ダークと抑うつとメタボ
メタボリック・シンドロームは,歯科医的な問題となっています。単に個人の問題だけではなく,医療費など社会全体の問題でもあります。メタボリック・シンドロームは病気などさまざまな傾向を予測するとされていますので,できればすでにメタボリック・シンドロームになってしまっている人は,何とか脱出したいところですね。
感情障害
感情障害という診断は,気分の障害と活動レベルの変化を特徴とします。長期間にわたって落ち込みや悲しみや抑うつの感覚を抱いたり,逆に過剰に喜びや気分の高揚を感じたり,また一定の期間に両方を繰り返したりします。単極性の感情障害は落ち込みもしくは高揚のいずれかだけ,双極性の感情障害は数ヶ月間隔で両極端な感情を繰り返すパターンです。
感情障害の患者は,平均余命が短い傾向があり,自殺率の増加や社会的な地位や収入の低下,身体面の問題の発生率も高くなってしまうという報告があります。
加えて,メタボリック・シンドロームにもなりやすいとも言われています。
メタボ
メタボリック・シンドロームは,さまざまな問題をもたらすリスクがある状態だとされます。そして,近年の研究では,感情障害の患者はメタボリック・シンドロームに至りやすいとも報告されているそうです。
大きな問題は,感情障害の患者さんたちは生活習慣や健康関連行動に問題が生じやすい点にあります。特に,喫煙や栄養素の偏り,運動不足の問題が報告されていて,肥満傾向になりやすくメタボリック・シンドロームに陥りやすいとか。
ダークな性格
マキャベリアニズム,ナルシシズム,サイコパシーというダークなパーソナリティは,感情障害とはあまり関係がなさそうです。どちらかというと感情障害は,ビッグ・ファイブ・パーソナリティで言えば神経症傾向に関連する方向性です。
一方で,ダークなパーソナリティも,日常の生活や健康関連行動とは関係するという報告があります。
感情障害とダークなパーソナリティとメタボ,どう関係するのでしょう。感情障害の患者さんたちに調査を行った研究がありますので,こちらを見てみましょう(Metabolic Syndrome in Affective Disorders: Associations with Dark Triad Personality Traits)。
ここから先は
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?