金木犀を想って
秋晴れのある日。外に出て鼻をかすめたその香り。
「今年も来てくれたんですね」と1人つぶやいた。
あなたはいったいどこにいるのでしょう?
甘く、爽やかなんだけど、それでいて少し残る感じ。どこかな?どこかな?
あっ、いました。今年もオレンジ色の姿をしたあなたが。
風が吹くたび、あなたの気配が残ります。秋の爽やかな青空と、フワフワした雲の下にいるあなたはとても素敵なような気がします。
今年も僕の前にいてくれるのは2週間くらいでしょうか?
いつも、あっという間ですね。なんの知らせもなく僕の前に現れて、姿は見せないけれど、その気配は感じさせて。でも、気がついたらいなくなるのはどうしてですか?
あなたが来ると、秋がきたんだって思います。だから、お礼くらい言いたいのに……
1度もさせてくれたことはありませんね。
だから、今年もきっとそうなのでしょう。
でも、1年待てば、また会えますね。
あなたの香りだけが僕の身体に残ったまま、また次の秋が来るでしょうから。
あなたがいる時期を存分に楽しみたいと思います。
いつも、秋の訪れを告げてくれてありがとう。
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