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サンマーメン
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ぼくは名古屋出身なので「サンマーメン」というのはまったく知らなかった。
麺は冷凍
どうなのかな、と思っていたけれど、レンジ500wで3分チンするだけで茹であがった中華麺ができてくる。
ちゃんもコシもしっかりしていて、本当に最近の冷凍食品はレベルが高いと実感したのである。
五目あんかけ中華
しょうゆベースのスープで野菜たっぷり。
まぁ言ってみれば「五目あんかけ中華」である。
そう言い切ると身も蓋もないわけで、なんで「サンマーメン」という名称なのかを調べてみると、これまた実に奥深い歴史を知ることになった。
聘珍楼
名称のサンマーについては諸説ありらしいが、少なくともサンマが入っているわけではない。
神奈川のサンマーメン協会によれば「生馬麺」と書くのだそうで「生馬」をサンとマーと読むのは広東語らしい。
新鮮でシャキシャキした野菜を乗せるという意味なんだとか。
昭和5年に聘珍楼の料理長が考案したものとされていて、昭和初期のお品書きにも記載があるという。
玉泉亭
ここで「ん?」と浮かんだのが、同じく横浜・伊勢佐木町にある玉泉亭である。
ここのサンマーメンを以前テレビで見たときに元祖を謳っていたと記憶している。
あれこれ調べてみるとメニューとして提供され始めたのは戦後のことらしいので、まぁあまり断言はできないけれど、どうやら「元祖」ではなさそうである。
サンマーメンは高級な食い物ではない。
聘珍楼でだって1000円、玉泉亭では650円である。
店内に腕組みしたコワモテの兄ちゃんの写真があるようなラーメン店のこだわりラーメンが多くある中では、とても良心的な価格であると思う。
サラリーマンのランチ食える価格の分水嶺は1000円ではないかと推測するので、サンマーメンの立ち位置は当にそこなのであろう。
歴史は長い。
それだけファンに支持されている証である。
実際作ってみて思ったが、もう手の込んだめんどくさい手間は一切ない。
肉と野菜をざっと炒め、しょうゆやオイスターソース、鶏ガラなどで作ったスープに水溶き片栗粉でとろみをつけるだけ。
はじまりは賄いだったというのも、あながちハズレではない気がする。
これだけ色んなものが入っていれば不味いはずもなく、見た目よりもずっとあっさりとしているのでツルッといける。
いや、また今日も食いすぎてる...。