スプラの非公式大会の盛り上がりについて
最近、スプラ関連で話題になっている大会の盛り上がりについて。
詳しい経緯は省くが、事の発端はとあるプレイヤーの「大会の価値を上げるために大会の頻度を減らしてほしい」という旨のツイートである。
このツイートの是非はとりあえず置いておくとして、ここから様々なプレイヤーが「どうやったら大会が盛り上がるか」「何故大会シーンが盛り上がってないのか」など色々と自論を投稿し始めたのだ。
個人的に非常に面白く、そして意義のある議題だと思う。
そこで私、あとばるも1つの意見として「何故大会シーンが盛り上がっていないのか」というのを書き記していこうと思う。
「無意識の自惚れ」と「大会の盛り上がり」
実を言うと前に似たような記事を書いてnoteに投稿しようとしたことがある(といっても半年ほど前だが)

その時も焦点を当てていたのが「非公式大会の盛り上がり」だった。
この盛り上がってる/盛り上がっていないはどこを比較しているのかというと「スプラ1」と「スプラ2,3」の差である。
スプラ1の非公式大会の盛り上がりは尋常ではなく、コンスタントに256チームは出場していた記憶がある。
単純に4人1チームで256×4=1024人が参加していることになるので、大会の規模としてはとても大きいだろう。
比べてスプラ2は初期こそ大会への参加人数も多かったが、年月が経つにつれて参加するチームも少なくなり、後期では20チームほどしか参加していないことが増えていった。
スプラ3も同様で、大会サポートという大会が開きやすく参加しやすい仕組みが公式から出されてもあまり参加チーム数は増えていないようだ。
スプラ1のように256チームを埋めるというのは現状のスプラ3では現実的ではないだろう。
このスプラ1とスプラ3の差は何なのか。
私の考えは「プレイヤーが自惚れなくなった」というものである。
「自惚れることができなくなった」という方が正しいかもしれない。
スプラ1のガチマッチにおける評価の最大値はS+99カンストだった。
そこを目標にしているプレイヤーも多かっただろう。
難易度はスプラ3のXマッチで例えるとXP2400~XP2500くらいと考えてもらえれば良いと思う(もうちょっと下かも)。
一般的に見ればかなり上位層なので、一度S+99に行ったプレイヤー達は全員「俺が一番うめぇ!」と思ったことだろう。
全員は言い過ぎたがそんなプレイヤーが3000人くらいはいたんじゃないかな。
そしたら次はもちろん「誰が一番うめぇのか決めようぜ」って話になるわけで。
しかしゲーム内の指標だけでは強さが測れないので、一番俺がうめぇと思ってる奴らを集めて「本当に一番うめぇのは誰なのか」を決めていたのがスプラ1の大会シーン。
ここで大事なのがゲーム内の指標だとS+99カンストが最大値だったというところで、スプラ3におけるXP2400の人もXP4000の人も同じ「S+99カンスト」という枠組みにいたので実際に戦う以外に強さを比較できなかったのだ。
どのプレイヤーも自分が一番だと思って大会に参加していた。
大会で優勝する以外はみんな同じS+99だった。
「自惚れ」というのはこの強さの指標がないために起こる
「意識していない格上への挑戦」である。
Xパワーという強さの数値化
一番強いやつを決める、というのがスプラ1の大会の意義だ。
しかしスプラ2からXパワーが導入されて誰が見てもわかる強さの指標が追加された。明確に数値で強さが分かってしまうと実力はそれで測れてしまうのでわざわざ大会で優勝しなくても自分の強さが証明できてしまう。
非公式の大会に参加して優勝するよりもゲーム内で定められた指標であるXパワーのランキングに載る方がより”公式”であるし、誰から見ても明確である。
しかし実力が数値化されたことにより自分の立ち位置が浮き彫りになり
「自惚れる」ということができなくなった。
試合をする前から相手との実力の差が分かってしまいそもそも参加する気も起きない、というプレイヤーは少なからず存在するだろう。
じゃあ非公式大会を盛り上げるためにはどうすればいいのか
個人的な意見にはなるが、Xマッチがなくなると非公式の大会シーンは盛り上がるんじゃないかなぁと思っている。
ゲーム内での指標がなくなることで、みんな勝手に競い始めるからだ。
(Xマッチと非公式大会、どちらが優先されるべきかは人によって分かれるとして)
まぁそもそもゲームが基本的にラグいとかSwitchの通信速度の限界とか、競い合う前提が満たされていない感じもするので、Xマッチがなくなるだけで盛り上がるかと言われるとそう単純な話でもないのだろうけれど。
現状の「非公式の大会での優勝よりもXパワーの高さのほうが重視される」という意識を変えられない限り、大会シーンを盛り上げるのは難しいだろう。
そう思うと「ツキイチリグマ」ってもっと熱いコンテンツになっててもおかしくないんだけどなと思うのだが(公式でやってるチーム戦で月一開催、景品付き)その辺を紐解ければ何か掴めるかもしれないが自分の頭だと「ラグいからなぁ」しか出てこず発展しなかった。
終わりに
ここまで色々と自論を書いてきたが、非公式の大会とは強さを決める大会だけがすべてではない。
優勝のトロフィーを価値にしている大会もあるし、チームで大会に挑み優勝まで練習するその過程を価値としている大会もある、大会に参加して仲間と楽しむ時間そのものを価値としている大会もある。もちろんどの大会も優勝者を決めるが、1位のみがその価値を持ち帰るかと言われればそうではないだろう。
どの大会でも大切なのは主催者側と参加者側のお互いのリスペクトだ。
主催者側は大会コンセプトとして「価値の提示」をして、参加者側はその「価値の向上」の役割を担っている。
大会の価値が損なわれていると感じるのならば、それは大会の運営側の責任だけではなく参加しているプレイヤー側にも必ず責任がある。
今後の大会シーンの盛り上がりを望むのならば、双方のリスペクトと理解、そして考え続けることが何よりも重要だろうと思う。