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詩の新人賞3つの比較と、詩界の改革案

ふと思いついて、詩界では詩集単位の新人賞として有名な三つを比較してみようと思いつきました。

詩界では新人賞として中也賞よりも扱いが上なH氏賞と、今ひとつ位置付けがわからない日本詩人クラブ新人賞の二つがあります。

詩界の端っこに、片足だけ突っ込んでいる僕ですら、その3賞の位置付けがわからないので、一般人にはもっと不明な、この3章の位置付けをシロンとしてやってみようと思ったのです。

まず、詩界の感覚でなく一般的な感覚・知名度で明確なのは、

 中原中也賞>>>>>>H氏賞   〜〜(?)日本詩人クラブ賞(?)〜〜

この圧倒的な知名度の差です。
詩界の感覚では、たぶん、

 H氏賞≧(>?)日本詩人クラブ賞>>中原中也賞
 (これはあくまでも、歴史と伝統、知名度の差ですし、ひよっ子な、僕の私見です。H氏賞≒日本詩人クラブなのが正解なのかも知れません。
  何よりも、H氏賞の受賞を、せめて、文芸誌のどこかに載せてもらいましょう運動を、詩界の方々はすべきですよ。
  このまま、蛸壺化を坐して、死を待つのですか?
  僕が首脳部にいたら、とりあえず発信力のある高橋源一郎さんを引き込む作戦を取るなあ。
  もしくは、小池昌代先生とか、詩人兼小説家の方々を、どんどん巻き込みますよ。
  思潮社さん、見てますか?)

でもね、普段、月1冊本を読むかな、の一般人には、小説も含めて、

 中原中也賞>>>>>>文學界新人賞・文藝賞・すばる文学賞・新潮新人賞・群像新人賞

ですからね。
そもそも、読み手ファースト感覚の小説家にある(プロの)商業誌感覚と、書き手ファースト感覚(だとすら気づいていない)詩人の(非プロの)同人誌感覚とでは、
きっと全然、違うのでしょうね。

怖いのは、詩人や詩界の方々が「詩=高尚・芸術」と自惚れて、そこへ無意識に固執していないかな、と。
孤高の文学テーマ・存在であることと、実際に読み手を完全に無視してしまうのは、よく似てるし、同じ部分もあるけど、
完全一致させちゃうのはまずいんじゃないですか?

コマーシャリズムに迎合しろ、と言っているのではありませんよ。
たたでさえ、唯我独尊的になりがちな詩人たち、ですからね。

俳句界における、プレバトの革命的な大成功に倣う必要がありますよね。
そもそも、テレビで「NHK俳句」や「NHK短歌」があって、なぜ「NHK現代詩」がないのか、疑問に思わないといけません。
元々の結社・門人制(?)や家元的な、俳句・短歌とは、成り立ちが違うのはわかっています。
だって、「NHK小説」もないですから。

ところで、新人賞並びで言えば、一般人には、

 中原中也賞>江戸川乱歩賞>横溝正史賞>>>>文學界新人賞・文藝賞・すばる文学賞・新潮新人賞・群像新人賞

になっていると思います。

そもそも、詩界の、

 萩原朔太郎賞>>中原中也賞

のはずが、これも一般人的には「萩原朔太郎賞≒中原中也賞」でしょう。
最近の高校国語教科書には、中也は載っていても、朔太郎はいませんから。(賢治はいますよ)

うーん、なんだか、書いていて、すごく革新的で、危ないことを考えて、世間へ公開している気がしてきた。
たぶん、僕が文学のジャンル分けをあまり気にしない。ボーダーレスな学びを続けてきたからこその発想でしょうね。

誰か、これ、商業誌で紙媒体で描かせてくれないかな。笑

あと、ここまで書いたから、書いちゃおう。
初めに述べた新人賞三つ。
中原中也賞(記号T)、H氏賞(記号H)、日本詩人クラブ新人賞(記号S)は、’23年度で候補作を列挙して、比べてみました。
受賞作とかぶっている方だけ名前を以下に挙げますね。

*第29回中原中也賞’……23年度受賞は、佐藤文香『渡す手』
  受賞作を含む候補7点中、2つ重複しています。

  貝塚津音魚『里山-イノシシのうた』N・S
  佐峰存『雲の名前』N・S・H

*第34回日本詩人クラブ新人賞……’23年度受賞は、井嶋りゅう『影』、数字番号は票数の順位。
  受賞作を含む候補10点(次点5点)の15点中、4点(1点)の5つが重複しています。

1 『影』 井嶋りゅう (26票)N・H
2 『雲の名前』 佐峰存 (15票)N・S・H

7 『福音』 玄原冬子 (6票)N・S 
7 『里山―イノシシのうた』 貝塚津音魚 (6票)N・S

(次点)
『グラス・ランド』 水嶋きょうこ (5票)S・H

*第74回H氏賞……’23年度受賞は、尾久守侑『Uncovered Therapy』。丸数字は票数順位。いつも選考委員の推薦作が受賞。

 候補8点、推薦3点の11点中、4点(推薦には0)が重複しています。
①佐峰存『雲の名前』(思潮社)22票 N・S・H
②井嶋りゅう『影』(文化企画アオサギ)14票 S・H……日本詩人クラブ新人賞

③水嶋きょうこ『グラス・サンド』(思潮社)6票 S・H
③玄原冬子『福音』 (版木舎)6票 N・S

〈選考委員会推薦候補詩集〉
尾久守侑『Uncovered Therapy』  (思潮社) 受賞

と、勝手なことを書き散らかしました。

結論としては、ですね、意外に重複作品があるなあ、という感覚が僕個人にはあります。
中也賞は、入れ替わる前の去年までの選考委員は高橋源一郎さんの発言に代表されるような、
明らかに現代詩手帖的な、言語修辞派の作品は、賞の趣旨から外れると、除外していました。

それは、いわゆる私家本での候補作にノミネートが中也賞に多かったことからも明らかでした。

さて、今年はどうなんでしょうね。
僕自身が、詩集を三つともに応募(厳密には違いますが)したので、
すごく関心があります。

ということで、3つのうち、どれか一つ、僕に新人賞をくださいませ。
詩の女神さま。(おいおい)

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