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小さな池の大きな魚効果は生じるのか

割引あり

表題の通り,小さな池の大きな魚効果というものがあるそうです。英語ではBig Fish Little Pond Effect(BFLPE)と呼ばれるそうなのですが。今回は,この効果に関する研究の紹介です。


BFLPE

小さな池の大きな魚効果(BFLPE)は,各自が所属している学校の学業レベルによって,個人の有能感が左右される現象を指します。個人が自分の能力と,所属する集団の平均的な能力を比較することから,この効果が生じると考えられています。

学校の中で生徒たちは,自分の達成度をクラスメイトの達成をと比較します。同じ成績をとっていたとしても,全体の成績が低いクラスにいるよりも,全体的な成績が高いクラスの中だと,自分の能力についてネガティブな感情を抱く傾向があると考えられます。社会的比較の中で,成績を推定するということです。

先行研究

これまでの研究は,BFLPEの効果を支持しています。この効果は,異文化間で安定したものであることが示されています。

ただし,例外もあります。BFLPEが見られないという研究もあるのです。

結果が不一致な先行研究がある場合には,メタ分析を行う大きな動機となります。メタ分析で調整効果を検討することで,BFLPEが生じる条件をうまく導き出すことができるかもしれません。

可能性

BFLPEを調整する変数として,生徒たちの年齢,比較対象,教科の領域など,いくつかの要因を検討していきます。

では,メタ分析でどのような結果が見出されたのでしょうか。こちらの論文を見てみましょう(The Big-Fish-Little-Pond Effect on Academic Self-Concept: A Meta-Analysis)。

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