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ドラグーン天下一武道会

はじめに

世は戦国時代、年末にリリースされたドラグーンは高い耐性と火力、コントロール能力で環境を掌握し、メタゲームを支配した。
それはドラグーン大戦の幕開けであった……

どうも、皆さんこんにちは、ATMです。
今回は発売以降様々な形でデッキに採用され、CSで猛威を振るっている「超魔導剣士‐ドラグーン・オブ・レッドアイズ」についての考察です。

対策していないデッキにひたすら強く、なんなら対策されていたとしても関係なく強いため、ドラグーンを採用したデッキは早くも多くの入賞報告が上がっています。

しかし、ドラグーンをご存じの皆さんなら1度くらいは考えたことがあるはずです。

「で?結局どのドラグーンデッキが一番強いわけ?」

というわけで、今回はそんな疑問を解決するべく、ドラグーンを扱うならどのデッキタイプが一番強くなりえるのかを考察していきたいと思います。
題して、「ドラグーン天下一武道会」開催です。

今回も普段と同じく投げ銭方式にしてあるため、最後まで無料でお読みいただけますが、気に入った方は投げ銭していただければ嬉しく思います。

超魔導剣士‐ドラグーン・オブ・レッドアイズとその周辺カード達

・超魔導剣士‐ドラグーン・オブ・レッドアイズ

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チンパンカードその1。
デッキ名を冠するハイパーアルティメットパワーカード。
マジェスペクター耐性に加えて、ヴォルカザウルスのバーン効果とあらゆるカードをカウンターできる高いコントロール能力を併せ持っており文句なしのエースカードです。

その雑魚狩り性能の高さからリリースされてから2週間程度しか経っていないにも関わらず、凄まじい勢いでヘイトを集め、対策も研究されています。

・真紅眼融合

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チンパンカードその2。
先手からでも条件なく発動可能であり、構築時点でのデメリットにさえ目を瞑れば扱うことに関するデメリットもそこまでありません。

魔法カードなので、デッキによってはメインギミックでの対策が難しく通せばドラグーンが降臨してしまうという面でイージーゲーム製造機の側面もあります。

・捕食植物ヴェルテ・アナコンダ

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チンパンカードその3。
ドラグーン関連カードの中で犯罪係数が最も高いカード(当社調べ)。
ドミネーターを向ければ300オーバーの数値が出ることは想像に難くありません。

情報解禁から具体的な使い方は思い付かないけど、とりあえずヤバそうと言われ続けた令和のハリファイバー枠

期待を裏切らず、融合を扱うデッキに積極的に採用されていましたが、1カ月後にドラグーン製造機になるところまでは想像できなかったでしょう。

ドラグーンが環境入りできる主な原因だと考えており、極論アナコンダの禁止でドラグーンビートはB級デッキに降格するでしょう。
それほどまでにエクストラリソースを経由した展開は構築面の安定度に大きな影響を及ぼすのです。

ドラグーンを扱うデッキでは妨害を踏み切った後にリンク値を2稼ぎライフを2000払うことさえできればドラグーンを成立させることができます。

このアナコンダという存在がドラグーンというデッキの核だと考えている程度には最重要視しています。

・レッドアイズ・インサイト

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チンパンカードをサーチできるため、半分くらいはチンパンカード。

ドラグーンを純粋に主軸とするデッキでは言わずもがなの必須カードであり、デッキ内の融合の枚数を倍に増やします。
純ドラを語る際のキーカードになりそうです。

・ブラックマジシャン、真紅眼の黒竜
デッキ内の不純物です。
ドラグーンという強すぎる力を扱うためには相応のリスクが伴うということでしょう。

これらのカードの内、メインデッキに融合、ブラマジ、レッドアイズの3枚、エクストラにドラグーン、アナコンダの2枚ずつ計5枚を採用するだけで誰でもドラグーンデッキを名乗ることが可能になります。

お気に入りのカードを組み合わせて、君だけの最強ドラグーンを作ろう!

ドラグーン採用デッキの種類①(罠型、非展開型)

ビートダウンデッキにドラグーン要素を取り込んだものです。
展開デッキと比較して従来不足しがちであった火力を補い、制圧力も向上します。

・ドラグーンビート(純ドラ)
ガイド、トリックスターギミックなど、手軽にリンク値を2稼げるカード+インサイトを含む融合アクセスを最大限採用してドラグーンアクセスを重視する、ドラグーンを主軸に押し出した構築です。

余ったスロットには神シリーズや魔封じなどコントロール性能の高い汎用的な罠カードが多く採用されており、定着させたドラグーン1枚を維持してそのまま勝つことをコンセプトに構築されているものです。

シンプルなコンセプトながらドラグーンを主体とした押し付け力は凄まじく、一躍環境を定義するデッキの1つとなりました。

最も最初に結果を出したドラグーンデッキであり、ドラグーンビートの名で呼ばれることの多いデッキですが、今回の記事ではその他ドラグーンデッキと区別するため、純粋なドラグーンビートという意味合い「純ドラ」の名称で統一させていただきます。

・ドラグーンサブテラー
アナコンダアクセスを重視するのではなく、その枠をサブテラーギミックに充てた構築です。

純ドラと同じく罠を使うドラグーンデッキですが、融合の、発動ターン中の召喚、反転召喚、特殊召喚ができないという制約を、サブテラーの導師のセット→シャンバラでリバースさせて妨害を構えるといった形で制約を踏み倒すことができ、融合を主体としたドラグーンの中では確かなシナジーを感じます。

・召喚ドラグーン
トリックスターギミックに加えて召喚獣をも要素に取り込んだドラグーンデッキです。
純ドラの派生とも言えるデッキですが、罠の数は控えめとなっており、より攻めに特化したドラグーンデッキと言えるでしょう。

先手でドラグーンを強く通しつつ、ドラグーンミラーにおいてはキラーカードになる抹殺の指名者の採用は研究スピードの速さを感じます。
テラフォーミングからトリックスターと召喚要素を選択できるため、攻め手も多彩であり、純ドラに対抗するためのドラグーンデッキという位置付けになっているように思います。

実際の今週末の入賞数の割合から、純ドラよりも優位な要素が存在したのは間違いないでしょう。
今後が楽しみなデッキタイプでもあります。

・ドラグーンオルターガイスト
メリュシークの準制限指定で弱体化したかと思われたオルターガイストですが、新たな攻め手としてドラグーンギミックを選択。

現存する罠カードを多く使うドラグーンデッキの中で最も強力な構築であると考えています。
理由は後述。

ドラグーン採用デッキの種類②(展開型)

こちらはドラグーンを主軸にするのではなく、展開の余力分をドラグーンに変換して展開を補強する点が異なります。

あくまで、デッキの主軸は元々のデッキの動きであり、展開の派生、もしくは崩しのムーブとしてドラグーンが存在するといった認識がよいしょう。

・ドラグーンオルフェゴール
前期環境王者の帰還です。

前期のマスカレーナ展開の要領でアナコンダを立ててドラグーンを成立させます。
理想的な展開はアナコンダ+ドラグーン+ガラテア+クリマクス

アナコンダ、ドラグーンが闇属性であることからオルフェゴールの制約をものともしません。
強い×強い=超強い、の理論で産み出されてしまった新環境の悪魔超人タッグ。

・ドラグーン魔術師

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こちらはデッキ内に不純物となる融合素材を採用せず、エクストラデッキのドロドロゴンを使ってドラグーンを出す構築です。

エクストラデッキを上手く使えるならばこういったドラグーンデッキも今後増える可能性がありますね。

・セフィラ

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こちらは少し特殊でギミックというよりも、デビルフランケンを使ってドラグーンを出すことでデッキの不純物を不採用とし、展開強度を上げることに成功しています。

その他のデッキと違って、後手の際もデビフラ+テセウスの魔棲物でガイザーオヤ展開に移行でき、メインギミックを損なわずにデッキパワーの底上げに成功しているのは見事という他ないでしょう。

このように、展開デッキに関しては、融合要素は最小限にしており、更には展開手段もアナコンダオンリーではなく、その他のギミックを介してドラグーンを成立させる選択肢を取り込んでいるものも多いのは印象的ですね。

自前のギミックが回りきってしまえばゲームに勝てるというそもそものスタート地点があるため、無理に構築に負担をかけることなく、美味しいところだけを選択できているのではないかと考えています。

これらの要素も後々重要になってくるでしょう。

結局最強は誰だ…?

ここまで様々なドラグーンデッキを取り上げて来ましたが、どのデッキがベストなドラグーンデッキとなりえるのでしょうか?

結論から言うと、現状出揃っている構築の中では、罠を使いたいならばオルターガイスト、展開デッキを使いたいならばオルフェゴールと混ぜ込むのが最も強いと考えています。
そして、純ドラはしばらくは選択肢にはなり得ないだろうとも予測しています。

では、それらは何故なのかを解説していきたいと思います。

まず、純ドラの評価が低い理由ですが、純ドラに関しては、構築理論の根本に解決不可能な脆弱性を複数抱えていると考えているからです。

純ドラの構築理念に脆弱性があると考えている以上は、その系譜を継ぐデッキが自分の中でのベストデッキになることはないですからね。

まずはそこから解説していきましょう。

純ドラが抱える脆弱性

私は純ドラには構築理念に2つの脆弱性があると考えています。

1つ目はドラグーンを扱うための構築的な弱点
2つ目はメタへの耐性という観点です

それぞれを解説していきましょう。

純ドラの抱える問題①

まずは、ドラグーンを扱うための構築的な弱点についてです。

純ドラは前述の通り、ドラグーンの成立が命のデッキであり、そのギミックもドラグーンを作るギミックと、その後の妨害用のカードと役割がきっぱり別れています。

これらの要素の分離が起きた時、このデッキのパワーは非常に低下してしまうのです。
カードゲームである以上は運によるパワーの上下は仕方のないことですし、その他の罠ビデッキも似たような弱点を持っており、何もドラグーンだけがその脆弱性を抱えているわけではありません。
しかしながら、逆説的には純ドラはその他罠ビと変わらないデッキという位置付けにしかなれないということでもあると考えています。

では、要素の分離とは具体的にはどういったものでしょうか?
それはドラグーン成立のためのカードが過剰に供給されたハンドで起こると考えています。

罠過多のハンドであれば、罠で時間を稼ぎ、ドラグーンにまで漕ぎ着けることも現実的だと考えるため、あまり問題視はしていません。

理想論で言えば、初手におけるドラグーン成立ギミックは1枚で十分であり、残りのハンドで妨害を敷くことが理想でしょうが、そもそものアクセスの確率や妨害を鑑みると最低限のみの採用というわけにはいきません。

先攻でドラグーンが成立しないならばそれは構築理念が崩壊します。
そのため、多少過剰になろうとも、引けないよりは引いた方がいいとアクセス要素を採用します。

そのため、融合+インサイトや、それら+リンク2といった風にドラグーンを供給するための要素が過多になってしまう可能性が高いのは想像に難くないでしょう。

ドラグーンの強みは手札の不要牌1枚を万能カウンター効果に変換することができる、というところであり、このように浮いてしまった展開要素にも妨害の役割を担わせることができます。

この性質が純ドラの弱さを逆に認識させにくくしていると考えています。
ギミックの供給過多が発生し、ドラグーンの手札コスト以上の枚数の不要牌を抱えてしまった時、ドラグーンデッキは非常に線の細いデッキになってしまいます。

そして、昨今の展開デッキは非常に強力であり、ブン回ってしまえば2妨害程度なら踏んで展開を通すことが可能です。

つまり、ドラグーンは対策されていないメインデッキ同士の勝負では非常に有利であるという性質があるはずなのに、メインデッキの先手ですら、対策していない相手のブン回りに轢かれかねないという問題を抱えているのです。

インサイトまで採用する特化構築はこの事故要素から逃れることはできませんし、この問題は純ドラというデッキタイプが認識され始めた今後はより顕著になり、メインギミック内での対策を図るデッキが増加していくであろうことを加味しても無視できない性質と言えるでしょう。

純ドラの抱える問題②

次はメタへの耐性の観点です。
純ドラは構築指針がドラグーンへのオールインであるドラグーンワンマンデッキです。

メインデッキでは無理なく通用するこの戦術も存在が認識されてしまった今は非常に分かりやすく、対策が容易です。

最もシンプルな対策は怪獣といったやり取りを拒否した交換カードであり、それらを見越してドラグーンをおかわりするための円融融合やレッドアイズスピリッツを足す構築も見掛けますが、そもそも対応が後手後手です。

現在はドラグーンが墓地に落ちる対策が多いですが、今後はバウンスや除外で再利用が難しくなったり、超融合などそもそも対応できないメタが増えていくでしょう。
特に、最悪なのは次元障壁の流行です。

先攻で障壁を置かれてしまえばドラグーンオールインのこのデッキは問答無用でターンを返すしかありませんし、そのロスを見逃してくれるほど甘いゲームスピードではありません。

今後、メタが激しく、多角的に行われるようになってきた場合、それらの多角的な攻めを防ぎきれるほどの柔軟性を純ドラは持ち合わせていないと考えます。

つまり、ドラグーンを使用するならば、目先のシナジーや勝ちだけでなく、将来的なメタの影響の受け方まで考慮したデッキ選択が必要となるでしょう。

ここからは各自のメタ読み能力が試される環境となっていくでしょうし、ドラグーン天下一武道会の勝者はメタに最も強いドラグーンデッキと読み替えることが可能です。

これら純ドラの不安要素を加味した上で、先程のベストデッキの選択理由に戻りたいと思います。

オルターガイストとオルフェゴールの利点

これら2つのデッキにはある共通点があります。
それはメインギミックの成立で十分に試合に勝利することができ、また、そのギミックの動きが次元障壁を強く踏まない、というところです。

ドラグーンに加えてエンディミオン、セフィラ、魔術師など様々なペンデュラムデッキの台頭が見られる現在、次元障壁の汎用性と需要は高まっており、複数枚のサイドデッキへの投入が行われるようになってきたようになっています。

そんな中、次元障壁の影響を受けないデッキはそれだけで追加の価値を持つと言えるでしょう。
私はそれほどまでに今期の次元障壁を高く評価しています。

また、各デッキは自分の苦手な要素をドラグーンを採用することで補うことができるだけでなく、ドラグーンに依存しないゲーム運びが可能です。
そのため、それらと対面する場合は、ドラグーン及び本体となるデッキの要素という多角的な攻めを想定しなければならず、それらを綺麗に解決することは非常に難しいでしょう。

一度取りこぼしてしまえば各々のギミックが回り速やかにゲームが決まりますし、ドラグーンはその手助けをするだけにも関わらず、とてつもない存在感を放ちます。

これらが2つのデッキをベストドラグーンに挙げた理由です。

召喚獣混じりは融合を主体としたギミックである以上は障壁を避けきるのは難しいと考えますし、魔術師のドラグーンはPモンスターによる展開の先のドラグーンであるため、P宣言でドラグーンまで封じ込められてしまいます。

セフィラだけはドラグーンとシンクロ系列、及びPモンスターによる多角的な攻め筋を用意できますが、それにしても障壁を無理なく入れられてしまうデッキである以上はその選択権は相手にあり、「ドラグーンを強く使うこと」においてはベストデッキにはならないでしょう。

勘違いしていただきたくないのは、これらはドラグーンを使うためのベストデッキを探すという観点のお話であり、各デッキが環境のベストデッキ足りえるのかはまた別のお話となります。

今後のドラグーンのあり方

ここまで述べてきましたが、ドラグーンは非常に魅力的なギミックです。
デッキ内の不純物、及びそれらを素引きするリスクさえ許容できるなら、ドラグーンを採用できないデッキはないと言ってもいいというのは間違いないことですし、かつての十二獣のように汎用出張枠として扱われる可能性も捨てきれません。

しかしながら、考えなしにドラグーンギミックを採用するだけでは逆にデッキパワーを損ないかねません。
自分のデッキはドラグーン要素を欲しているのか、欲しているならばどういった形で上手く取り込めるのか?そういった部分を考慮していきたいものです。

私としてはリンク展開を主体とする展開デッキの中で最後にドラグーンを添えるといった、あくまでも脇役としての起用が一番バランス良くデッキを強くするのではないかと考えます。

メタ対象とメタカードが出揃い始めた時点で年末を迎えてしまうのは口惜しい気もしますが、この年末年始のインターバルで更なる強デッキが生まれる可能性もありますね。

楽しみに新年を待ちたいと思います。
それでは皆さん、またお会いしましょう。


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