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鉄兜被りの助
2019年4月25日 22:42
「ちょっと、旦那ァ、恵んでくだせぇ。どうかお恵みを。あなたのために祈りますから」「邪魔だ。どけ」人でごった返す雑踏の中、俺は擦り寄ってくる物乞いの胸を勢い良く突き飛ばした。奴はそのままゴミ捨て場に吹っ飛び、頭に生ゴミを被りながら俺に対して何かわめき散らしている。俺は無視して歩き続ける。「ねえ!ねえ!あんた!奴隷を買わないかい?若くて良いのが揃ってるよ!」「間に合ってる。失せろ」
2019年4月19日 21:24
「良し。全員揃ったな」 乾いた空気が冷たい大地を撫でる。満点の星が夜空を彩り、殺風景な荒野を静かな光が照らしていた。動物はおろか虫けらすらも存在しない荒れ果てた地。闇夜の岩場。その影の中で響く声があった。 声の主はいかにも軍隊上がりといった立ち振る舞いを見せる大男だった。白髪と揃いの無精髭を撫でる姿は威厳に満ち、数多の修羅場をくぐり抜けた風格を漂わせ、その存在感だけで空気を張り詰めさせてい