世界は「雑談」を欲している。
突然、雑談の機会が取り上げられてしまった。
COVID-19で、多くの分野で新しい生活様式への移行が求められました。特に不特定多数で対面で集まることが大きく制約を受けたままです。
しかし、気の置けない仲間との会話は、古来から人間社会にとって不可欠のもの。焚き火を囲み、食卓を囲み、お酒を呑みながら…。ふとした会話から着想を得て行動したその積み重ねが、今我々が暮らしている社会です。
精神安定剤にも、楽しみとしても、着想という意味でも「雑談」が果たしてきた役割は大きいと思います。それなのに、生活の中で家族以外の人と、雑談をする場が取り上げられてしまいました。雑談というフォーマットの素晴らしいところは以下です。
雑談の優れたフォーマット性
1.アジェンダがない(なので、話がどこに向かうのかわからない)
2.結論を出す必要がないので、無理やりまとめたり、ラップアップする必要がない
3.リラックスしているからこそ、連想ゲームのように、自分が普段考えていることを言語化する機会が得られる
4.参加するメンバーが変わったり、増えたりしただけで、マンネリ化しない
以上のようなメリットが雑談というフォーマット自体に組み込まれているのがすごいですよね。僕自身も、今回の自粛生活を経て、雑談というフォーマットの凄さにやっと気がついたわけですが。。。
雑談は、インプットを増幅したり、揺さぶることができる
そう考えると、オフィスで集まれず、仲間と呑みにも行けず、出歩かなければ偶然の出会いも生まれずという状況はクリエイティブ的にも大きな損失となって現れてくるでしょう。いくら籠もって作業やインプットに集中する時間が増えたとしても、誰かと考えていることを共有して、アイデアを増幅させたり、修正する時間が必要です。
オックスフォード大学トリニティ・カレッジ出身のノーベル賞受賞者が多い秘密が、トリニティ・カレッジにあるパブだと言われています。異なる分野の専門家が、雑談することで、アイデアを生み出し、社会を変えてきました。世界は「雑談」で前に進んできました。リラックスして、心理的な安心感がある中で自由に語り合うことで、世界は前に進みます。withコロナ時代に対応できる価値を生み出す「雑談」の場を考えていく必要がありますよね。雑談を再評価中です。
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