
もし知能指数が変わらないなら
今回も,昔の論文を紹介したいと思います。1923年に公刊された,心理研究第23巻に掲載された論文『若しI・Qが恒常ならば』です。著者は,京都府師範学校附属小学校の辻本延二先生です。
精神年齢
IQというのは,ビネー式の知能検査では「精神年齢の生活年齢に対する比」のことであり,ヤーキースたちによる検査では,「個人の得点数のその年齢における一般標準点に対する比」のことを指すと最初に書かれています。1920年代当時はまだ,ウェクスラー式の知能検査は開発されていませんので,偏差値に基づく数値の算出はされていないことがわかりますね。
ちなみに精神年齢は「何となくおとなっぽい」とか「子どもっぽい」とか,そう云う意味ではなく,知能検査において何歳相当の問題に回答できるかを,年齢を目安にあてはめた数字です。
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