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眠らぬ鉄の魔女:設定集


魔女アウロラ:
主人公。虚無の魔女。魔女は生まれつき強い魔力を持って生まれる。それは魔女特有の臓器、魔導器と呼ばれるものの恩恵によるものだが、彼女にはそれが体のどこにも存在しなかった。空の器である自分をコンプレックスに思い、姉に隠れて密かに対聖騎士の訓練を続けていた。下級魔術を駆使して戦い、聖騎士たちの聖剣の力と身体を奪って行く。

魔女スノウホワイト:
人間の国語教師として生活していた。氷結の魔女。魔女アウロラの実姉。戦いを好まず隠れて生きることを選ぶ。

魔女サンドリヨン:
見た目は幼いが非常に強大な魔力を行使する不老不死の魔女。「灰燼の魔女」として魔女たちの頂点に君臨している。中世の時代に魔女狩りから家族を守ろうとして悪魔と契約、それまでは架空の存在であったはずの本物の魔女になってしまう。そして、同じような境遇の娘たちに力を分け与え、魔女の開祖となった。激しい戦いの末に灰魔法によって当時の教会騎士団を壊滅させたが、その残党たちとの終わりのない戦いは現代でも続いている。この時代においては聖騎士たちが所有する聖剣の力によって異空間の鳥籠めいた牢獄に封印されている。聖騎士が死ぬたびに封印が弱まり、その都度魔女アウロラに力を分け与える。

聖騎士ブランズフィールド:
「風使いブランズフィールド」の異名を持つ聖騎士。風を操り竜巻を起こす。傲慢で驕り昂った性格から隙を突かれ、魔女アウロラの下級魔術の罠により死亡。両脚を奪われた。

聖騎士ダーダルネス:
「雷電の如きダーダルネス」の異名を持つ聖騎士。聖騎士団の中で最も若い。雷の速度で駆け、稲妻を放つ。自身のボディをその異名の通り雷電そのものに変換することも可能。その形態は理論上無敵だが、絶縁体と海水には無力だった。聖騎士ブランズフィールドと同様、油断から下級魔術の罠に嵌り、海に放たれ、文字通り無惨に散って右腕だけが残った。

聖騎士ジブラルタル:
「清き炎のジブラルタル」の異名を持つ聖騎士。魔女アウロラにとって最初の"壁"となる。聖騎士団でもっとも古参の戦士であり、他の聖騎士たちからの信頼も厚い。そのため過去には聖騎士団長への推薦もあったが、好戦的な性格のため要職に就くことを拒否した。そうして彼は前線に出続けている。聖騎士たちは全員が人間をやめ、脳以外の全ての身体をサイボーグ化しているが、ジブラルタルに使用されているパーツは聖騎士団創設初期からのものが多く、つまり旧式である。しかし戦闘経験の豊富さと尋常ならざる攻撃性により不敗。両腕の封印を解くと聖剣が使用可能になり、あらゆるものを焼き尽くす。

聖騎士ヴィリキツキー:
全高15メートル、重量35トン。聖騎士でもっとも巨大なボディを持つ。「大力無双のヴィリキツキー」の異名は伊達ではなく、全身に大量の兵器を装備しており、弾薬が尽きた後は体躯と腕力を活かした戦闘スタイルに移行する。一人で一国を滅ぼすことができるほどのパワーの持ち主だが、その無尽蔵のエネルギー源は脊髄に刺した聖剣によるもの。実は聖騎士団唯一の女性ではあるが、生身はもはや脳しか残っていないため、聖騎士団では性別による区別は一切なく、実力において平等である。聖騎士ジブラルタルに拾われ育てられた過去があり、彼の仇打ちに真っ先に名乗りを上げた。

聖騎士ドーバー:
「深淵を覗く者ドーバー」の異名を持つ聖騎士。聖騎士団唯一の非戦闘員。類いまれなる知能の高さとそれを活かした非人道的な研究成果によって念願の聖騎士団入りを果たした。聖騎士や、傭兵である白騎士たちの身体改造はすべてドーバーの手によるものである。非戦闘員ではあるが、非常時にはその計算能力と複眼の機能により未来予知の如き動きを見せるため、討伐は容易ではない。

聖騎士ザンジバル:
「剣聖ザンジバル」の異名を持つ聖騎士。聖騎士団でただ一人特別な機能を持たず、剣技のみで戦う剣士である。その純粋な戦闘能力の高さゆえに白兵戦では無敵であり、小細工が一切通用しない。ザンジバル自身も一対一の正々堂々とした真剣勝負を好み、敵であっても強者には礼を尽くすという筋金入りの武人である。

聖騎士アレヌイハハ:
「汚泥のアレヌイハハ」の異名を持つ聖騎士。その異名の通り暗殺や拷問などの汚れ仕事を請け負うことが多い。土や泥、または毒やウイルスなどを自在に操る機能を持つが、本人は自身の能力に対して強いコンプレックスを感じている。そのためそれらは積極的には使用せず徒手による格闘戦を好むようだ。

聖騎士団長マゼラン:
ウロボロス正典教会聖騎士団団長。個性が強い聖騎士たちではあるが、その中でも圧倒的な戦闘能力とリーダーシップによって聖騎士団長まで上り詰めた。所有する聖剣はかつて本物の天使から譲り受けたという逸話がある。また、重力を操る機能を持つなど強大過ぎる力を行使するため、"神に等しい"という畏敬から「天の書記マゼラン」の異名を持つ。

聖騎士スノウホワイト:
聖騎士団長マゼランは破壊された聖騎士ジブラルタルを救ったが、彼の脳はすでに深刻なダメージを負っていたため再起不能となった。そこで鹵獲した魔女スノウホワイトの脳を搭載し、新たに誕生したのが聖騎士スノウホワイトである。魔女だった頃に保有していた強力な氷結魔法を使用することができ、周囲を一瞬にして氷漬けにする。生前の記憶は失われており、殺戮を求めるだけの完全な殺人マシンとなった……と思われていたが、魔女スノウホワイトが抱えていた憎しみは聖騎士としての目的と一致しており、実は自我を保っている。つまり、魔女スノウホワイトとして魔女アウロラの前に立ちはだかることになるのである。

堕天使シェムハザ:
太古の時代、罪を犯し、堕天した神の使徒。かつては神に仕える正真正銘本物の天使だった。聖騎士団を利用していたのはすべて彼女が天界に帰るためである。聖騎士団長マゼランに聖剣リーリウムを与えたが、聖騎士団が敗北したと見るやこれを奪い取り、魔女アウロラに最終決戦を挑んだ。神の使徒らしく自在に空を飛び地を駆け、絶大な力を奮うが、魔女アウロラが自分のものとしたマゼランの重力操作やアレヌイハハの汚泥により容易く移動能力は奪われ、苦し紛れに放つ炎や氷も聖騎士たちが所有していたそれぞれの機能により完封される。虚無の魔女アウロラはその真価を発揮し、無限の魔女アウロラとなっていた。もはや神の使徒すら最強の魔女の敵ではなかったのである。最期は呪いの言葉を吐き、神に祈りながら魂ごと消滅した。



死闘の末、無限の魔女アウロラは聖騎士団を壊滅させた。



すべての聖剣の力を得た今、封印された魔女サンドリヨンを解き放つことが可能だ。

あるいは……

魔女サンドリヨンを封印の中で消滅させることもできる。

どうする……?

・魔女サンドリヨンの封印を解く。
破滅をもたらすオーロラが世界を覆う。灰燼の魔女と無限の魔女はその強大な力により人類を滅ぼした。そして共に上位次元へと旅立った(偉大なる百合エンド)

・魔女サンドリヨンを封印の中で消滅させる。
灰燼の魔女は発動された聖剣の力によりあっけなく鳥籠の中で死んだ。彼女の眷属たる世界各地の魔女たちもその力を失い、消滅して行くだろう。ただ一人、もともと魔導器を持たない人間アウロラだけが残った。魔女も聖騎士もいなくなった世界で人間として穏やかに暮らすのであった(人間アウロラエンド)

・魔女サンドリヨンの封印を解き、戦う。
無限の魔女アウロラは聖騎士や堕天使の力に飽き足らず、壮絶な戦いの末に灰燼の魔女の力さえ自分のものとした。もはや神や悪魔すらも容易に倒すことができるだろう。この星の影の支配者となった今、やるべきことは一つ。そう、神や悪魔さえも討ち滅ぼし、自分こそがあらゆる存在の頂点に立つこと。無限の魔女アウロラは闇夜へと飛翔し、高らかに笑うのであった(魔王アウロラエンド)

#逆噴射小説大賞2020

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