歌ってる歌穂ちゃん。
U.B.Uで終始真山さんとなにやらワチャワチャ遊んでる歌穂ちゃん。
もうね、そんなん見せられたらね、下がった目じりと上がった口角がくっつくんじゃねえかってぐらい、とんでもねえ笑顔になっちまいますよ。
かと思えば、別のとこではココユノノカがじゃれ合ってるし、さらにその隣ではえまゆながいちゃついてるし、もう忙しい忙しい。
振りのないちゅうおんならでは、ではあるんだけど、10人がそれぞれ自由に楽しんでて、いつも以上に目がいくつあっても足りない!ってなるんですよねえ。
そういや、紅の詩のイントロで、いつも柏木さんの笑い声の音源使ってたところ、桜井さんがオンマイクで笑い声当ててたんですが、あれ良いですね。
柏木さんの声を残してほしい、という意見もあるでしょうけど、今後はこの形で行ってもいいんじゃないかと、個人的には思いました。

M06:KANSHAして(SMAP)
M07:踊るロクデナシ
M08:キャンディロッガー
M09:お願いジーザス
SMAPのKANSHAしてを、メンバーがだれも知らなかったという事実に軽く衝撃。
まあたしかに、数あるSMAPの曲のなかでは多少マイナーではあるし、発売年を考えたらそりゃそうなんだろうけど、いや、それでも、SMAPですらそうなのかと思うと、いわゆる「懐メロ」として後世にまで曲が残るってのは、とんでもないことなんだと改めて実感しましたね。
キャンディロッガーはここのところ準々レギュラークラスぐらいにまでセトリに入ることも増えてきて、嬉しい限り。
基本的には真山さんメイン曲ではあるけれど、桜木さんがサブメインぐらいのポジションでハマってるのがすごく良い味になってる気がする。
そして前半ラストはお願いジーザス。
いやもう先に言っちゃうけどさ、前半ラストがこの曲で、本編ラストがあの曲ってさあ…もちろんこれも深読みしすぎなんだろうけど、音楽と、曲と、真摯に向き合うってのは、こういうことでもあるんだろうな、って。
そんなことを思いながら、歌穂ちゃんの神がかり的なパフォーマンスに心奪われておりました。

ソロカバーメドレー

M10:真夏の夜の夢(松任谷由実)/小林歌穂
M11:スイミング(深田恭子)/小久保柚乃
M12:すばらしい日々(ユニコーン)/中山莉子
M13:東京フラッシュ(Vaundy)/桜井えま
M14:君に夢中(宇多田ヒカル)/星名美怜
M15:悲しみの果て(エレファントカシマシ)/桜木心菜
M16:心を開いて(ZARD)/風見和香
M17:SUMMER SONG(YUI)/仲村悠菜
M18:アボカド(yonige)/真山りか
M19:パラシューター(Folder)/安本彩花
聴いたことある曲、というのが例年より少なくて、ユーミン、ユニコーン、エレカシぐらい。
歌穂ちゃん×ユーミンは、まあ間違いないっちゃ間違いないんですが、それでもいままでカバーしてきたユーミン曲のそれとはちょっと違う、ラテン調のこの曲をチョイスしてくるあたりが、さすがですね。
他のメンバーもそれぞれのイメージに合った選曲で、逆に言えばもうちょっと意外性があっても嬉しかったですが、まあ、放送部の歌声喫茶と、関内デビルのBFFで、何かしらのカバーを毎週2曲ずつ披露してますから、さすがにそれは贅沢の言いすぎか。
それに、意外性がないと感じるってことは、それだけどのメンバーもいろんな歌い方ができるってことで、その状況自体がとんでもないことなんだよな、と書いてて気づきました。

後半ブロック~終演

M20:フユコイ(1部)/さよならばいばいまたあした(2部)
M21:CRYSTAL DROP
M22:シングルTONEでお願い(1部)/宇宙は砂時計(2部)
直前のMCで仲村さんが「夏の曲歌いながら(めっちゃ秋なのに…)って思ってた」という話からのフユコイに、ちょっと笑ってしまった。
個人的に、この日のベストアクトは2部で歌った宇宙は砂時計。
歌穂ちゃんの歌い出しから一気に空気が変わるのを感じましたし、ユニゾンが一切ない曲なのに、10人の一体感というか、以前テレビで言っていた「大樹の幹に10人で抱きついてるイメージ」って、きっとこういうことなんだろうな、というか。
パートとパートの繋ぎ目にまったく段差を感じない、それどころか、相乗効果でどんどん曲の世界観が深まっていくような。
それに加えて、芝生席からステージを見下ろすロケーションで、星ひとつない夜空と眩しいぐらいに輝くステージとのコントラストも相まって、この曲が描く景色がそのまま目の前に存在してるかのようで、演奏が終わったあとも、自分の拍手で現実に引き戻されるのをためらうぐらいに、素晴らしかったです。
ホント、これがあるから芝生席は侮れない…。

M23:トキメキ的週末論
M24:ヘロー(1部)/ポップコーントーン(2部)
M25:若者のすべて(フジファブリック)
トキメキ的で、恒例のバンド紹介。
今年も歌穂ちゃんの「おおうらもえ」が聴けて大満足、というか、ちゅうおんに来る目的の半分ぐらいは歌穂ちゃんの「おおうらもえ」を聴くため、ですから。
んでさ、ヘローとポップコーントーンをさ、1部2部で分けるのズルいよ。
そんなんされたら、両方来る以外の選択肢無くなっちゃうじゃんよ。
それと個人的にすごく好きだったのが、ヘローとか、さよならばいばいとか、ソロで歌い繋いできてラストのサビだけユニゾンになる曲あるじゃないですか。
そのときに、ユニゾンの直前で10人が同じタイミングでマイクをスッと口元に持っていくのがね、すごくキレイですごく好き。

で、オーラスが若者のすべて、ですよ。
1部ではイントロ流れた瞬間、これはヤバいとカバンからハンカチ取り出しましたもん。
多くを語っても野暮になるだけ、ってのは承知のうえで、お願いジーザス、そして若者のすべてを歌ったっていうのは、やっぱりフジファブリックへの恩返し、と受け取っていいんだろうな。
えびちゅうの音楽に対する真摯な姿勢についてはさっきもチラッと触れましたが、曲を歌うことで思いを表現する立場としての側面はもちろん、アイドルという「楽曲を提供してもらう」側の立場であるが故の、作曲者が曲に込めた思いを受け取る側としての楽曲への向き合い方が、やっぱり素晴らしくて。

その他雑感

えびちゅうが2016年にフジファブリックからお願いジーザスを提供され、2018年のちゅうおんで若者のすべてを初めてカバー。
そして2019年のMUSiCフェスで、フジファブリックがお願いジーザスをセルフカバー、そして若者のすべてを歌い。
そしてこの日。
まるでキャッチボールのように、託し、託されてきた想いは、きっとまたいつかどこかで誰かの手に渡るんじゃないか。
そう感じずにはいられない、素晴らしいパフォーマンスを見せてくれました。

そして、そんなパフォーマンスとは裏腹に、椅子を高く上げちゃって座れなくなったり、衣装に入り込んだ虻を叩き落としたり、お辞儀で頭を上げるタイミング早くて慌てたり、サッポロラーメンとオムライスでバグったり、そんな平和で、朗らかで、明るいえびちゅうさんを思う存分楽しむことができた、今年のちゅうおん。
アクセスの不便さも、電波の悪さも、天気の不安定さも、すべてひっくるめて、いつも通りのちゅうおんだったことに、心からKANSHAして。

また来年も、きっと。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?