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江ノ電 鎌高前踏切の怪:part3編集篇

ある日、ふとこんなことを考えました。「江ノ電の線路をSLが走る映像を作ったら面白いよな・・・」「あと、新幹線も走らせたら・・・」。

どうすれば出来るかなんて、深く考えもせずにとりあえず取りかかり始めました。

で、実際に始めてみると「アリャリャ~、けっこうタイヘンじゃん!」
・・・って、まぁ大体、いつもこんな調子なんですけどね、自分。

撮影に関する苦労話はすでに書きましたが、編集に関しても未経験のことが多く、手探りしながらの悪戦苦闘の連続・・・。

とにかくいろいろ苦労して、作品時間が短い割にやたら制作時間が長くかかりながらも、何とか完成し、youtubeに載せました。

youtube動画   https://youtu.be/emrFAY9uZTQ

すると、それまでに載せた20数本の作品とは違う、大きな反応がありました。「あ、ウケたじゃん!」・・・いやぁ、うれしかったですね。
これがきっかけで、荒唐無稽な「江ノ電シリーズ」の作品をたくさん作りました。その多くが自分の予想を越えてかなりウケたのです。

そんなことで、ここらで編集に関するノウハウ等を記録しておこうと思い立ちました。

最近、かなりアタマがボケてきてます。多分、その傾向は今後もどんどん進んで行くでしょうね。新たな発想がなかなか出にくくなってる今日この頃ですが、これを読み返して、刺激になって、今後の作品創作にちょっとでも繋がるといいな・・・などと思っています。

江ノ電マップ2

SLや新幹線を走らせる場所は、背景が海の方がいいと思って、最初から鎌倉高校前の踏切を候補としていました。ここは「スラムダンク」という人気アニメの舞台としても知られており、外国からの観光客も多いところですよね。

江ノ電の踏切上をSLとか新幹線などが走る動画を作る方法は、簡単に言うと、背景と前景の中間に「SLや新幹線の切り抜き画像」を置き、これをソフトウエアで左右に移動させるわけです。つまり、編集画面は基本、3層構造になっているわけです。

これの編集に使用したのは「EDIUS」という動画編集ソフトですが、切り抜き画像を移動させるには「レイアウター」という機能を使いました。

ソフトによって、同様の機能でも呼び名は変わります。「アニメーション」と呼ぶソフトもありますが、その方が分かりやすいかな、と思いますけどね。

☆新幹線の場合

レイヤー重ね概念図3

実際はこれに「踏切警報器」の点滅する赤いランプ(海側と手前側)が加わり、5層になります。

※背景や手前の静止画とランプを、1つにまとめて動画にしてしまうのも理屈上は可能ですが、実際にやると、何故か背景と手前の画像位置が微妙にズレたりとか、編集ソフト上の問題が発生するのでやっていません。

☆SLの場合

新幹線の場合は、車体の画面は1つでいいのでシンプルですが、SLは様々な事情で車体をいくつもの画面に分割せざるを得ないので、かなり複雑になります。

秩父鉄道のSLを、江ノ電の踏切で走らせるには、次のようなことを考慮する必要があります。

A①:秩父鉄道はSL専用の路線ではなく、通常はいつも電車が走っているので、当然「電線」があります。
 そこをSLが走るのですから、煙が常に電線に被ります。・・・これが困るんですよね。常に形状が変化する煙と、電線とを分離することは不可能なのです。

A②:また、街の中を走っているSLの背景には、建物とか木とか様々なものがあります。こうした背景を消すには、 SLを静止画にしなければなりません。

各部名称反転

A③それと、これは現地に行くまで予想が出来なかったのですが、秩父鉄道の線路脇には雑草が生えていて、これが車輪に被さるのです。SLを静止画にして雑草を取り除くことはできますが、動輪とそれを動かす連結棒などのメカは大きくて、かつ動きも複雑で目立ちますから、静止画にするというわけにはいきません。

※前にご紹介した「短すぎる江ノ電」という作品では、江ノ電の車輪は静止画です。江ノ電の車輪が小さいので、回っていなくともおそらく誰も気づく人はいなかったと思います。

・・・と、いうことで、

煙


B①:煙は「焼却炉の煙」を使用することにしました。もちろん動画です。煙の周囲を透明化しています。

SL機関車2

B②:機関車の「動輪とその周囲」を除いたボディ部分は静止画にし、周囲をグリーンでマスキングして透明化しました。

クランク3

B③:鉄橋には雑草が生えていなかったので、動輪部分は鉄橋を走行する動画から切り出しました。そして、「動輪とその周囲(動画)」だけを残し、それ以外をグリーンでマスキングして透明化しました。

※透明化は、ソフトウエアの「クロマキー」という機能を使用しています。「クロマキー」は画面の特定の色(この例ではグリーン)だけを透明にする機能です。


SLレイヤー重ね概念図2


これらを全部重ねると、7層になります。

※動画編集ソフトウエアの画面上で言うと「タイムラインが7本」ということになります。

あと、当然ですが、走行音と警笛、踏切警報器の「チンチン」という音も必要ですから、それらの音声のタイムラインが加わって、編集画面はとてもややこしい状況になります。

タイムラインが増えると、操作がややこしくなるのと、やはりパソコンにかかる負荷が大きくなるので、動作が鈍くなったり、最悪の場合フリーズする場合もあります。

それと、操作がどんどん複雑になると、ボケて来たアタマがブレーキになるんだよねぇ・・・。まぁ、これが最大の問題かも・・・。

短い作品なのに、編集にやたら時間がかかった理由はほかにもありますが、話が複雑になりますので省略します。ここまでだけでも「メンドくせぇ」って思われた方が多いと思いますが、まぁ、趣味ってたいていそんなメンドくささが付きものじゃないでしょうかネ・・・?

※余談

出身は秋田県ですが、高校時代はディーゼル車が主流だったものの、まだSLが少し残っていて、それで通学することがありました。汽車通(きしゃつう)って呼ばれてましたね。あ・・・トシがバレる(^^;;

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