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「パーミ型青眼」構築理論‐なぜ今「天罰」なのか

はじめに

こんにちは、ATMです。

今回はKC1週間前という直前のタイミングでにわかに存在感を放ち始めた「天罰」採用の「パーミ型青眼」デッキの構築理論をしていきたいと思います。

私自身もこのデッキを触り始めたのは今週半ばですが、「king halo」氏主催で開催された「PKC」の2部では4位に入賞、翌日開催された小狼さん主催「飛王杯」は5-1で2位、と短期間にそれなりの勝ち星を稼ぐことができました。

特に飛王杯の決勝戦「パーミ型青眼」のミラーマッチとなったことから、今週のメタとしては適切なデッキの1つであったことは間違いないでしょう。

これらの結果、及びPKCレポートのデータを受けて、「パーミ型青眼」は今回のKCでも十分選択肢に挙げられるデッキであると判断したため、今回構築理論を書かせていただこう、と思い至りました。

PKCレポートのデータに関しては、この記事で取り上げることはないため、各種デッキとの相性など、細かい情報の補完を行いたい場合、そちらを購読していただければ、よりよく環境把握が行えると思われます。

PKCレポートからは個人では収集できない量のサンプルデータを入手できるため、KCを真剣に走るならば必須であり、そのデータを活かして更なる賞金を獲得できれば、レポート代は十分にペイできます。

そのため、積極的に大会に参加するプレイヤーにとっては実質タダのようなものであり、非常にオススメなお買い物です。

また、本記事に関してですが、KC直前であることも含めて、本記事の後半部分は有料となっております。
純粋に理論に興味がある、といった方や、SR確定パック奢ってやるよ、といった気前のいい方、「青眼」には興味ないけど投げ銭してあげる、という優しい方などなど、様々な方からのご支援を募集しております。

それでは参りましょう。

サンプルリスト

私が今回のPKCの2部で主に使用したリストはこちらになります。

リストとは全く関係がありませんが、ワールドチャットのコメントがいい味を出していますね。
全くもって同感です。

そして、そのリストをマッチ戦用に少し手直しして、飛王杯に提出したものがこちらになります。

どちらも大元となる部分は変わらず、「古のルール」の採用以外に差異はありません。

今回、「天罰」で統一せず、「神の摂理」と分けて採用している理由についてですが、調整の結果こうなったとかでは全くなく、単純に手元に「天罰」が1枚しかなかったから、枠を埋めるために妥協で入れているだけです。
「天罰」をお持ちの方は、「天罰」に統一した方が安定してゲームプランに組み込めるでしょう。

ただ、「神の摂理」も体感の運用上は85パーセント程度の確率で実質「天罰」なので、互換枠としては非常にマシな部類です。

ドリームURチケットを入れて無理やり揃えなくても何とかなる、というのは私のような微課金勢にとってはありがたいポイントです。

高品質ジェネリック天罰

今期「天罰」を採用する意義

このデッキは「天罰」採用型の「パーミ青眼」などと銘打っていますが、リストの根本部分は従来の「青眼」と大きな違いのあるデッキではありません。

従来は「因果切断」を筆頭にディスカード罠が採用されていたスロットにそのまま「天罰」などのカウンター罠が収まった形になります。

しかしながら、このデッキは採用カードをカウンター罠カードにしたことで、環境における優位性を幾つか追加で獲得していると考えます。
以下、順を追って「天罰」の有用性をまとめていきたいと思います。

今期の青眼は「青眼の亜白龍」を獲得したことで従来の型と比較して、初動の安定性やパワーが向上しており、「青眼の精霊龍」の成立率自体も無理のない範囲で高まっています。

単純な安定性という面に限って言えば、「セプスロ堕天使」や「サンダードラゴン」その他の環境デッキと比較しても問題ないレベルであり、むしろ優れている、とさえ感じます。

しかし、私はそれでもなお、「青眼」はKCには向かない、と考えていました。
何故なら、「青眼」には上振れがほぼ存在しないと考えていたからです。

これは、私個人の考えですが、KCカップにおいて上位入賞するためのデッキには「上振れた時の対面破壊性能」が必ず必要だと考えています。

もちろん、最低限の安定性を保有していることはデッキ選択の最低限の条件だと考えています。
しかし、その最低限、というラインさえ超えてしまえば、あとはそれを維持したまま、どれだけ最大出力を確保できるかを競う段階に移行すると考えています。

この点において、青眼は最低出力の基準こそ問題なくクリアしているものの、最大出力の点に関しては難があると考えていました。

青眼では先攻「スピリット」+「青眼」、更に上振れて後ろに「因果切断」が関の山であり、アベレージこそあるがパンチ力に欠ける、といった感想です。(※1)

(※1)青眼自体が持つパワーは十分に高いことは間違いないと考えるものの、その他環境デッキの持つ上振れとの方向性が合わず、結果的にデッキとしてのエッジを出し切れていない、という評価。

青眼は強いが、まだ何かが足りない、という認識になっていた。

もちろん、先攻で最大展開まで通ってしまえば大半は問題なく勝てるのですが、その他の環境デッキの上振れと比較したときにどうしても見劣りしてしまう、といった感覚になってしまいます。

特に今期の環境デッキは「セプスロ堕天使」「オノマト」「サイバードラゴン」「サンダードラゴン」といった、ブン回れば全てを破壊できる顔ぶれが揃っており、それらには先攻「スピリット」+「青眼」の並びだけでは実質0妨害なのでそのまま粉砕されてしまう可能性は多々あります。

上振れの化身であり、今期を象徴する犯罪者

デッキとして適切に出力ができていても、それが機能した上でなお勝てないならば、それはデッキ選択が間違っているとしか言えないでしょう。

つまり、端的に言えば「青眼」もこれらのデッキに負けない「上振れ要素」を獲得しなければ勝負の土俵に上がることはできないと考えていました。

そんな中、過剰にデッキ構築を歪めることなく、環境に対応した罠として白羽の矢が立ったのが「天罰」を筆頭とするカウンター罠でした。

「天罰」は主に「セプスロ堕天使」戦において非常に優秀な1枚であり、相手のギミックではケア不可能な札でありながら、1枚で対戦相手のゲームプランを崩壊させる破壊力を秘めています

従来は「因果切断」を採用していたため、セプスロ成立後のエクシーズ召喚を阻止できても、その過程で獲得されたリソースから負けを許すといったパターンが往々にしてありましたが、「天罰」なら、その過程を許しません

特に初動の「イシュタム」による2ドローや、セプスロムーブに直撃させれば、それだけでターンが返ってくるということも期待できる、いい意味で振れ幅の大きい「上振れ」カードとなりました.

また、今期は「セプスロ堕天使」「青眼」「サンダードラゴン」のような前(モンスターゾーン)で勝負して、バックは最小限、というデッキギミックを重視したぶつかり合いが多いため、「コズミック・サイクロン」を筆頭とするバック除去の採用率が低くなっています

例外は「サイバードラゴン」「呪眼」の「嵐」や「オノマト」の「局所的ハリケーン」くらいのものです。

そのため、罠自体の成立率自体は高いため、1枚引けた時のバリューを意識したカード採択が重要になっています。
その観点でも「天罰」の有用性は高いと言えるでしょう。

このように、

・今期最大手の仮想敵である「堕天使」に有効な札であること
・その他対面に対してもケアが難しくリターンが大きいこと
・罠自体の有用性が高く、その中でも最大値が高いため上振れに寄与すること

これらの要素が、「上振れ最強デッキ決定戦」と化した今回の環境において、「天罰」が有効であると考えるポイントです。

これを踏まえた上で、デッキコンセプト解説に移ります。

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