はじめて文章を書く人が気をつけたいこと
最近、人に「文章を書くと楽しいよ!」と言って回る活動をしています。しかしどうも筆が進まない人が多いようです。
もちろん書く意思がない人もいるのですが、書く意思があったとしても「どうやって書けば良いかわからない」という問題があるらしいのです。それはそうですよね。自由にやれと言われて、何をやっていいのかわからない。何がわからないのかがわからない。
そこで、はじめて文章を書く人が、何に気をつけたら良いのかをまとめてみました。
いきなり書かない
真っ白いテキストエディタを前にして、いきなり書き始めてはいけません。大抵の場合は失敗します。
まずは、「何を書きたいんだっけ?」ということを考えましょう。そして思いついたことを、とりあえず順番とか構成とか考えずに書き出してみてください。
そして、そこに書き出されたものを整理していきます。構造と秩序を与えます。
具体的には、
・書いてある内容で、近そうなものをグルーピングしてみる
・グルーピングしてみて気づいた情報があれば書き足す
・どういう順番で書いたら伝わりやすいかを考え、入れ替える
・書かなくても良さそうなやつは消す
などの作業をやると良いと思います。
一見めんどくさそうに見えますが、頭の中に書きたいことが溢れていれば、色んな書きたいことが出てくるはずです。溢れて来ない人は、もう少し前段階から始める必要があります。次の「とりあえず読む」などをみてください。
とりあえず読む
上記の作業ができない人は、基本的に書きたいことがない状態なんですね。
たとえばめっちゃ面白い映画をみた時、その感想を誰かに喋りたくなるじゃないですか? その喋った内容をバーっと書き起こせば、上記の作業は完了なんですよね。これができないのであれば、書いたって意味がないです。
というわけで、まずは何かを読んでみることから始めたら良いと思います。すると、「ここは良いことを言っているな〜」「ここは違うと思う」みたいな感想を得られます。
すると、
・良いことを言っていたから、これを応用してみよう!
・良いことを言っていたけど、ここをこうすると、もっと良くなる!
・これは違うと思うから、自分ならこうする!
みたいな意見が出てくると思います。
こういったものが出てきたら、あとは「いきなり書かない」で書いたことを実践するだけです。
Twitterをやる
といっても、思ったことを言葉にするのって結構難しかったりするんですよね。すぐに文章にする習慣がなければ、思っただけで自分の中に閉じ込め、忘れてしまう。あるいは、「思った」ことにすら気づけないかもしれません。
そこで、まずは自分が思ったことと「とりあえず書き出す」習慣が必要になります。ここでTwitterの出番です。
Twitterに書く内容はなんでも良いです。お腹が空いたと思えば、「お腹空いた」と書けば良い。なんか気づいたことを適当に投げ入れていきましょう。
ここで重要なのは、ツイートすることを義務にしないということ。「1日◯ツイート!」みたいな目標を立ててはいけません。立てても良いのですが、文章を書けないのにTwitterをやりましょうみたいな人は、おそらく挫折すると思います。
ツイートを義務にするというのは、真っ白なテキストエディタに向き合うことと一緒なんですよね。自由に書けと言われても書くことがないので、ツイートできるわけがない。
だから、とりあえず読んだり見たりしてみて、「あ、これは他の人に話してみたい」みたいなことがあったら、ツイートしてみるのが良いでしょう。
基本的なルールを知る
文章に関する基本的なルールを知っておくと、それっぽいやつが書けるようになります。
「です・ます調」と「だ・である」調を混ぜない
ひとつの文章の中で、これらの文章を混ぜない方が良いです。「めっちゃ仲の良い先輩に話しかける人懐っこい後輩」みたいなテンションを演出して混ぜて書くこともできるのですが、難しいのであまりおすすめしません。「です」って言ったら最後までそれで貫くし、「だ」と言ったら最後まで貫くのが良いです。
漢字、ひらがな、カタカナのバランスに気をつける
文章の意味には関係ないのですが、使う文字の種類を考えないと、読みにくい文章になってしまいます。「このプロジェクトはバジェットがないのでアサインにはマネージャーのオーサライズを必要とする」みたいな文章、嫌じゃないですか。「是非御観劇にお越し下さいますよう何卒御願い申し上げます」とかも固苦しい。
カタカナ語は、他に言い換えがないかを考えるのが無難です。また、漢字に関しては迷った場合はひらがなにするのが良いでしょう。
漢字・ひらがなの書き分けに関しては、以下にまとめたのでお時間あるときにでもお読みください。
句読点に気をつける
句読点、というか主に読点なんですけどね…。
読点は、いわゆる点(、)ですね。人によってルールがあったりするのですが、とりあえずは「読みやすくする」ということだけ考えていれば良いと思います。
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たとえばひらがなばっかりつづくぶんしょうもとうてんがあればわかりやすくなります。
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
たとえば、ひらがなばっかりつづくぶんしょうでも、とうてんがあれば、わかりやすくなります。
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↑上記は極端な例ですが……。たとえば「今日の分納品です」→「今日の分、納品です」だけで圧倒的にわかりやすくなりませんか?
一文はなるべく短く
これでもかというくらい一文を短くしましょう。小説であれば、長い文章に情緒が生まれるかもしれません。しかしそこには、高度な技術が必要です。我々はまず、情報を伝える文章を書くことから始めましょう。一文が長くなると、単語と単語の関係がわからなくなってしまいます。要するに、何が書いてあるかわからなくなる、ということです。ガンガン削っていきましょう。
まとめ
とりあえず言いたいのは、
とりあえず読む→思ったことをツイートする→何か思いついたらバーっと書き出してみる→書きたいことを整理してみる→実際に書く
をやってみると良い、ということです。文章の基本的ルールとかは、正直ほとんどどうでも良いです。やってるうちに慣れます。
文章が多少粗くても、内容が面白ければ人は読んでくれます。逆に、内容がほとんどないのに文章力だけでどうにかするのは、かなり骨が折れる作業です。
とりあえず言いたいことが書ければ、それでもう8割くらい完成です。あとの2割は地道に磨いていきましょう。そして、その2割を探求する人たちがプロのライターなのだと思います。
文章力を鍛えるのにTwitterが良いという話は、編集者の竹村さんも書いています。
また、文章の書き方を学びたいという方には、こちらの書籍もおすすめです。
文章を書くときの「視点」を鍛えたいという方は、こちらがおすすめです。短歌の入門書ですが、他の文章を書く際にも役立ちます。
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